転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第152話 開けゴマ

 

 

「タイガ様」

 

プラントからの情報を統括しているトモがタイガに声をかける。

 

「何だ?」

 

「デュランダルが戦力を終結させているメサイアですが、例の手段で対応可能です」

 

「そうか。なら思ったより簡単にいきそうだな?」

 

「はい。ご指示があればすぐさま対応できます」

 

「よし。それならこちらの指示があるまで待機だ。それは徹底させろ」

 

「わかりました。待機を徹底させます」

 

オーブ軍がメサイアに到着する前に交わされていたタイガとトモの会話である。

この時のタイガの“指示”がメサイアの攻略に大きな影響を与える事になる。

 

――

 

「オーブに抗議を!」

 

「そうです!核の使用はユニウス条約違反ですぞ!」

 

評議会では、オーブの宣戦布告について議論が交わされていた。

もっとも“議論”といっても、オーブを非難する声が飛び交うだけだった。

 

「少なくとも前大戦はともかく、オーブは実際に核を使用していない。

抗議したが、今回オーブは“核を使うつもりはない”と言っている」

 

デュランダルの言葉にも、評議員たちは納得しない。

 

「そんなオーブの言葉が信用できるとでも?」

 

「できるわけがないだろう?その後オーブが何と言ったか、聞きたいかね?」

 

「それは?」

 

デュランダルは淡々と告げた。

 

「『プラントが消えてなくなれば、抗議する相手もいなくなるだろう』……ということだったよ」

 

「なっ……!」

 

「オーブは核でプラントを焼くつもりだ。

プラントが焼かれ、抗議する者がいなくなれば、条約など無意味だと思っているのだろう」

 

評議員たちは絶句した。

 

「しかも実際にはオーブは核を使用していない。これではいくら抗議しても意味がない」

 

「ではバルーンの迎撃は?」

 

「続けるしかないだろう?オーブの良心を期待して“核が入っていない”と祈るかね?

核がひとつでもプラントに届けば手遅れだ。そんな愚かな真似はできない」

 

「確かに……」

 

「もっともですな……」

 

――

 

こうして、プラントの戦力は再び分断されることになった。

ユニウス条約で軍備が制限されている状態で、さらに分断された戦力で地球連合軍に勝てるのか?

ザフトの兵士たちは、その疑問を口に出すことはなかった。

 

数日後、メサイアの周囲は地球連合軍の艦隊に包囲されていた。

MSによる一進一退の攻防が続き、連合軍左翼がメサイアに突入しようとしたその時――

ネオ・ジェネシスが、その力を解放した。

生き残った者たちは、音のない宇宙に轟音が響き渡り、

光の柱が自分たちを撃ち据える光景を幻視した。

左翼艦隊は、ほぼ全滅。

前大戦で力を披露できなかった“福音の光”は、その威力をまざまざと見せつけた。

 

オーブ艦隊が到着したのは、それから三日後のことだった。

 

――

 

「おうおう、随分派手にやられたもんだねえ?」

 

「フラガ三佐!」

 

「いやいや、ラミアス三佐。この惨状を見れば、そう言いたくもなるだろう?」

 

「それは……そうですが……」

 

バルトフェルドの言う通り、連合軍の艦隊は酷い有様だった。

かろうじて撃沈を免れたものの半壊している艦。

船体が抉れるように欠けている艦。

そんな艦が周囲にごろごろしていた。

 

「まったく……おとなしくこちらの“切り札”を待っていればいいものを。

余計な色気を出すからこんなことになる」

 

事実だった。

オーブは宣戦布告後、“地球連合軍に合流する日”を事前に通達していた。

しかし前大戦でオーブに、“白い流星”に話題を持っていかれた連合軍は、

その二の舞を恐れて焦り、先走った結果がこの敗北だった。

 

「さて、どうしたもんかねえ?」

 

「前大戦のジェネシスですかね?」

 

「アレよりもっと小型だな。威力も小さい。もっとも、比較対象がアレでは意味がないが」

 

「確かにそうですね」

 

マリューは苦笑した。

 

「アレよりは小型で威力も小さいが、対艦隊用として考えれば十分だ。

ただし、やはり連射には時間がかかる。一発撃たせて、その間に接近……というところかな?」

 

「やはりそうなりますか……」

 

その間に犠牲になる将兵のことを思い、マリューは暗い気持ちになった。

 

「しかしまあ、あの要塞も……“開けゴマ”と言えば素直に扉を開けてくれればいいのになあ?」

 

「三佐……」

 

ムウの軽口に、さすがにマリューも呆れた声を出す。

だが――

バルトフェルドから返ってきた言葉は、マリューが予想もしないものだった。

 

「あるぞ?」

 

「え?」

 

「何が?」

 

バルトフェルドは不敵に笑った。

 

「あの要塞の扉を開ける“開けゴマ”の呪文がな」

 

その顔には、“砂漠の虎”と呼ばれていた頃と同じ笑みが浮かんでいた。

 

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。


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