転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






第182話 一歩

 

 

 

その画面を見ていた者は、全て声を失っていた。

シュラ・サーペンタイン。

女王親衛隊「ブラックナイトスコード」の隊長であり、近衛師団長を務める男。

唯一の完全専用機――ブラックナイトスコード・シヴァを持つ最強の男。

誰もがその実力を認め、ファウンデーション王国では自他ともに認める“最強”の象徴。

その男が――わずか10分もしないうちに撃墜されたのだ。

青い縁取りの“流星のエンブレム”を肩に刻まれた白いMSによって。

 

それはある意味当然の結果だった。

アムロを相手にすればアスランでさえ10分程度しか保たず、スーパーコーディネーターのキラが“SEED”に覚醒しても、15分の壁を超える事さえ出来なかったのだ。

自分の能力に慢心し、“SEED”に覚醒もしていない、スーパーコーディネーターと同程度か、多少優れていたとしても“誤差”程度の能力しか持たない“アコード”ではアムロの相手になる筈も無かった。

 

それにいくら“最強”と言われていても、それは所詮“ファウンデーション王国”という箱庭の中での話でしかなかった。

しかもシュラの強さは明確に“アコード”の中でも優秀なように調整された事によるものだった。

基本的に同一スペックの“アコード”の中で優秀なスペックが与えられれば“最強”の座を得るのは当然の事でしかなかった。

しかしそんなものは“ニュータイプ”の前では何の意味も無かった。

 

――――

 

「悪魔だ……」

 

「オーブの白い悪魔だ……」

 

まさに敵から見れば、それは悪魔だった。

こちらの攻撃はひとつも当たらず、相手の攻撃は必ず当たる。

攻撃を躱された後、接近され、至近距離からコクピットへ高出力ビームサーベルの一閃。

それだけでシヴァは沈黙した。

自分たちが“最強”と信じる力の象徴が、何もできずに敗北したのだ。

装甲も、防御も、MSの性能も、パイロットの技量も――何も意味をなさなかった。

 

「ニュータイプ……」

 

アウラの口から呟きが漏れる。

それと同時に、体の奥底から激情が湧き上がって来る。

 

(ニュータイプ? 

新たな人類の可能性? 

誰にでも顕現する?

ふざけるな!

それなら妾たちが研究に費やした時間の意味は?

妾たちの研究は無意味な、何の意味も無い、無駄なものだったとでも言うのか?

認められるものか!

そんな事が認められるものか!)

 

そこに新たにアウラを愕然とさせる知らせが入ってきた。

――ダイダロス基地のレクイエムが、オーブのMS部隊に奪取されたという報告だった。

 

――――

 

カーペンタリア基地は世界各地にザフトを駐屯させていた。

それだけでなく、傭兵として世界各地にMSの派遣まで行っていた。

そんな中、オーブから奇妙な依頼が届いた。

艦隊規模の軍艦を操る人員と、高機動・高火力の一撃離脱に優れたMSの派遣――。

胡散臭い依頼だったが、報酬は破格だった。

だが後者に該当するMSはひとつしかない。

しかも運用には専用艦が必要だ。

断られるのを前提に、専用艦の運用費用まで加えて請求した。

ここまで高額なら断るだろう――そう踏んでのことだった。

しかし予想は外れた。

オーブはその専用艦の運用費用まで含めて依頼してきたのだ。

こうなるともはやカーペンタリアには断る方法はない。

こうしてオーブに対し、艦隊規模の人員の派遣と、高機動・高火力MSと専用艦――デスティニーとミネルヴァの派遣が決定された。

 

――――

 

「シン、なにやってるの? 行くわよ」

 

「ああ、今行くよ、ルナ」

 

シンはようやく――新しい一歩を踏み出そうとしていた。

 

 

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。



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