転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
第200話 コンパス
レクイエムを委譲されたオーブは、大西洋連邦と相互安全保障条約を締結した上で、地球連合に合流した。
これにより事実上、大西洋連邦はレクイエムを使用できるようになり、地球連合の他の構成国から非難を浴びた。
タイガはそれを無視して、地球連合に軍縮とそれに対応するための常設即応部隊の設立を提言した。
「地球連合内部で勢力争いをして、無駄に軍事力を対峙させる必要は無い。
常設の即応部隊で各地の紛争に対応すれば、各国は多大な軍事力を持つ必要はなくなる」
それがタイガの意見だった。
理想的である。
しかし無意味である。
他国が軍事力をこちらに向けているのに、それに備えなくてどうする?
国防を放棄するのは国家ではない。
それが各国の意見だった。
当然であった。
タイガの答えは
「他国を侵略した国家には即応部隊が対応する。
どんな理由があろうと他国を侵略した国家には必ず報いを受けさせる。
『外国の軍隊が了承を得ずに他国の国土に侵入する』
それが『侵略』以外の何だと?
核とレクイエムとどちらが良いかな?
どちらで焼かれたいか選ばせてやろう」
というものだった。
これに各国は震撼した。
核もレクイエムもオーブが所有している。
例え撃たなくても あ の 「オーブの虎」がその二つを握っているのだ。
他国に侵攻した時点で躊躇なく核かレクイエムが使用されるのが目に見えていた。
こうして各国の国境線に配備されていた軍隊は徐々に縮小されて行き、代わりに相互監視体制が強化された。
互いに互いの侵攻を警戒しての結果である。
そして万一の時には「証拠」を提出して即応部隊に相手を滅ぼさせる為である。
ある国の代表が「万一証拠が捏造されたものだったら?」と震えながら問うたが、タイガの答えは明快だった。
「捏造したその国を亡ぼす。弁解も言い訳も無用だ。一から国を出直してもらおう。
“証拠”と主張した以上、“誤り”も“故意”も同じだ。結果で責任を取れ。
少なくとも相手を滅ぼす事はできたのだから目的は達成しているだろう?
それなら本望だろう?喧嘩両成敗というものだ」
冗談ではない!
証拠を捏造して相手を滅ぼしても、それで自分が滅ぼされたら意味がないではないか!
しかしタイガを前にしてはそれはとても「冗談」とは言えなかった。
なにしろタイガによって実際にファウンデーション王国が滅ぼされているのだ。
前大戦でもプロヴィデンスやジェネシスはオーブによって破壊され、
プラントはオーブによって敗戦したと言っても過言ではないのだ。
その為相互監視体制は執拗なまでに捏造の有無をチェックされる事になる。
こうして地球連合加盟国に対して『即応部隊の軍事行動の優越を認める条約』が締結された。
なにしろ「核」と「レクイエム」という地球最大の軍事力を保有しているオーブの提言なのだ。
拒否する事など地球連合加盟国にはできなかった。
しかしタイガのこの提言は理事国に拒否されれば認められるはずもなかったが、意外な事に理事国はこの提言を認めた。
大西洋連邦は、依然として自分達が「レクイエム」の制御を握っており、オーブによる「レクイエム」の所有が名前だけである事を知っていた。
そして即応部隊の主流となるのは自分達大西洋連邦であろう。
それは自分達の軍事行動に「紛争解決の為」という大義名分を得る事を意味している。
自分達に歯向かう連中を「正当な大義名分」を持って叩き潰す事が出来るのだから、反対する理由は無い。
それが大西洋連邦の思惑だった。
ユーラシア連邦では国内で混乱が続いており、他国からの軍事干渉にまで対応する余力を失っていた。
他国からの軍事干渉に対応すれば、国内の混乱を放置する事になる。
他国に侵略された場合、即応部隊が対応するなら自分達は国内問題に全力を傾ける事が出来る。
国内問題解決の為に即応部隊を利用。
それがユーラシア連邦の思惑だった。
東アジア共和国では他国、特に同じ理事国である大西洋連邦とユーラシア連邦からの干渉に悩まされていた。
自国でのMSの開発も思うに任せず、軍事的には理事国の他の2国からは一歩遅れている感は否めない。
ここで他の2国から軍事的な侵攻を受けたらどうなる?
そう簡単にはやられないだろうが、多大な損害を被るのは間違いない。
しかし侵略に対して即応部隊が対応するのであれば心配する必要は無い。
なにしろ即応部隊を率いるのはあの「オーブの虎」なのだ。
侵攻してきた連中に対して「核」や「レクイエム」が使用されるのは間違いない。
即応部隊による侵略相手の排除。
これが東アジア共和国の思惑だった。
そして三国に共通していたのは――
「この仕組みは自分達が主導できる」という慢心だった。
理事国の3国が同意すれば他の地球連合加盟国に拒否する事などできはしない。
これが地球連合加盟国に対して『即応部隊の軍事行動の優越を認める条約』が締結された背景だった。
そんな中、親プラント国から地球連合に加盟を検討していた大洋州連合でクーデターが発生。
親プラント方針を掲げ、地球連合加盟に反対する軍や政府の一部高官が軍事基地を占拠。
現政権の退陣とプラントへの支援を要求した。
クーデターを起こしたのは大洋州連合内部のコーディネーターだった。
自分達の母国が日に日に衰退していき、地球上で数少ない親プラント国である大洋州連合まで、
プラントを見捨て地球連合に加盟するなど彼らには認める事が出来なかった。
大洋州連合は地球連合に支援を要請。
これに対して地球連合は加盟国から部隊を抽出し対応する事にした。
総裁にはタイガが任命され、各国から抽出された即応部隊がタイガの指揮の下に対処する事になった。
これが地球連合の常設即応部隊「世界平和監視機構コンパス」の初陣だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
いよいよ本作も二百話を突破しました。
これも本作を見捨てずにいてくれる、皆様の暖かいご声援によるものです。
感想欄での皆様の暖かい声が筆者に力を与え、「よし!次も頑張ろう!」という気にさせて頂いています。
皆様の暖かい声に対するお礼というわけではありませんが、本作の裏設定等をあとがきなどで公開していきます。
よろしければお楽しみください。
人物
タイガ・ウラ・アスハ
本作の主人公
現代日本からの転生者
外見は中肉中背の、特に優れてもいない、黒髪の平凡な容姿の持ち主
前世は社畜で、死因は碌に食事もせず五日間連続でのダース単位でのモンスター○ジー
来世でまで“セーブデータ”に執着するほどの筋金入りのゲーマー
C.E.に転生した事を知り絶望するも、オーブを立憲君主制の国に変え、アズラエルを幼少時からの妄執から解き放ち、
UCの“ニュータイプ”という概念をC.E.に持ち込み、C.E.の歴史を根本から書き換えたゲームチェンジャー
転生知識のアドバンテージを活かし、プラントを自分で勝手に自滅する道筋を作り上げた
C.E.の歴史を力ずくで変えつつあるが、その根本にあるのは単に「死にたくない!」という俗物的なもの
「オーブの平和を護らなければ(自分が)死ぬ!」
「世界が(俺にとっての)平和になればオーブも平和だ!」
「(俺にとっての)世界の平和を乱す奴は滅ぼす!(俺の安全の為に)」
徹頭徹尾この調子なので、周囲からは「世界平和の為に(手段を選ばず)全力を尽くす(核や武力を含む)人物」と思われている
本人は「オーブさえ無事ならそれで良い」と思っているが、C.E.でそんな事をしていたら滅亡一直線なので、不本意ながら原作知識によって「事前にオーブの危険の芽を潰す」事を徹底している
その結果、ブルーコスモスは『慈愛の集団』となり、プラントは自滅の道を歩み、ファウンデーション王国は滅び、オーブは地球連合を主導していく事になる
今世での本人の目的は学生時代にアズラエルと語り合った『夢』の実現。(第6話 慕われるもの)
しかし、それとは別に前世の“セーブデータ”の入手をまだあきらめていない
その道のりは未だに遥かに遠い(来々世までかかっても無理では?)
ムルタ・アズラエル
タイガの親友、現代の聖人
原作から最も乖離した人物
学生時代のタイガの「気に食わないヤツをぶん殴っただけ」という“小さな親切”に助けられた事で、幼少時からの妄執から解放され、両親の愛情の証としてナチュラルである事に誇りを持つようになる
彼の主導によりブルーコスモスは『慈愛の集団』と呼ばれ、地球圏では絶対的な信頼を得る事になる
ある理由により、屋敷のメイドに頭が上がらない
最終話での彼とタイガの別れが『ひとつの時代の区切り』になる
以上、本作における裏設定でした。
以降、不定期ではありますが、裏設定は随時公開していきますのでお楽しみください。
次回お楽しみください。