転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
その後、オーブとファウンデーション王国の間で終戦条約が結ばれた。
ファウンデーション王国はこの戦争での損害をオーブに賠償する事。
戦費を負担する事。
オーブに対する謀略について謝罪する事。
これらが定められ、ほぼ全面降伏と言ってよい内容だった。
しかし、戦闘は一部を除き全て海上で行われたため、オーブもファウンデーション王国も――
「本土にも民間人にも全く被害が出ないまま終戦」
という極めて珍しい結果となった。
近代国家間の戦争では、ほとんど前例のない事である。
これはタイガの言葉が全てを表していた。
「民間に被害が出ていない? 本来、防衛とは自国の外で行うものだ。
本土の外で、しかも軍人以外の犠牲者が出ずに防衛に成功したのであれば、
それは理想的成功と言っていいだろう。国を守る、防衛するとはそういう事だろう?」
至言である。
当然である。
そして、ほとんどの国家では不可能な事でもある。
数年前のブルーコスモス過激派によるオーブ侵攻、そして今回のファウンデーション王国との戦争――
これらは「事前の情報がどれほど重要か」を証明する出来事でもあった。
しかし、自国に被害が出なかったがゆえに敗北を受け入れられない者も多かった。
敗戦を頑なに認めようとしない政府関係者が、タイガの
「それならお前たちの首都イシュタリアで“障害物を撤去”してやろうか?」
という一言で黙り込んだという話は珍しくなく、それが状況を端的に表していた。
事実、どれだけ本国が無傷でも、シュラを筆頭とした軍の最精鋭――女王親衛隊はほぼ全滅。
戦争の継続など不可能だった。
アウラは国内の反感を抑えつつ終戦条約を締結した。
もはやアウラには、オーブに、タイガに、ニュータイプに挑もうという気力は欠片も残っていなかった。
その後、この終戦と、今までのディスティニー・プランによる圧政への反発が重なり、クーデターが発生。
ファウンデーション王国は王制から共和制へ政体を変更し、
国名を ファウンデーション共和国 に改めた。
宰相のオルフェと秘書官のイングリットはファウンデーション王国から逃亡。
その後世界中をさまよう事になる。
アウラはそのままある場所に幽閉。
その後の生涯を通じてそこから動く事はなかった。
本来であればアウラが今までやってきた事を考えれば、
クーデーター時にそのまま処刑されていても不思議ではないのだから、
クーデター派の恩情といって良かった。
しかし自分の生涯をかけた研究の成果を否定され、
それが「ニュータイプ」という現実の前には何の役にも立たない事を突きつけられたアウラには、
もはや生きている事に意味を見出せなくなったと言っても良かった。
そんなアウラの意思とは無関係に彼女は「最期まで」生きる事になる。
こうして――
ファウンデーション王国は滅亡した。
終戦から、わずか一年の出来事だった。
なお後年。
アウラに手渡された紙はガラスケースに収められ、ファウンデーション共和国の博物館に展示される事になる。
説明文は、たった一行。
「ファウンデーション王国を滅ぼした核兵器」
というものだった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。