転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
カーペンタリアとジブラルタルのザフト司令部は、現状を確認して頭を抱えていた。
「未来に希望が持てない」
理由はこれに尽きた。
プラント本国に自分たちの未来を託す?
無策のあまり、餓死しない最低限の食事――味のしないペーストと味気ない錠剤しか用意できない連中に?
地球の惨状から目を背け、自分たちの気分次第で政策を決定し、場当たり的な泥縄式の対策しか打てない、あの“幼児の王国”で政治ゴッコに現を抜かす事しか出来ない連中に?
問題外だった。
では現状はどうか。
確かに世界各地の混乱で、進駐や傭兵の需要はまだあるだろう。
しかしそれらもいずれは落ち着く。
需要が減少するのは目に見えていた。
では進駐しても世界各地の混乱をそのままにするのか?
それをしたら最後、今度こそ世界中から――
「NJの元凶!」
として袋叩きにされるだろう。
何しろカーペンタリアやジブラルタルに存在するのは、ザフトという“軍隊”だ。
軍隊は再生産に寄与しない、消費するだけの存在である。
それでも存在を許されているのは、“国民の生命や財産を守る”という「もしもの場合」に備える必要があるからだ。
そしてカーペンタリアやジブラルタルに存在するザフトは、地球との間に「もしもの場合」が起こった時に真っ先に標的になる存在だ。
つまりカーペンタリアやジブラルタルのザフトには“プラントの生命や財産を守る為の鉱山のカナリア”という意図があった。
そして曲がりなりにも地球側からザフトの駐留が認められているのは、ユニウス条約によるものであり、
身を護る戦力を求めるベルリンなどの現地勢力の要望の為だ。
世界の混乱が落ち着けば、地球に存在するザフトなど不要の存在として、現地から排除されるのは目に見えていた。
存続のためには後ろ盾が必要だ。
それも国家の後ろ盾が。
大西洋連邦?
ユーラシア連邦?
他の理事国?
問題外だ。
後ろ盾どころか、適当な理由をつけて滅ぼされかねない。
それどころか、NJを散布した宇宙のコーディネーターに対して、まともな対応をしてもらえるとは到底思えない。
どこかないか?
NJの被害が少なく、
コーディネーターと共生し、
カーペンタリアとジブラルタルのコーディネーターを受け入れられるだけの余裕がある国家が。
一つだけあった。
オーブだ!
あの国なら自分たちも受け入れてもらえる。
お互いに宣戦布告したものの、本土や民間人にはほとんど被害が出ていない。
受け入れに感情的な障害は存在しない。
後ろ盾になってもらう代償として、カーペンタリアやジブラルタルの戦力を提供すると申し出れば、オーブにも十分なメリットがあるはずだ。
こうしてカーペンタリアとジブラルタルは、水面下でオーブの保護下に入る事を模索し始めた。
それは、オーブが名前だけとはいえレクイエムという戦略レベルの兵器を所持し、
さらにカーペンタリアとジブラルタルという“自由に動かせる軍団レベルの戦力”を手に入れる事を意味していた。
そしてそれを統括するのは――
• 口先ひとつで国を滅ぼした男
• 世界最強のペテン師
• 交渉してはいけない男
など、様々な異名を持つ男である。
唯のバルーンや、紙切れ一枚が、タイガにかかれば核に等しい成果を産み出すのだ。
そんなタイガがカーペンタリアやジブラルタルという自由に動かせる実働戦力を得るのだ。
もはや世界に、タイガを止める事のできる者は存在しなかった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。