転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「……」
「……」
「……」
アムロとの模擬戦が終了した後、ルナマリア、レイ、シンの三人は何をする気力もなく、ただ放心していた。
「何よあれ……」
「どういう事だ? 何が起こったんだ? 意味がわからない!」
「なんでだよ? 別に核動力でもない普通のMSだろ? なんであんな動きが出来るんだよ?」
三人を打ちのめしていたのは、それだけではなかった。
アムロとの模擬戦の後、バーニーやクリス、その他のパイロットとも模擬戦を行ったのだが――悉く負け続けた。
しかも全員が程度の差はあれ、アムロと対峙した時と同じように、
「撃っても当たらない」
「避けても当たる」
という感覚を味わったのだった。
シンに至っては、機密のはずのデスティニーのデータをそのまま入力して対戦に臨んだが、結果は対戦時間が15分に伸びただけだった。
これにオーブ側は驚愕した。
今までのレコードはキラが記録した14分が最高だったのだ。
それを更新し、15分を突破する者が現れたのだから、大騒ぎになるのは当然だった。
だがシンには、それさえも受け入れられなかった。
(新記録? レコードの更新?
核動力のMSを使っても、レコードを1分更新するのがやっと?
俺の実力なんてこの程度だったのか!)
それをオーブの者が聞いていたら、こう言っただろう。
「アムロ一尉と対戦して10分以上保てば英雄だ」――と。
それは紛れもない事実だった。
しかし、そんな事を知らないシンは、どこまでも落ち込んでいく事になった。
「いや〜、やっぱりこうなったか?」
そんな三人に声をかけたのはディアッカだった。
「何ですかあれは?」
「どうなっているんです? 意味がわからない!」
「あれは本当に普通のMSですか?」
三者三様に尋ねてくるシンたちに、ディアッカは慰めるように言った。
「しょうがないだろう? アムロ一尉たちはニュータイプなんだ。俺たちが勝てなくても仕方ないだろう?」
「ニュータイプ……」
「これが……」
「白い悪魔が大勢……」
シンたちはこの時、決意した。
「絶対にオーブに敵対してはならない」――と。
アムロが一人だけならまだいい。
しかしアムロと同等とまではいかなくとも、それに匹敵する存在が、それも複数存在する。
それ以外にもまだまだ出てくる可能性がある以上、オーブとの敵対など論外だった。
「MSの性能って意味があるんでしょうか?」
それはルナマリアの率直な疑問だった。
「意味はあると思うぞ? しかし、あまり意味はないな」
「? どういう事でしょう?」
ディアッカの要領を得ない答えに、ルナマリアが聞き返す。
「アムロ一尉と対峙しても、生き残る時間は増えるだろうな。しかしそれが1分か2分延びたからって、何か意味があるか?」
「……確かにそうですね」
むしろ多額の研究費や建造費を費やして最高性能のMSを作り上げても、アムロを前にしたら即座に撃破される未来しか思い浮かばない。
それなら同じ費用で普通のMSを10や20作った方がよっぽど有用だ。
結局は――
「オーブと敵対しない事」
という結論に変わりはなかった。
「「「絶対にオーブに敵対してはならない」」」
三人は改めてその決意を心に刻み込んだ。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。