転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
第171話 ファウンデーションショック
宇宙でプラントが滅亡の道を歩んでいる頃、地球でも大きな動乱が起きていた。
ユーラシア連邦に所属するファウンデーション王国が独立を宣言し、ユーラシア連邦との独立戦争を開始したのだ。
世界中の予想を裏切り、ユーラシア連邦軍は敗退。
ファウンデーション王国は独立を果たし、その成功は周辺諸国の独立運動を刺激した。
ユーラシア連邦は弱体化の道を歩み、この出来事は後に「ファウンデーションショック」と呼ばれることになる。
――――
タイガは、ファウンデーションショックの詳細な報告を受けていた。
結論は明確だった。
「ファウンデーション王国は、女王アウラ・マハ・ハイバルの玩具だ」
確かにファウンデーション王国は発展している。
だが、その発展はディスティニープランによるものだった。
ディスティニープランの発展には支配階級の優遇と被支配階級の創設が不可欠だ。
支配階級の優遇は被支配階級からの搾取によって成立する。
事実、報告書には、王国内にスラムが存在し、その対策が一切取られていないことが記されていた。
通常の国家であればディスティニープランの実行など不可能だろう。
しかし国民に情報を公開せず、恣意的な情報のみを与え、国民に圧制を強いるような、支配者が絶対的な権力を握る専制国家ならば可能だ。
タイガは思考を巡らせる。
(ディスティニープランで発展している国がオーブを見たらどう思う?
自分たちの政策を真っ向から否定しているオーブが発展している事実を、認められるはずがない。
何らかのアクションを起こすだろうが、それは表向きは友好的でも、裏には必ず別の意図がある)
さらに、別の疑問が浮かぶ。
(しかしファウンデーションのコーディネーターは能力が高すぎる。環境が良いだけでは説明がつかない)
その疑問は、アウラがメンデルの関係者だと知った瞬間に氷解した。
(アコード?優れた人類による指導?既に“ニュータイプ”が存在するのに無意味な事を)
そう、“ニュータイプ”の存在によって、既に世界ではコーディネーターの優位性は完全に否定されていた。
(メンデルの関係者が、あれだけ批判されたディスティニープランを実行している。
つまり“優秀なコーディネーター”は、アウラの研究成果と見ていい。
国家の繁栄は副次的だ。本命は“自分の研究の正しさ”の証明だ)
自分の人生を賭けた研究が否定されて、素直に諦められる者がいるだろうか?
しかも、世界中から批判されたディスティニープランを、国家レベルで運用し、見かけ上は実際に発展させている。
自分の人生を賭けた研究結果を、優れたコーディネーターを、ディスティニープランの成功を証明するには何が必要か?
アウラが求める“証明”はただ一つ。
ディスティニープランを否定したオーブに対する勝利だ。
経済的、軍事的にファウンデーション王国がオーブより優越すればその証明になる。
オーブを焦土と化し、経済的、軍事的にファウンデーション王国の支配下に置けば、それは万人の目にも明らかとなる。
ユーラシア連邦から独立したという事実は、ファウンデーション王国が軍事行動を辞さない国であることを示していた。
オーブに対しても直接的な軍事行動を起こす可能性は大きかった。
(コイツにとって国家や国民はただの道具だ。自分の研究成果を証明するのに不要になったら切り捨てるだろう。
逆に言えば自分の研究成果が証明できるなら、国家や国民を滅ぼす事もためらわないだろうな)
タイガのアウラに対する認識は正しかった。
しかしアウラの“自分の生涯を賭けた研究”に対する執着はタイガの予想を超えていた。
(しかし、しばらくは様子見だな。まあ、そう簡単にオーブへ直接行動は取らないだろうが)
タイガはそう結論づけた。
だが――
しばらく後に、その判断が誤りだったことが証明される事になる。
動乱の兆しはすぐそこまで迫っていた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。