転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
アウラは混乱していた。
レクイエムがオーブに確保された?
レクイエムがあるのは大西洋連邦の基地なのに?
オーブは大西洋連邦とも開戦するつもりなのか?
いや――何故オーブがレクイエムの事を知っている?
自分はまだレクイエムの事など何も話していない。
これからタイガに、レクイエムでオーブが焼かれる様を見せつけてやるはずだったのに。
何故?
何故?
何故?
「レクイエムが確保されたのが不思議か?」
画面から、タイガの嘲るような声が届く。
「お前たちがオーブにちょっかいを出してきたという事は、その時点で既に準備は完了していたという事だろう?
ディスティニープランなんてものを実行しているお前たちが、オーブを放置しておくはずがない。
だったらオーブに致命的なダメージを与えるのに何が必要か考えれば手段は限られる。
その手段が判明していれば、無効化するのは簡単だ」
「……あり得ぬ!
下手をすると大西洋連邦に宣戦布告されるような事態になっていたのじゃぞ!
そんな一歩間違えれば国家を滅ぼすような真似を、お前のような者がするはずが!……」
「生憎と大西洋連邦にはちょっとしたコネがあってな。多少の無理は聞かせられるんだよ」
もちろんタイガの言う“コネ”とはアズラエルの事である。
アズラエルにレクイエムの事で尋ねてみると、どうもダイダロス基地との連絡が上手くいかなくなっているらしい。
「少し本気で調べてみる」という返事の結果、判明したのは以下の事実だった。
• 数年前から逃げ回っていたジブリールがダイダロス基地に潜伏している
• そのジブリールがレクイエムの発射を目論んでいる
• 恐らくその目標はオーブ
• ジブリールが所属不明の、恐らくファウンデーション王国のMSを引き入れている
大西洋連邦は震撼した。
実際はどうあれ、このままでは“自分たちがオーブにレクイエムを撃ち込んだ”という事になってしまう。
レクイエムを建造しただけでも他国から白い目で見られているのに、それを他国へ――それも前大戦で共に戦ったオーブへ撃ち込むなど論外だ。
『共に戦ったオーブでさえそのような目に遭うのであれば、その他の国への攻撃などもっと簡単だ』と思われてしまうだろう。
撃った瞬間に国際的に孤立し、周囲から攻め込まれても不思議ではない。
しかも、ダイダロスの司令官は完全にジブリールの子飼いではなく、部下に大量の子飼いが紛れ込んでいる状態だった。
司令官は必死に部下を統制しようとしたが、肝心の所で妨害され、通常戦力はともかくレクイエムの制御を取り戻す事は出来なかった。
ダイダロス基地は“大西洋連邦の管理下、ただしレクイエムは除く”という異常な状況に陥っていた。
基地そのものは味方なので攻め込むわけにもいかず、レクイエムを奪取しようにもジブリールの子飼いの数は不明。
基地の防衛力は健在で、味方相手に大兵力を送り込むわけにもいかない。
大西洋連邦は完全に打つ手を失っていた。
そこでタイガが提案を持ちかけた。
「自分たちがレクイエムを攻め落とすから、目をつぶれ」
タイガの提案はこのようなものだった。
• 所属不明の部隊にダイダロス基地が陥落させられた事にする
• 司令官は健在なので兵士には手出ししないよう命令させる
• 兵士は一旦“捕虜”としてオーブ側が保護し、大西洋連邦に引き渡す
• その隙にオーブ側がジブリールを確保
• 必要ならレクイエム破壊も容認させる
仮にも自分たちで建造した兵器を破壊する事は出来ない。
だが放置してオーブが攻撃されれば終わりだ。
“所属不明の部隊に破壊された”のであれば、まだ言い訳が立つ。
こうしてレクイエム攻略の前に、既にオーブと大西洋連邦の間で“ジブリール確保のシナリオ”は組み立てられていた。
アウラの策謀は――
発動する前に破綻する事が決まっていた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。