転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「さて、ファウンデーション王国がオーブを滅ぼそうとするなら、どのような手段が取られる可能性が大きいか?
まずはそれの検討だ」
タイガの覚悟を聞かされ、気を新たにした軍幹部たちに、タイガは指示を出した。
「既に謀略が開始されているという事は、準備は完了しているという事ですね?」
「オーブを滅ぼすなら国土を焼き、軍が占領するのが一番確実ですが、そのような事が可能でしょうか?」
「相手は我が国の防衛状況を知らないのでは? 公開しているのはアストレイと通常兵器だけです。
既に空母も保有していますし、水中用MSも数は揃っています。防衛に不安はないかと」
「フリーダムの格納庫にまで侵入寸前になったのだぞ? その情報を相手が得ていないとは思えん」
「ならば通常兵器ではなく、大規模破壊兵器か? 大戦時のジェネシスのような?」
「大陸間弾道弾という可能性もあるのでは?」
「それでは相互確証破壊にしかならないので、互いに手出しできなくなるのでは?」
「自国の被害を考慮しないなら有効だろう? 少なくとも我が国であれば対応せざるを得ない」
「弾道弾なら十分な対策をしていれば迎撃可能です。それが有効とは思われません」
「ならばやはりジェネシスのようなものか?」
「しかしファウンデーション王国が宇宙に進出し始めたのは最近です。
ジェネシスのようなものを建設したような情報はありません」
「ファウンデーション王国以外ならどうだ? 他国と同盟してオーブに攻め込む可能性はある」
「現状、クローン治療の公開によって我が国の外交関係は良好です。
わざわざそれを捨ててまでファウンデーション王国と同盟するメリットが相手にあるでしょうか?」
「う〜む〜」
「我が国に謀略を開始したという事は、既に準備は完了しているはずです。
これから開発中でも、完成予定でもなく、現状既に存在するもののはずです。
それが何かわかれば、あるいは……」
「現状完成しているジェネシスに匹敵するものか?」
「……あれがあるのでは?」
「あれ、とは?」
「月面のダイダロス基地のレクイエムです。
大戦には間に合いませんでしたが、あれはもう完成しているはずです」
「あれは大西洋連邦のものだろう?
大西洋連邦が我が国と敵対してまでファウンデーション王国に協力するとは思えん」
「しかし現実に、あれならオーブを滅ぼす事も可能です。
実際に撃たなくても、撃つと恫喝されれば我が国は従わざるを得ません」
「しかし……」
「その可能性は大きいな」
「タイガ様!?」
「実際に大西洋連邦がファウンデーション王国に協力する必要は無い。
ファウンデーション王国がそのレクイエムを使えれば良いだけなんだからな」
「どういう事でしょう?」
「ハッキング、乗っ取り、読心……セキュリティを突破する方法はいくらでもあるという事だ」
「!!!」
「報告にもあっただろう?
ファウンデーション王国のMSパイロットは読心を使う可能性がある。
他国に潜入した諜報員が同じ事をできないとは考えられない。
読心を使われれば、どんなセキュリティも無意味だ」
「しかし!」
「連中は既にオーブに謀略を仕掛けてきている。
ならばもうその準備は完了しているとみるべきだ。
レクイエムは連中の手中にあると判断すべきだろうな」
軍幹部たちは黙り込んだ。
「大西洋連邦に至急警告を!」
「何と言って? 『あなた達のセキュリティはザルなので注意してください』とでも言うのか? 反感を買うだけだ」
「我々でさえフリーダムの格納庫まで侵入寸前になったのです。
他国が防げたとは思えません」
「まあ、待て。連中のオーブを滅ぼす手段は恐らくレクイエムだ。
現状では他の手段の可能性は低い。
オーブをレクイエムで恫喝して降伏させる。
もしくは実際にオーブをレクイエムで滅ぼす。
それが連中の手段だろうな。
連中の手の内が分かれば、こちらもやりようはある」
「タイガ様……」
暗い笑みを漏らすタイガの姿に、軍幹部たちは恐ろしさと同時に、それを上回る頼もしさを感じるのであった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。