転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話はキャラクターの心理描写が中心となります。
原作とは異なる解釈や独自設定が含まれますのでご了承ください。

内容は全て本作における創作ですので原作との差異がありましても、
なにとぞご容赦ください。






第17話 帰国11

 

 

カルアが目を覚ました。

それ自体は喜ばしい事だが問題があった。

カルアの検査が終了した翌日にはタイガは留学先へ戻る事になったのだ。

 

「そうですか」

 

カルアは内心落ち込んでいた。

自分が寝ている間、主に心配をかけるだけで何の役にも立たず、アリサたちが代わりを十分に勤めていた。

 

「お目覚めされてよかったですね」

 

と朗らかにアリサから声を掛けられてカルアは当惑した。

彼女達の「タイガに会わせてくれ」「せめて2年前のお礼だけでも」という声を、タイガの多忙を理由に悉く却下していたのだ。

彼女たちに恨まれても当然だと思っていたカルアだったが、

 

「タイガ様はそんな事は望まれてません」

 

というアリサの言葉に、タイガの為に行動する彼女たちと、個人的感情を優先していた自分と比べてまた落ち込んだ。

さらにアリサたちがタイガの好みである「胸の大きい美人ぞろい」だった事もカルアを落ち込ませた。

こうして自己嫌悪で延々落ち込んでいたカルアの耳に届いたのは、明日タイガが留学先へ戻るという知らせだった。

 

――

 

「おう、邪魔するぞ」

 

タイガが顔を見せたのは、そんなカルアが落ち込んでいる時だった。

 

「なんですか?」

 

不機嫌な事を隠そうともせずカルアはそっけない態度をとった。

 

「明日帰られるのでしたら準備があるのではないですか?」

 

「もうほとんど終わったよ。今日はお前の顔を見にな」

 

「??? 私の顔など見に来てもしょうがないでしょう? どうせならこんな色気のない貧相な女ではなく、もっとタイガ様の好みの方たちの所に行かれたらどうですか?」

 

カルアは毒づいた。

嘘だ。

本音では顔を見に来てくれてうれしい。

しかし自分は役に立たなかった。

もうそばには自分の代わりになる女達がいる。

しかもタイガの好みの女達だ。

自分が入り込む余地など存在しない。

 

「あのなあ? 仕事に色気が関係あるのか?」

 

しかしタイガの答えは自分の想像を裏切るものだった。

 

「え?」

 

「あいつらの仕事とお前の仕事は別のものだ。お前の仕事はお前にしかできない。それにあの時命令しただろう? 約束は守ってもらうぞ?」

 

「あ……」

 

『俺の個人的感情は関係ない。お前より有能なやつが見つかるまではお前がやれ』

 

タイガの意味のない命令が胸に降りてくる。

認められていた。

役に立たない、自分に意味などないと思っていたのに、この仮初の主は自分の事をちゃんと見て認めていてくれたのだ。

 

カルアの中で「仮初の主」が「本当の主」に代わった瞬間だった。

しかし主はもう明日帰ってしまう。

自分の前からいなくなってしまう。

どうすれば……

 

――

 

「じゃあな」

 

そう言って席を立とうとするタイガの腕をカルアは掴んだ。

 

「え?」

 

「主よ。散々私の事を色気がないとか、手を出す心配はないとかおっしゃってくれましたね? 本当にそうか試してみます?」

 

「ま、待て、お前何を言って?」

 

「明日までまだ時間はあります。その間にしっかりと確かめてください!」

 

「ちょ、ちょっと待て~~~!」

 

翌日、タイガはやっぱり出発の時間に間に合わなかった。

 

「まあ、どうせこうなると思って時間には余裕を持たせておいたからね? 親友に感謝してくれよ?」

 

アズラエルの言葉にタイガは何も言い返せなかった。

 

――

 

蛇足

 

数か月後

 

「カルア、まだ食べるのかい?」

 

「ええ、最近やけにお腹がすいて、うっ」

 

「ほらほら、そんなに慌てて食べるから。もっと落ち着いて食べなさい。でも妻も最近よく食べるんだよなあ?」

 

「やった! タイガ様から正式にオーブ帰国後カルアを侍従として出仕させてくれという依頼が来た! これで我が家も安泰だ!」

 

「あなた、これでカルアも安心ね!」

 

「ああ!」

 

――

 

蛇足2

 

「タイガ様は帰られたわ! あとはタイガ様が戻ってくるまで準備を整えておくのが私たちの仕事よ!」

 

「「「「「「「「「「おお!!」」」」」」」」」」

 

少女たちの団結は固い。

 

――

 

蛇足3

 

「もう、オーブって最高でさあ! きれいなお姉さんが一杯で!」

 

「あらあら」

 

「街で声をかけても嫌な顔一つせず答えてくれるし最高だったよ!」

 

(身なりの良い金持ちに見える若い男相手だったら当然じゃないかしら?)

 

「待っていてね! オーブのお姉さん達! 僕はまた戻ってくるからねー!」

 

(もうちょっと女性の扱いに慣れさせた方が良いかしら?)

 

子を想う母の余計な愛情が発揮される遠因であった。

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。
本話には今後の展開に関わる伏線や設定が含まれています。

タイガはどうなるのか?

カルアは?

アズラエルは?


次回お楽しみください。


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