転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第163話 嫉妬

 

 

 

 

イザークはまた新しい指揮官の就任を知らされた。

前任の指揮官はまたしても評議会の息のかかった者だったが「訓練中の事故」で離任する事になった。

指揮官とはいえ軍人なのだから、戦闘訓練するのは当然であり、訓練で負傷する事があるのも当然だった。

問題はそれが三度も続いている事だった。

 

「全く!連中は懲りるという事を知らんのか!」

 

訓練中に三度も「事故」を起こしてしまったイザークは不機嫌に言い捨てた。

 

「まあ、いい加減連中もここにはそう簡単に手出し出来ないという事は理解しただろう。

もう大した手は打てないはずだ」

 

「それなら良いのですが・・・」

 

ユウキの言葉に声を落とすイザークだった。

 

「我々の転属は議長の指示でなければ行えない事になっている。

代行がいくら喚いても無駄だ。

食糧輸送がプラントの生命線とはいえ、そこまで見越して形式を整えていた議長には驚かされるな」

 

「議長はこうなる事を予測していたのですか!」

 

イザークは驚愕した。

 

「外部からどのような干渉があっても食糧輸送はプラント存続の絶対条件だ。

それに対する防衛策のひとつと聞いている。

どれだけ議長がこの任務を重視しているかわかるな」

 

「・・・全くですね」

 

キラの底知れない先見の明にイザークは畏れを抱いた。

 

「議長が回復してくれればこの混乱も収まるだろうが・・・」

 

「まだその後の経過は発表されていませんからね」

 

「そうだな・・・今は一刻も早い議長の回復を祈ろう」

 

「そうですね」

 

だが彼らの祈りは最悪の形で裏切られる事になる。

キラの入院していた病院が再度ブルーコスモスのテロに遭い、キラの死亡が発表されたのだ。

 

もちろんこれは評議会の自作自演だった。

 

自分たちは間違っていないはずだ。

今までと同じ事しかやっていない。

議長の出した指示通りにしている。

下の者も従っている。

なのに何故混乱している?

何故経済が低迷している?

遺伝子が優秀な者が命令すれば、 遺伝子が劣る者は従わなければならない!

命令を実行出来ないのは下の者が無能だからだ!

 

評議員たちは本気でこのように思っていた。

その彼らが現状を収拾する為にキラを頼るという事は、自分たちでは無理だと認める事になり、

それは自分を「優秀な者である」とみなしていた評議員たちには絶対に認められないものだった。

例え頼る相手が自分たちより遥かに優れた「スーパーコーディネーター」だとしても、

自分が誰かに劣るなど認める事など出来るはずがなかった。

 

キラが復帰すれば、自分たちでは対応できなかった混乱をあっという間に収めてしまうだろう。

そしてまた、あの冷たい目で言うのだ。

 

「この程度も出来ないのか?」

 

優秀な自分たちに対して。

許せるはずがなかった。

 

職務を全う出来なかった罪悪感。

自己正当化による保身。

スーパーコーディネーターに対する嫉妬。

様々な身勝手な理由により、キラの病室は再度テロの標的になる事が決定された。

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。
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