転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






第189話 正義の鉄槌

 

 

 

ジブリールは、その場から逃げようと必死になっていた。

オーブ侵攻に失敗し、アズラエルから追われる立場になったジブリールは、子飼いの者を総動員して地下深くに潜伏した。

見つかりそうになったら逃亡し、潜伏してはまた逃亡する――それを延々と繰り返した。

そして完成間際のレクイエムがあるダイダロス基地に腰を落ち着けた。

これがあればオーブの核など必要ない!

そう喜んだものの、完成前にプラントは降伏し、結局使う機会はなかった。

レクイエムさえあればプラントを焼き払うなど簡単な事だ。

しかしその前に、自分の崇高な「コーディネーター抹殺」という目的を邪魔したオーブに、正義の鉄槌を下す必要がある!

そんな時、ファウンデーション王国の連中が接触してきた。

曰く――

 

「自分たちはオーブに攻め込む。その時にレクイエムでオーブを焼き払ってもらいたい」

 

ジブリールは冷笑した。

自分がそんな事をして何のメリットがある?

 

「レクイエムでオーブを確実に滅ぼせるのですか?

オーブをレクイエムで焼き払った後、我々がオーブを占領すれば確実にオーブを滅ぼす事が出来ます。

それは不要ですか?」

 

その返答に、ジブリールは考え込んだ。

オーブなどプラントを滅ぼすための前座だ。

前座の前に不具合がないかテストは必要だろう。

何だったらオーブと一緒に、コーディネーターのこいつらもまとめて焼き払えばいい。

そう考えて、ジブリールは了承した。

結局、ジブリールは自分がファウンデーション王国に都合よく誘導されているとは、最後まで気付かなかった。

 

――――

 

そしていざオーブにレクイエムを発射しようとすると、オーブ軍が攻めてきた。

 

「大西洋連邦の基地に」

 

「オーブ軍が攻撃して来た」のだ。

 

通常であれば宣戦布告もあり得る事態だった。

しかし、何故か基地の守備兵は動かず、ジブリールは自分の子飼い達とファウンデーション王国の“護衛”を迎撃に差し向けた。

それは名目は“護衛”でも、実態はレクイエムの確保と、ファウンデーション王国の監視、そしてジブリールの制御でしかなかったが、ジブリールは最後までそれに気づく事はなかった。

 

その結果は――子飼いもファウンデーション王国のMSも全滅だった。

もはや逃げるしかない!

ジブリールは迅速に最も近い潜伏先へ、子飼いの部下たちも見捨てて逃げ出した。

ダイダロス基地から十分に離れ、やっと一息ついたジブリールは今後の事を考えた。

 

(宇宙人どもに正義の鉄槌を下す前に、何度も自分の邪魔をするオーブに身の程を思い知らせてやらなければ!)

 

ジブリールの内心を知れば、誰もが「そんな事はあり得ない」と言うだろう。

しかしジブリールには、他の事を考える余裕が失われていた。

妄執に囚われたジブリールが思考を終え、顔を上げた瞬間――

何の前触れもなく、乗っていたシャトルがMSに捕獲されていた。

ブリッツに乗ったムウは、ジブリールの逃走経路を予測し、網を張っていた。

そこにジブリールが、自分から飛び込んだのだ。

ジブリールはシャトルのパイロットに早く逃げるよう喚き散らしたが、もはや何の意味もなかった。

オーブに侵攻を企ててから数年――

遂にジブリールの命運が尽きた瞬間だった。

 

「何故だ! 何故この私の! 世界の真理を! 正義の鉄槌を下す邪魔をする!」

 

ジブリールの叫びに応える者は、誰もいなかった。

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。



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