転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
フリーダム強奪未遂事件を受け、オーブはファウンデーション王国に対して正式な抗議を行った。
もっとも、タイガが「核動力のMSが強奪されそうになった」などと素直に言うはずもない。
抗議の名目は――
「重要施設への不法侵入」。
一方、ファウンデーション王国は、オーブが核動力MSを保有していることを非難した。
だがオーブは、「核動力のMS?そんなもの我が国は開発していないし、存在もしていない」と平然と白を切った。
それは、事実でもあった。
オーブが核動力MSを開発した事実はなく、フリーダムはすでにアーク・エンジェルと共に国外へ移動済み。
オーブ国内には存在していなかった。
ファウンデーション王国は、謝罪で事態を収めようとした。
だが、タイガはそれを許さなかった。
「どうせ放っておけば味方のふりをして後ろから刺す。今のうちに“敵”になってもらった方がいい」
その判断のもと、オーブとファウンデーション王国の関係は急速に悪化。
ついには、互いに宣戦布告もあり得る状況にまで至った。
そんな中――
ファウンデーション王国の領空を、一隻の戦艦が侵犯した。
その艦の名は――
アーク・エンジェル。
ファウンデーション王国は即座に迎撃を決定。
ブラックナイトスコードを派遣した。
アーク・エンジェルとブラックナイトスコードの間で、戦闘が開始された。
――――
「どう見ても今回は俺たちが悪役だよな!」
ムウの皮肉が艦内に響く。
「ちょっかいを出してきたのは連中が先だ。
核動力MSが奪われていたら、どうなっていたか想像できるだろう?」
「それはそうだが……」
「それに、この艦は“傭兵部隊”のものだ。オーブは関係ない」
「それって、苦しい言い訳じゃないか?」
「事実そうなっているんだから仕方がない」
バルトフェルドの声には、諦めの色が滲んでいた。
アーク・エンジェルに与えられた任務は――
ファウンデーション王国の戦力確認。
ユーラシア連邦を敗退させたその軍事力を、オーブはどうしても把握しておく必要があった。
「この艦は傭兵部隊のもの。
核動力MSも傭兵部隊のもの。
オーブとは関係ない。
戦力を確認したら、さっさと逃げろ――
無理に戦う必要はない」
それが、タイガの命令だった。
――――
「あ~あ、せめてもう少し余裕が欲しいんだがねえ?」
「派手に逃げ回っていればいいだけだ。攻撃する必要はない。
それだけで十分、余裕があるだろう?」
「……前にも言ったが、全く反論できないってのは、結構つらいんだがね?」
ムウはそう言い残し、「ブリッツ」に乗り込むため格納庫へと向かった。
その時、残されたもう一機のGのパイロットが、バルトフェルドに声をかけた。
「俺は隊長の援護という事でよろしいのですか?」
「俺はもう“バルトフェルド隊”の隊長ではないぞ?」
「失礼しました!」
声をかけてきたのは、ディアッカだった。
バルトフェルドは指示を出す。
「我々の目的はファウンデーション王国の戦力分析だ。
少しでも相手に“手の内”を晒させる必要がある。
つまり、戦闘よりも“逃走”を心がけろ。
そうだな――
お前たちが相手にしてきた“ストライク”。
あれと同じ戦い方をすればいい。
自分がされて嫌だったことは、よく分かっているだろう?」
その言葉に、ディアッカは「うげえ……」と嫌そうな呻き声を上げ、顔をしかめた。
「俺たちが、あいつと同じ戦い方をするんですか?……」
数年前のストライクの戦い方は、ディアッカの脳裏に焼き付いていた。
• 攻撃しようとすれば逃げられ、
• 移動しようとすれば攻撃され、
• 追いかければ十字砲火に誘い込まれる。
Gシリーズ4機がかりでも、捕らえることすらできなかったのだ。
「しかし、有効だろう?」
「……それは、そうですが」
相手は嫌がるだろうな――
そう思いながらも、それをやるのが軍人だと、ディアッカは納得した。
「まあ、久しぶりの実戦だ。気負わないようにな。精々、派手に逃げ回って見せればいい」
慰めともつかない言葉をかけると、バルトフェルトはフリーダムで出撃するため、ムウの後を追った。
「さて、いったいどんなシロモノが出てくるのかな……」
《傭兵部隊“大天使”所属のMS部隊と、ファウンデーション王国の遭遇戦》
それは――
記録に残る、フリーダムの正式な初陣だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。