転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

215 / 217



※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第181話 エンブレム

 

 

 

ファウンデーション王国討伐前、タイガは軍幹部たちと最終確認を行っていた。

 

「それでは『ファウンデーション王国には外征用の艦隊は存在しない』という事だな?」

 

「はい。ファウンデーション王国の勢力範囲はカスピ海です。

外洋に出る事は出来ません。

それに宇宙にも進出していますので、主力は宇宙かと」

 

「ふ〜ん? それなら散々引っ掻き回してやれば簡単に釣れそうだな?」

 

「はい。黒海に駐留しているファウンデーション王国の艦隊も同様です。

外洋に出た経験もないので、そのままオーブ近海まで引っ張り出せば撲滅は簡単です」

 

「オーブ近海まで引っ張り出せば、アウラ本人が出て来るか?」

 

「はい。女王にしてみれば、タイガ様は『自分の生涯を賭けた研究成果を、正面から否定した相手』です。

タイガ様の排除を、他人の口から報告されるのでは満足しないでしょう。

『自分の目で直接確認したい』と思う筈です」

 

「それなら簡単だな」

 

「それに宰相や側近等は優秀ですが若すぎます。

優秀過ぎて失敗の経験も少ないでしょう。

上手くいっていれば疑う事などしないでしょう」

 

「後は宇宙のレクイエムを何とか出来れば完了だな」

 

「女王を降伏させればよいのでは?」

 

「上の命令に従わないバカはどこにでもいるものだ。

“女王は降伏しました。しかしオーブは滅びました”となったら何の意味もない。

念には念を入れないとな」

 

「了解しました」

 

この時のタイガの懸念は現実のものとなる。

そしてタイガが念を入れて手を打った事で、オーブの危機は回避される事になる。

 

「連中が降伏した後は素早く処理を頼むぞ? 面倒事はさっさと片付けるに限る」

 

「面倒事ですか……」

 

一国の滅亡が“面倒事”とは――。

軍幹部は「やはりこの方にお仕えできる事は間違いではなかった」と、ハウメアに感謝した。

 

「降伏文書は用意しておけ。サインすればそれで済むようにな」

 

「了解です」

 

「紙切れ一枚にサインさせるのに随分苦労する事になるな」

 

まだ始まってもいない、ファウンデーション王国との戦いの終焉を思うタイガのぼやきに、軍幹部達は苦笑した。

 

「さて! やるぞ!」

 

「はっ!」

 

プラントとの開戦と同じように、ファウンデーション王国も開戦前に既に勝敗は決定していた。

彼らがそれを知るのは、ファウンデーション王国滅亡後、少なくない時間が経ってからの事だった。

 

――――

 

アウラ・マハ・ハイバルは、占領したオーブの基地の地下深くにある指令室へ足を踏み入れていた。

そこでタイガに降伏勧告を行うためである。

通信画面にタイガの姿が映し出されると、アウラは微笑みながら言葉を発した。

 

「初めましてじゃのう?“オーブの虎”タイガ・ウラ・アスハ。

妾はアウラ・マハ・ハイバル。

そなたに降伏を勧告するのじゃ」

 

自分の優位を疑わない態度。

“オーブの虎”とまで呼ばれた男が惨めに、卑屈に、怯えながら自分にひれ伏す――。

それはディスティニー・プランを否定した男を自分が屈服させたという事であり、

自分の研究成果が間違っていない何よりの証明だった。

それを自分の目で確かめる事が出来る!

何と素晴らしい事だろう!

しかしアウラの予想に反して、タイガは卑屈になっても、怯えもしていなかった。

それどころか、不遜な態度で言い放った。

 

「降伏? なぜそのような必要がある? むしろ降伏するのはお前の方だ」

 

「……気でも触れたかのう? お前はここから逃げられるとでも思っているのか?」

 

「逃げる? なぜお前達を全滅させる絶好の機会で俺が逃げる必要がある? 

断言してやる。“お前達は俺に指一本触れる事は出来ない”とな」

 

「……本当に気が触れたみたいじゃのう。なら降伏などと優しい事は言わぬわ。

そのまま海の藻屑になるがよい!」

 

アウラはオルフェにタイガへの攻撃を指示した。

オルフェがタイガの抹殺に派遣したのはシュラ・サーペンタイン。

女王親衛隊「ブラックナイトスコード」の隊長であり、近衛師団長を務める男。

唯一の完全専用機――ブラックナイトスコード・シヴァを持つ最強の男。

ファウンデーション王国の誰もが、シュラの勝利を疑っていなかった。

タイガが乗っているのはMSですらない、ただの軍艦なのだから、それは勝利ですらなかった。

――そのはずだった。

 

青い縁取りの“流星のエンブレム”を肩に刻まれたMSが、その場に現れるまでは。

 

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。