転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
ユニウス条約によって、核動力を搭載したMSの保有は厳しく制限されていた。
しかしオーブは、核動力MS・フリーダムの存在を公表していなかった。
実際にフリーダムが戦場で活躍したのは、アーク・エンジェルがサイクロプスから脱出する際の一度きり。
その時点でアーク・エンジェルは大西洋連邦所属だったが、マリューの脱走宣言により“どの国にも属さない艦”となり、
バルトフェルドもまたプラントからの脱走兵という立場だった。
プラントとの最終決戦でも、念のためアーク・エンジェルに搭載されていたものの、アムロの活躍により出番は訪れなかった。
結局フリーダムは、その圧倒的な戦闘力にも関わらず、NJC解析などの研究用途に使われるだけで、実戦投入されることはなかった。
これからもそれは変わる事はない。
――そのはずだった。
その日もバルトフェルドは、変わり映えのしないフリーダムの調整を行っていた。
本来であれば、フリーダムのOSをナチュラル対応に書き換え、戦力として活用するべきなのだろう。
だがタイガは言い切った。
「あんなもの誰でも動かせるようにするなんて危険すぎる!動かせるのは“目の届く範囲”に限るべきだ!」
もっともな主張だった。
その結果、フリーダムはOSを書き換えられることなく、事実上バルトフェルト専用機のような扱いになった。
「いざという時のために備えるのは分かるが……これが出る時は、相当分が悪い時だろうなあ」
そんな時が来ないことを祈りつつ、どうせ無駄だろうと苦笑しながら、バルトフェルドは溜め息をついた。
ちなみに、タイガにフリーダムの存在が露見した場合どうするのかと尋ねたところ、タイガは平然と答えた。
「素直に本当の事を言うさ。“野良MSを拾った”とな?」
捨て犬や捨て猫を拾ったのではあるまいし、世界の軍事バランスを揺るがす核動力MSを、“野良MS”呼ばわり。
だが、言っていることは事実だった。
形式上、オーブは「大西洋連邦の脱走兵とMSを保護した」というだけの話でしかない。
たまたまそのMSが核動力だっただけの話だ。
オーブが核動力MSを開発したわけでもなく、最終決戦でも出撃させていない。
軍事的に活用した事実はどこにもない。
――世界中から非難されても、あの人は「我が道を行く」のだろうな。
バルトフェルドは、そんな嫌な確信を抱かずにはいられなかった。
そんなバルトフェルドを――
オーブの最重要施設の内部で襲い、フリーダムを奪おうとする者が現れる。
誰も想像すらしていなかった“異常事態”が、静かに幕を開けようとしていた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。