転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
その後もタイガは“コンパス”を使い、東アジア共和国、南アフリカ統一機構、南アメリカ合衆国の紛争を次々と解決していった。
それでも自作自演による「敵対勢力のMSによる侵攻」は後を絶たず、タイガは宣言通り、それを目論んだ現地軍や国家を叩き潰していった。
各国から猛烈な非難が集中したが、タイガは捏造の証拠を並べてこう言うだけだった。
「俺が何と言ったか忘れたのか?それともこれはお前ら上層部の統一された意思なのか?
核とレクイエムのどちらが望みだ?希望に応えてやる」
そう問われれば、どの国も答える事はできなかった。
ある時、戦闘中の2つの勢力に対し“コンパス”が双方に戦闘を中止するよう勧告指示を出した。
しかし両者はそれに従わず戦闘を継続した。
正確には片方が戦闘を継続したため、片方は身を守る為にそれに応戦せざるを得なかったのだ。
そして“コンパス”はそれを一切考慮する事なく、両者を区別せず制圧した。
応戦した側から激しい抗議が上がったが、タイガの主張は予想しないものだった。
「応戦?“コンパス”の指示に従わない者はどんな理由があろうと鎮圧する。それが正当防衛であってもだ」
自分達には身を守る権利もないのか!という抗議に対してタイガの言葉は辛辣だった。
「お前達を攻撃した相手には“コンパス”が対処する。お前たちの犠牲で侵略者を排除する事が出来るのだぞ?
国を護るために犠牲が出るのは当然だろう?しかも侵略者は確実に“コンパス”が排除する。
お前達の“国を護る”という目的は達成できているだろう?どこに問題がある?」
抗議した者は絶句した。
さらにタイガは続けた。
「お前達が本当に“国を護る”と言うのであれば、侵略者が来たら“コンパス”が到着するまで抵抗していろ。
その後は“コンパス”がお前たちごと侵略者をまとめて処理してやる。
お前たちは侵略者を排除する事が出来て、しかも“国を護る”ために身を捧げる事が出来るのだから本望だろう?」
確かに自分たちは国を護るために身を捧げる覚悟はしている。
自分たちが犠牲になる事で国を護る事が出来、侵略者を滅ぼす事が出来るのであれば、それは素晴らしい事なのだろう。
しかし、それは他人の手で行われるべき事ではない!
「その結果、延々と紛争が続くのか?そんな事は俺が、“コンパス”が許さん!
お前たちに出来る事は“コンパス”が到着するまで侵略者に抵抗する事だ。
“コンパス”が到着したら、例え相手が攻撃してきても両手を上げて武装解除して指示を待て。
その間に“コンパス”が相手を処理してやる」
抗議した者は絶句して何も言い返す事が出来なかった。
また、ある時は戦闘中の勢力に対して“コンパス”は近付かず、遠くから警告するだけだった。
「自分たちを恐れて近付けないのだろう」と交戦中の両勢力は“コンパス”を嘲笑った。
それが間違いである事はすぐに証明された。
2度目の警告で「即座に戦闘を中止する事」「従わない場合には30分後に強行処置を行う事」が警告された。
「意味のない事を・・・」
両者は“コンパス”を嘲笑ったが、30分という警告の時間が過ぎ去った後、戦場に巨大な光の柱が顕現した。
レクイエムの光だった。
これにより、交戦中の両者は等しく戦場から、正確には戦場そのものと共に、地上から消滅した。
恐慌に陥った交戦中の両国はタイガに、“コンパス”に猛烈な抗議を行ったが、タイガは警告の記録を並べて「警告に従わなかったから、警告通りに強行処置を行っただけだ。どこに問題がある?」と一顧だにしなかった。
さらに「この戦闘はお前ら国の上層部の指示なのか?それならお前らの国の首都も核やレクイエムの対象だな」というタイガの言葉に黙り込むしかなかった。
地球連合加盟国が“
しかも事前に警告を行っているのだ。
従わない者が“コンパス”によって排除されるのは当然であり、その手段が“レクイエム”であろうと、法的にも異論を述べる事が出来る根拠は存在しなかった。
またある時は戦場の真ん中に地球連合の国旗を立て、その真下に巨大なコンテナを設置した。
そのコンテナには“核のマーク”がペイントされていた。
この為、交戦中の両者は戦闘を中止し、コンテナを遠巻きにする事しか出来なかった。
戦闘を再開したらどうなるか?
その場にそれを試す蛮勇の持ち主は存在しなかった。
正当防衛すら認めず、指示に従わない者を区別せず制圧し『平和を強制する』“コンパス”の姿勢は猛烈な非難を浴びた。
しかしその後“コンパス”が制圧した地域では、全く紛争が起こらないようになった事で批判の声は消えていった。
制圧した地域での対策としてタイガは、一目で所属が分かるように、治安維持に駐留するMSをカーペンタリアやジブラルタルのザクやグフに統一した。
地球でザクやグフ系列を運用しているのは、カーペンタリアとジブラルタル――つまりオーブだけである。
地球連合のダガー系列ならともかく、ザフト最新型であるザクやグフを偽装するのは各国でも不可能だった。
それを偽装するとなれば、それはオーブに正面から喧嘩を売るのと同義だった。
そんな命知らずの国家が、もはや地球に存在するはずもなかった。
他国に侵攻すれば滅ぼされる。
防衛しても滅ぼされる。
ならば少しでも抵抗を引き延ばせば、“コンパス”によって侵攻してきた相手を滅ぼす事が出来る。
これにより国境では“敵国への侵攻”よりも“自軍の防衛”の方が優先されるようになった。
こうして急速に地球の紛争は解決に向かっていった。
――――
しかし、その中でもいまだに紛争の絶えない地域があった。
ユーラシア連邦である。
ファウンデーションショックにより西ユーラシア周辺地域で独立の機運が高まり、連邦離脱の動きが加速。
それを鎮圧するため軍を派遣するも、ブルーコスモスの介入により失敗。
そしてきっかけとなったファウンデーション王国が滅亡。
周囲の独立運動は過熱し、もはや手の付けようがなかった。
壊滅的被害を受けたベルリンや周辺都市は、本格的にユーラシア連邦からの独立を模索していた。
それも当然だった。
何しろベルリンの住民は「ザフトが進駐していた」というだけで、自国から殺されそうになったのだ。
そんな西ユーラシアに対し、ユーラシア連邦は鎮圧軍を派遣した。
しかしこの鎮圧軍は敗退した。
ファウンデーション王国に続く敗北は、ユーラシア連邦の威信をこれ以上なく低下させた。
軍の準備は万全のはずだった。
補給も、MSの数も十分だった。
それが何故か?
理由は――一機のMS だった。
新型の105ダガーでもなく、アストレイでもなく、ユーラシア連邦最新のハイペリオンでもない。
それはザフトから流れてきたと思われる、もはや旧型とさえ言える ゲイツ だった。
そのMSと交戦して生き残ったパイロットは、口々に同じ事を言った。
「まるでわけがわからなかった」
「なぜ自分の攻撃が当たらなかったのか、なぜ自分がやられたのかわからない」
最終決戦に参加し、アムロの戦い方を見ていたあるパイロットは、そのMSの機体の色から連想してこう言った。
「あのMSはまるで『オーブの白い流星』のようだった。
あれは正に彗星――『赤い彗星』だ」
※あとがきです。
遂にアムロ最大のライバルの登場です。
果たして彼の正体は?(笑)
裏設定
アムロ・レイ
言わずと知れた世界最強の“ニュータイプ”
父テム・レイの設計した飛行機に乗りたい!
という理由でパイロットに志願。
優秀な成績で合格した。
実はタイガはアムロの動向を常に把握しており、パイロットに志願した時も最優先で試験を行わせた。
もちろん成績が合格基準に満たなければ志願を認める事は無かったが、そんな事が起こるはずもなかった。
オーブ軍最初のMSパイロットに選ばれたのも当然タイガの根回しの結果。
当初は「他にもパイロットがいるのに何故?」と疑問視されていたが、《ナチュラル用OSの開発》という世界の軍事バランスを一変させる成果を上げた事で、その声は跡形もなく消える。
さらに公式の初陣である低軌道会戦で『3分で12機のジンを撃墜(正確には9機)』という伝説を打ち立てる。
その後プラントの最後の切り札であるプロヴィデンスをも難なく撃破。
プラントの戦意を叩き潰す。
文字通り伝説の『C.E.最強のニュータイプ』
キラ・ヤマト
C.E.最高峰のスーパーコーディネーター。
さらにSEEDにも覚醒済。
しかしアムロの『29フレーム目の入力』の前には何の意味も無く、コーディネーターの限界を骨身に染みて理解する事になる。
さらにトダカ一尉とタイガの教育によって、原作のような“不殺”という考えは既に放り捨てている。
プラントの評議長に就任した後は、他の者が使えば滅びを迎える『遺伝子が優秀な者に従うように』という“万能の呪文”の呪いを残す。
その結果、既に定まっていたプラントの滅亡は益々可速する事になる。
オーブ帰国後は表に出ず、主に裏方を担当。
しかし、タイガの教育とプラント評議会議長という経験を積んだキラが、スーパーコーディネーターとしての能力を全力で注いだ結果、オーブは到底表沙汰に出来ない過激な方法で次々と問題を解決して行く事になる。
コンパス躍進の何割かはキラのせいおかげ。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。