転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「でも、ダイダロス基地って大西洋連邦の基地なんですよね? オーブが攻撃したら問題になりませんか?」
宇宙に上がってから、ルナマリアはバルトフェルドに疑問をぶつけた。
「まあ、普通はそうなんだが、今回に関しては問題ない。むしろ大西洋連邦側からの依頼と言ってもいい」
「は? 自分たちの基地ですよね? それが何故?」
「表向きはその通りだが、現在ダイダロス基地にいるのはロード・ジブリールとその子飼いだ。
大西洋連邦はさっさと連中を排除したいのさ。
しかし自分たちが自分たちの基地を攻撃する訳にはいかないからな。
そこで部外者である我々の出番、という事だ」
「ロード・ジブリールって、あの?」
「ああ、オーブにちょっかいを出して自滅した“あの”ロード・ジブリールだ。
どうやらオーブ憎しで見境なくあちこちに声を掛けまくった結果、
ファウンデーション王国に利用されるようになったんだろうな」
「ええ?」
あまりにも情け無いジブリールの現状にルナマリアは呆れた。
「読心が使えるなら、望むような答えで、思い通りに誘導するのは簡単だ。
大方、ファウンデーション王国を利用しているつもりで、
レクイエムを使えば言いなりに出来るとでも思ったんじゃないかな?」
「そんな無茶な……」
「つまりファウンデーション王国とは無関係に、オーブを狙いそうな輩がダイダロスに居座っているという事だ。
早急に排除する必要がある」
「それを守っているのが、あの黒いMSという事ですか?」
「そうだ。解析したところ随伴機はどうやら無人機のようだ。
本気でミサイルキャリア程度としか思っていないようだな」
「MSの無人機……」
ルナマリアは、それを可能とする技術に絶句した。
「何、無人機のノウハウならこちらにもある。
君たちは黒いMSを引き付けていてくれれば良い。
その間に我々がレクイエムを抑える。よろしく頼むぞ」
“無人機程度、何の問題もない”――言外にそう語るバルトフェルドに、
ルナマリアは「これが歴戦の戦士というものか」と畏敬の念を新たにした。
――――
ダイダロス基地に接近すると、大西洋連邦軍ではなく、ファウンデーション王国の黒いMSが迎撃に出てきた。
「さすがのジブリールも、隠れる事は出来ても正規軍は動かせないか。
まあ、連中が出て来るなら好都合というものだ」
ミネルヴァからはシン、レイ、ルナマリアが出撃し、アーク・エンジェルからは通常の武装をしたアストレイが
一機と、武器を持たない盾だけのアストレイが二機発進した。
四機の黒いMSに従う三機の随伴機は、ミサイルを一斉に発射した。
しかしアストレイはPS装甲の盾を前面に掲げ、ミサイルの雨を正面から突破した。
アストレイがミサイルを撃ち尽くした随伴機に攻撃するが、随伴機は無人機とは思えない機動で躱し続けた。
その時――
ミサイルの雨を突破したアストレイが背後から組み付いた。
組みついたアストレイは関節をロックすると、そのまま 「自爆」 した。
敵もシンたちも呆然とした。
事前にシンたちは「無人機のアストレイを組みつかせて自爆させ、相手の動揺を誘い、
敵の火力を担う無人機を排除する」とは聞いていたが、実際にMSが目前で自爆する光景は衝撃的だった。
元々バルトフェルドの目的は「無人機による交戦」ではなく、「随伴機の排除」だった。
オーブの技術では「人間が行うほど高度な交戦は無人機には出来ない」。
そこでバルトフェルドは、無人機に改修したアストレイに “組み付いて自爆する”
という一点だけを実行するプログラムを搭載した。
オーブのOSは半分自動化されているため、無人機への改修は容易だった。
「ミサイルを突破して自爆するだけなのだから性能など関係ない」とばかりに自爆用に改修されたのはもはや旧型と
なったプロト・アストレイだった。
こうしてミサイルの雨を突破したアストレイは自動で敵を察知し、そのまま組み付き自爆する事を繰り返した。
結果、黒いMSの随伴機が全滅するのに時間はかからなかった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。