転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
本話のデスティニーの数値はAIで作成したものを参考に作成しました。
ブラックナイトとの戦闘終了後、レイはシンの戦闘記録を確認していた。
「あれ?レイ、何してるの?」
そこにルナマリアが声をかけた。
「ルナか?さっきのシンの戦闘記録を確認しているのさ」
「シンの?何でそんなこと?」
「あいつがな、突っ込む前に「俺に考えがある!」と言って、「どんな考えだ?」と聞いたら「突っ込んでから考える!」と抜かすんだぞ?
それであの結果だ。納得できないからそれを確認しているのさ」
「ふ〜ん?でもうまくいったんだから良いじゃないの?」
「そんなわけに行くか!お前もミネルヴァ隊の一員ならもっと真剣にだな!」
「ハイハイ、それでシンの戦闘記録って?」
「露骨に話を逸らして・・・、まあいい。これがシンの記録だ」
ブラックナイトと対峙するデスティニー。
映像に映し出されたシンのデスティニーと敵の距離は数百メートル。
その時のデスティニーの速度は約300m/s。
数秒で敵と接触する距離だ。
デスティニーが接近した途端、敵が位置を変える。
それをデスティニーが追撃し、ブラックナイトへ手刀を打ち込む。
腕を破壊されたブラックナイトは、反転してきたデスティニーの突撃を躱そうとするが間に合わず、手刀と同時に撃ち込まれたパルマフィオキーナによって撃破された。
記録としてはそれだけである。
「これだけだと何も分からないんじゃない?」
「そうでもないさ」
ルナマリアの疑問に、レイはシンの記録にタイムスケールを重ねて表示させた。
「敵がシンの突撃を躱そうと移動を始めたのは約600mの距離の時点だ。シンの速度は約300m/sだからおよそ2秒の距離だ。
タイムスケールでは敵の移動開始から移動完了まで約0.2秒かかっている。その時点でシンの突撃まで1.8秒だ」
「それが?」
「敵が判断して移動するのに0.2秒しかかからないのに、シンが1.8秒の間ボケ〜としていたと思うか?」
「あっ!」
「シンは敵が移動した途端、目標を修正している。それを見た敵もさらに移動している。シンはそれをさらに修正。
それが0.2秒ずつ積み重なっていけば・・・」
「躱せなくなるのも当然ということね」
「しかも連中のMSはビームには無敵だが実体弾には弱い。レールガンの弾体を5〜10kg、速度を2〜3km/sとすれば運動エネルギーは約10〜50MJだ。
しかしデスティニーの重量は約80t、これが速度300m/sで移動すれば時速1080km、マッハ0.9前後だ。
その運動エネルギーは約3.6 GJ(3600 MJ)だ。文字通り『桁が違う』」
「そんなのが2秒もしない内に突っ込んで来るんじゃ、落ち着いてなんかいられないわねえ?」
「しかもデスティニーはVPS装甲だ。物理的にほぼ無敵と言って良い」
オーブでの模擬戦で、アストレイの集団戦法に撃破された苦い思い出を脳裏から振り払ってレイは言葉を続けた。
「運動エネルギーは戦車砲が5〜10MJ、対艦ミサイルの衝突が50〜150MJ、大型砲弾でさえ50MJ前後だ。
デスティニーとは比較にもならない。さらに思考を読んで移動しても、シンはその移動先を追撃する。
数秒後には激突だ。その時無事なのはVPS装甲のデスティニーの方だ」
「ふ〜ん?それって結局『突っ込んでから考える!』ってシンのやり方が正解だったって事じゃない?」
「そうなんだが・・・そんないい加減な理由に納得できるか!」
「天才のやる事にいちいち驚いていたら身が保たないわよ?そういうものだと諦めなさい」
「ううう・・・」
そこへ――
シンの能天気な声がかけられた。
「あ、いたいた!
レイ!さっきの戦闘さ、なんか正直よく分からないんだけど上手くいったな!」
「帰れ天才!」
何も考えていないシンの言葉は、理不尽なレイの怒声によって応えられた。
勝利したにもかかわらず、レイの苦悩は戦闘後も続くのであった。
ダイダロス基地での戦闘が終了し、世界に平穏が戻った日の出来事だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。