転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






オーブ飛翔・前夜編
第195話 虎に翼


 

 

 

ファウンデーション王国との戦争は終わったが、オーブにはまだ問題が残っていた。

ダイダロス基地のレクイエムである。

大西洋連邦にそのまま返還しても、基地にジブリールの残党が潜伏している状態で

レクイエムを返還する事など出来るはずがなかった。

ジブリール残党の潜伏は巧妙で、大西洋連邦は内部調査に時間を取られていた。

その間、戦略兵器であるレクイエムを放置するわけにもいかず、オーブがそのまま確保していたが――

大西洋連邦からの信じられない知らせが世界を駆け巡る事になる。

戦略兵器レクイエムを擁するダイダロス基地の、オーブへの移譲である。

 

交渉を担当したのはタイガ・ウラ・アスハ。

世界はファウンデーション王国でタイガが得た、

• 口先ひとつで国を滅ぼした男

• 世界最強のペテン師

• 交渉してはいけない男

という新たな異名を、改めて実感する事になった。

 

もっとも、その実態は世間の評価とはかなり異なる。

大西洋連邦は正直レクイエムを持て余していた。

当時はプラントに対抗するために全力で建造したが、完成した時には二度目の戦争さえ終わっていた。

平和になった世界で、他国を滅ぼせる兵器を自分だけが持っていればどう見られるか?

想像するまでもない。

軍部は「これで大西洋連邦は世界最強だ!」などと能天気な事を言っていたが、政治家にとっては論外だった。

他国も対抗兵器を開発するだろう。

そうなれば西暦時代の戦艦建造競争、果てしない軍拡競争の再現である。

論外である。

せっかく平和になり、復興に全力を尽くさねばならない時に、何故、生産性のない軍備に資金を費やさねばならないのか?

しかし国防のために手を抜く事も出来ない。

 

レクイエムの存在が一番の枷だった。

せっかく建造したので破壊するわけにもいかないが、そのまま保持しておくのも問題がある。

大西洋連邦が所持しているのが問題なのだから、他国が所持しているのであれば問題はない。

それも――

「絶対に大西洋連邦にレクイエムを使用しない」と断言できる国である事が条件。

そんな都合の良い国があるか?

 

あった。

 

それはオーブだった。

 

国防や技術はともかく、実態は中小国家でしかない。

レクイエムを使用して他国を占領するなど不可能。

レクイエムは短時間で連射できない。

使用した瞬間、他国から袋叩きになる。

オーブであれば一発か二発撃てば滅亡一直線だ。

それをあの「オーブの虎」が理解していないはずがない。

 

表向きはオーブにダイダロス基地ごと移譲し、もしもの時にはバックドアで制御を奪えばいい。

保守や維持はオーブに任せ、いざという時は大西洋連邦が使わせてもらう。

その時レクイエムを撃ったのはオーブという事になる。

 

他国から白い目で見られる事もなく、軍拡競争にも巻き込まれず、手間のかかる保守点検も不要。

レクイエムの制御を手放す事もなく、使用すれば責任はオーブに押し付けられる。

 

こうして様々な思惑によって、オーブは大西洋連邦からレクイエムを含めたダイダロス基地を移譲される事になった。

 

しかし、タイガがこの大西洋連邦の思惑に気付いていないはずがなかった。

それでもタイガが提案を受け入れたのには理由があった。

 

世界がそれに気付いた時には、すでにタイガを――

そして時代の流れを止める事は誰にも出来なくなっていた。

 

後の時代では、この時の出来事をこう評した。

 

「虎に翼を与えた」と。

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。



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