転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
タイガは軍の戦略会議室に軍の幹部を集め、今後の対策を協議していた。
「まずはファウンデーション王国の脅威の排除だ。
連中がディスティニー・プランを実行するのは構わないが、勝手にこちらを敵視されても迷惑なだけだ」
タイガの言葉に、軍の幹部たちは苦笑した。
「まあ、世界中にディスティニー・プランを批判する様子が中継されましたからな」
「あれを見て、まだディスティニー・プランを実行する者がいるのは信じられないのですが?」
「まあ、ファウンデーション王国の女王にとって重要なのは自分の研究成果なんだろう。
他人にどう言われようと、自分の研究成果を証明しようとした結果がファウンデーション王国という事だ。
つまり、女王にとっては国や国民は自分の研究成果を証明するための道具でしかない。
恐らく国を守ろうとか、国民を守ろうという考えはないだろうな」
「そのような国家の指導者がいるとは思えないのですが?」
「『プラント評議会が指導者になった第2プラント』を思い浮かべてみろ。恐らくそれが正しい姿だ」
その様子を思い浮かべた軍幹部たちは納得した。
「国民を省みる事などあり得ませんな」
「国土すら不要になれば捨て去るでしょう」
「敵を自国民ごと攻撃する事もためらわないでしょうな」
「いや、むしろ相手に自国民を攻撃させて、それを理由に攻撃してくる事すらあり得るでしょう」
「それならディスティニー・プランに不要な国民を我々に攻撃させて、不平分子の処理と同時に、我々への開戦理由にする事もあり得ますな」
彼らがプラント評議会をどう思っているのか、よく分かる話である。
しかも彼らの想像はおよそ間違っていなかった。
「おそらく女王にとって、自分の研究成果を証明できる環境がファウンデーション王国に揃っていた、というだけだろう。
他の国で証明できるなら、ファウンデーション王国にこだわらずさっさと他の国へ行くだろう」
それがアウラに対するタイガの認識だった。
「ディスティニー・プランが実行されれば発展するだろうが、犠牲になる者は必ず出る。
少数の成功者のために大多数が犠牲になるのがディスティニー・プランなのに、その犠牲者に対して何の対策も取られていない。
国民を愛する指導者ならあり得ない事だ」
ファウンデーション王国がスラムに対して何の対策もしていない事を思い出し、タイガは吐き捨てるように言った。
「『自国を守る』という最低限の戦争目的すら考慮しない可能性があると?」
「むしろ『自分の研究成果を証明できる』のであれば、自国を滅ぼす事にも躊躇しないはずだ。
例えば自国をオーブに占領させて、自国民ごと核で吹き飛ばすとかやりかねない。
女王にとって重要なのは『自分の研究成果』であって『ファウンデーション王国』ではない」
そのタイガの例えに、軍幹部たちは絶句した。
仮にも「国を守る」ことを存在目的にしている軍人にとって、それはあまりにも理解できない理屈だった。
「ファウンデーション王国がオーブに対して謀略を仕掛けてきた以上、既に準備は整っていると判断すべきだ。
しかも侵入者によれば目的は『オーブを滅ぼす事』という事だ。
最終的に相手を滅ぼす事が目的であれば、途中でいくらでも好条件を提示して和平を結んだり、停戦したりする事もあり得る。
しかしそんなものは擬態だ。ならばこちらも相手を滅ぼす覚悟で臨まねばならない」
タイガの覚悟に、軍幹部たちは息をのんだ。
「ファウンデーション王国の謀略を跳ね返し、奴らを滅ぼしてオーブを護る! いいな!」
「ハッ!」
オーブとファウンデーション王国の敵対は決定的となった。
しかしそれは「他国を滅ぼそうとするなら、自国が滅ぼされても当然」という事でしかなかった。
ファウンデーション王国は自国が滅びる最後までそれを理解していなかった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。