転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第166話 過ちの元

 

 

 

プラントは、ついに食糧輸送船団の護衛隊を縮小した。

その結果――

これまでほとんど発生しなかった海賊による襲撃が、頻発するようになった。

食糧の到着が多少遅れる程度ならまだ良い。

だが、到着した食糧が一割減っていることもあれば、二割近く減っていることすらあった。

当然、その影響は市民の生活を直撃した。

食糧品の価格は急騰し、物によってはまったく入荷しない事もあった。

オレンジ一個が一般人の月収の十分の一に達するほどだった。

市民は当然、評議会を非難した。

しかし評議会の返答は――

「キラ前議長の言っていたように、“優れた遺伝子を持つ者に従えば良い”。それで全て解決する」

という、何の意味もないものだった。

 

 

評議会はキラを疎ましく思っていたが、その実力だけは認めていた。

そして彼らはこう考えた。

 

「キラ議長は“優れた遺伝子を持つ者”を優遇することでプラントを発展させたではないか。

ならば我々も同じようにすれば、同じ結果になるはずだ」

 

これが評議会の論理だった。

だが、彼らにとって“優れた遺伝子を持つ者を優遇する”とは――

“自分たちを優遇すること”に他ならなかった。

評議会の内心はこのようなものだった。

 

「キラ議長の命令でプラントは発展した。

つまりキラ議長の言っていることは正しい。

ならば我々が同じことをすれば、成功は約束されている!」

 

キラの成功体験があったがゆえに、評議会はそれを“そのまま真似すれば成功する”と思い込んでしまったのだ。

 

評議会にとって「優れた遺伝子を持つ者を優遇する」という言葉は、万能の成功の呪文だった。

その結果、プラントでは元々存在していた“遺伝子優位”の価値観が成功への絶対条件のように扱われるようになった。

そして――

“優れた遺伝子を持つ者”と見なされなかった者は軽視され、不当な扱いを受けるようになった。

やがて彼らがプラントを、『遺伝子を重視する政策』を見限るのに、時間はかからなかった。

しかし、自分が不当な扱いを受けてもなお、『遺伝子を重視する政策』を支持する者たちは存在した。

彼らは『ナチュラルは自分たち以下の存在だ!自分たちはナチュラルよりも優れているんだ!』とプラントに存在しないナチュラルへの蔑視を続ける事で自分を保った。

それに何の意味も無い事は明白だった。

 

そもそも、市民の苦しみは評議会には届かなかった。

いや、届いたとしても――

評議会は無視しただろう。

なぜなら彼らにとって、

 

「優れた遺伝子を持つ者を優遇する」=「自分たちを優遇する」

 

という意味であり、キラの命令は“他人に自由に命令できる免罪符”を手に入れたようなものだったからだ。

その免罪符の使用を、自己肥大した評議会がためらうはずもなかった。

しかも、実際に成功例である“キラの一年”が存在し、有効性が“証明された”と思い込んでいる以上、乱発されるのは当然だった。

評議会にとって、自分たちが“優れた者”として君臨できるのであれば、市民の生活など考慮に値しなかった。

 

評議会の中で、それが全ての過ちの元だと理解していた者は一人もいなかった。

こうして――

すでに定まっていた“プラントの滅亡”は、人の手によって加速されていった。

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。
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