転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

232 / 233



※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






第196話 対価

 

 

 

「つまり、レクイエムの移譲は大西洋連邦の厄介払いだと?」

 

「そういう事です。レクイエムは確かに強力な兵器ですが、戦時ならともかく、

平時には無用の物です。他国の警戒を招く結果にしかなりません」

 

ここはオーブ軍の戦略管理室。

タイガは軍幹部から、大西洋連邦の意図を聞かされていた。

 

「他国が自国を一方的に攻撃できる手段を持っているなら、対抗手段を模索するのは当然だな」

 

「その通りです。同等の物を用意するか、防御できる物を用意するか。

その後は、より早く、より強力な物や、より防御できる物を用意する事になるでしょう」

 

「際限のないチキンレースだな」

 

「全くです。しかし“大西洋連邦と無関係な国”がレクイエムを所有していれば別です。

しかもその国が戦略的にレクイエムを使用できず、制御は手放さず、“自国と敵対しない”

と判明しているなら何の問題もありません」

 

「確かにな。一発や二発レクイエムを撃ったところで、

オーブが大西洋連邦や他の理事国を占領できるわけでもない。

撃った途端に他の国から攻め込まれて終わりだ」

 

「戦略兵器を何の手段も講じず他国に渡す事などあり得ません。

実際には制御系は大西洋連邦に握られたまま、と判断して間違いありません」

 

「名前だけはオーブが持っているが、実際は大西洋連邦の思いのままか。

しかも、もしレクイエムが使用されれば“オーブが使った”と言い訳もできるな」

 

「やはり断った方が良いのではないでしょうか?」

 

「そうなったらオーブも理事国の軍拡競争に巻き込まれるぞ?

他国が自国を一方的に攻撃できるのに、その手段への対抗策を取らないなどあり得ない」

 

「確かに……」

 

「まあ、大西洋連邦が“くれる”というのだから、有難く受け取っておくさ。

ただし、連中の思う通りに行くとは限らないがな?」

 

その時のタイガの顔には、プラントやファウンデーション王国との開戦前に浮かべていたのと同じ笑みが浮かんでいた。

 

大西洋連邦は失念していた。

 

タイガは“ただのバルーン”や“紙切れ一枚”で核に匹敵する成果を産み出す男だという事を。

 

そのタイガに「名前だけ」とはいえ、レクイエムという戦略兵器を与える事が何を意味するのか?

 

そしてオーブの持つレクイエムが「名前だけ」だと知っている、信じ込んでいるのは大西洋連邦だけだという事を。

 

タイガが文字通り――

「口先ひとつで国を滅ぼした男」 だという事を。

 

大西洋連邦がその対価を支払う事になるのは、そう遠くない未来の出来事だった。

 

「カーペンタリアやジブラルタルの連中はどうだ?」

 

「条件さえ合えば、いつでも表明するそうです」

 

「本国があんな有様では無理もないか」

 

「実際問題、『プラントに帰れ』と命令されても兵士は拒否するだけでしょうな」

 

「少なくとも地球にいれば“ちゃんとした食事”が出来るのだからな。わざわざ『プラントに戻ろう』なんて思う筈もないか。

だが、これでオーブの戦力を温存して、軍事行動にはザフトの連中を使えるようになる。

NJの件もあるし、ザフトの連中も俺たちの信用を得るためにこちらに従うだろう。

これなら例の件も早めに着手できるか?」

 

「例の部隊ですか?現在の状況では地球連合も拒否しないでしょう。

むしろ実行するなら“現在がその時”では?」

 

「・・・そうだな。よし!やるぞ!」

 

「「「ハッ」」」

 

世界の命運を左右する決定がオーブの片隅で下された。

 

それは短期的には混乱をもたらしたが、それを遥かに上回る秩序と『平和』を地球にもたらす事になる。

それが誰の目にもはっきりと映る日はすぐそこまで来ていた。

 

 

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。