転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
その画面を見ていた者は、全て声を失っていた。
シュラ・サーペンタイン。
女王親衛隊「ブラックナイトスコード」の隊長であり、近衛師団長を務める男。
唯一の完全専用機――ブラックナイトスコード・シヴァを持つ最強の男。
誰もがその実力を認め、ファウンデーション王国では自他ともに認める“最強”の象徴。
その男が――わずか10分もしないうちに撃墜されたのだ。
青い縁取りの“流星のエンブレム”を肩に刻まれた白いMSによって。
それはある意味当然の結果だった。
アムロを相手にすればアスランでさえ10分程度しか保たず、スーパーコーディネーターのキラが“SEED”に覚醒しても、15分の壁を超える事さえ出来なかったのだ。
自分の能力に慢心し、“SEED”に覚醒もしていない、スーパーコーディネーターと同程度か、多少優れていたとしても“誤差”程度の能力しか持たない“アコード”ではアムロの相手になる筈も無かった。
それにいくら“最強”と言われていても、それは所詮“ファウンデーション王国”という箱庭の中での話でしかなかった。
しかもシュラの強さは明確に“アコード”の中でも優秀なように調整された事によるものだった。
基本的に同一スペックの“アコード”の中で優秀なスペックが与えられれば“最強”の座を得るのは当然の事でしかなかった。
しかしそんなものは“ニュータイプ”の前では何の意味も無かった。
――――
「悪魔だ……」
「オーブの白い悪魔だ……」
まさに敵から見れば、それは悪魔だった。
こちらの攻撃はひとつも当たらず、相手の攻撃は必ず当たる。
攻撃を躱された後、接近され、至近距離からコクピットへ高出力ビームサーベルの一閃。
それだけでシヴァは沈黙した。
自分たちが“最強”と信じる力の象徴が、何もできずに敗北したのだ。
装甲も、防御も、MSの性能も、パイロットの技量も――何も意味をなさなかった。
「ニュータイプ……」
アウラの口から呟きが漏れる。
それと同時に、体の奥底から激情が湧き上がって来る。
(ニュータイプ?
新たな人類の可能性?
誰にでも顕現する?
ふざけるな!
それなら妾たちが研究に費やした時間の意味は?
妾たちの研究は無意味な、何の意味も無い、無駄なものだったとでも言うのか?
認められるものか!
そんな事が認められるものか!)
そこに新たにアウラを愕然とさせる知らせが入ってきた。
――ダイダロス基地のレクイエムが、オーブのMS部隊に奪取されたという報告だった。
――――
カーペンタリア基地は世界各地にザフトを駐屯させていた。
それだけでなく、傭兵として世界各地にMSの派遣まで行っていた。
そんな中、オーブから奇妙な依頼が届いた。
艦隊規模の軍艦を操る人員と、高機動・高火力の一撃離脱に優れたMSの派遣――。
胡散臭い依頼だったが、報酬は破格だった。
だが後者に該当するMSはひとつしかない。
しかも運用には専用艦が必要だ。
断られるのを前提に、専用艦の運用費用まで加えて請求した。
ここまで高額なら断るだろう――そう踏んでのことだった。
しかし予想は外れた。
オーブはその専用艦の運用費用まで含めて依頼してきたのだ。
こうなるともはやカーペンタリアには断る方法はない。
こうしてオーブに対し、艦隊規模の人員の派遣と、高機動・高火力MSと専用艦――デスティニーとミネルヴァの派遣が決定された。
――――
「シン、なにやってるの? 行くわよ」
「ああ、今行くよ、ルナ」
シンはようやく――新しい一歩を踏み出そうとしていた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。