転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第153話 呪文

 

 

 

それは恐怖だった。

恐怖がもし姿を持つなら、きっとこのような形になるのだろう。

白い姿。

悪魔。

恐怖そのもの。

白い悪魔。

翌日、アムロが出撃して姿を現しただけで、ザフトは恐慌状態に陥った。

抵抗するMSは一機もない。

ただひたすら逃げ惑うだけ。

抵抗した者は、その場で即座に撃墜された。

逃げ回ったMSも、補足されるまでの時間が数秒伸びただけだった。

 

アムロの出撃によって、連合軍は失った左翼艦隊以上の距離を前進させた。

 

「さて、このままで終わるはずもなし……次はどう出るかね?」

 

バルトフェルドは、デュランダルの思考を読み解く。

彼は遺伝子学者。

軍人ではない。

戦場で有効な戦術など知らない。

ならばどうするか?

自分の理解できる範囲のことをやる。

素人でも理解できること。

大砲での一撃。

軍人は「どうやって大砲を当てるか」を考える。

素人は「大砲を撃てば勝てる」と考える。

ならば――

 

「……よし!方針は決まった!

呪文の準備だ!メサイアを落とすぞ!」

 

「よしきた!」

 

「了解です!」

 

――――

 

「き、来ました!『オーブの白い悪魔』です!」

 

オペレーターの悲鳴が管制室に響く。

誰も咎めない。

その恐怖は、全員が共有していた。

アムロのガンダムを先頭に、オーブのMS、連合軍のMSが編隊を組み、

その後方に連合軍艦隊、さらにその奥にオーブ艦隊が続く。

デュランダルは笑みを浮かべた。

 

(白い悪魔と連合軍艦隊が同じ射線上にいる……

これなら二つ同時に始末できる!)

 

「ネオ・ジェネシス発射準備!」

 

「はっ!」

 

「目標、『オーブの白い悪魔』!

そして同一射線上の連合軍艦隊だ!」

 

「了解!」

 

ガンダムが接近する。

 

(まだだ……まだだ)

 

さらに接近する。

 

(まだだ……もう少し!)

 

「敵、最終防衛線に到達!」

 

「ネオ・ジェネシス発射!!」

 

――だが。

 

「福音の光」は発射されなかった。

 

「どうした!」

 

「何をやってる!」

 

「わ、わかりません!」

 

「ネオ・ジェネシス制御系にトラブル発生!」

 

「コントロールができません!」

 

連合軍艦隊が接近しても、ネオ・ジェネシスは沈黙したままだった。

ガンダムと後続のMS部隊は周辺を掃討。

連合軍艦隊はメサイアに上陸し、陸戦部隊が指令室へ突入した。

 

――――

 

バルトフェルドの「開けゴマの呪文」。

それは――

潜入諜報員に、メサイア起動を妨害するウィルスを注入させるためのパスワードだった。

もちろん、通常の状況でウィルスを仕込んでもすぐに対応されて終わりだ。

だが――

戦闘中、しかもネオ・ジェネシス起動“直前”に感染させれば、駆除は容易ではない。

正確には駆除は容易で通常なら1〜2時間で対応できる。

だが戦闘中に、敵が目前に迫る状況で1〜2時間も無防備になるのは致命的だった。

そこへ連合軍艦隊が突入した。

陸戦隊が上陸し、デュランダルの身柄を求めて指令室へ殺到する。

ネオ・ジェネシスという最大の武器を頼りにしていたメサイアは、それが沈黙した時点で、すでに陥落は決まっていた。

陸戦隊から「デュランダルを確保した」という連絡が届いたのは、それから4時間後のことだった。

 

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。

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