転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「では、西ユーラシアの独立は認める事が出来ないという事だな?」
タイガはオーブ行政府の執務室で報告を受けていた。
「はい。“コンパス”の設立理由により『武力による国境変更』は認められていません。
現状で西ユーラシア独立派は、大洋州連合加盟の時と同じように、
『国内でクーデターを起こした者達』でしかありません」
「“コンパス”に鎮圧依頼が来れば断る事は出来ないか」
「断れば『大洋州連合の時は出来たのに何故だ!』と言われかねません。
“コンパス”の設立意義が失われます」
「せめて西ユーラシアが独立してからであれば手も打てたのですが」
「独立が認められれば“他の国”ですから。そこで国境線も確定したのですが」
「ユーラシア連邦が『国内問題だ!』と言って、そのまま独立になると思ったんだがなあ?」
「さすがにファウンデーション王国に続いて二度も敗北した以上、
三度目があれば西ユーラシアどころか、ユーラシア連邦そのものの存続の危機です。
ここで面子より確実に西ユーラシアの独立を防ぐことを優先した結果でしょう」
「なかなか上手くいかないものだな」
「鎮圧は可能でしょうが、その後も政情不安が続くのは目に見えています」
「その度に“コンパス”が出向くのか? 国家の威信はどうした?」
「国の面子を捨てれば、治安維持を“コンパス”が代行しているようなものです。
かえって喜んでいるのでは?」
「亡国の始まりだな」
タイガは西ユーラシアの問題を外務官や軍幹部達と話し合っていた。
「“コンパス”はあくまでも“軍”です。現地の法を勝手に改正したり、正当政権の認定は認められていません」
「“コンパス”で西ユーラシアの代表を決める事も出来ないという事です」
「あくまでも『現地の代表が政権を運営している』という事が必要です」
「その“現地の代表”も、“コンパス”がいなくなればユーラシア連邦に潰されるのは目に見えているという事か?」
「そうなります。現状では西ヨーロッパ独立派を鎮圧する以外の選択肢はありません」
「う〜ん? それなら仕方ないか?」
タイガがなにやら不穏な事を呟き出したのを見て、軍幹部達は改めて背筋に冷たいものを感じた。
「何をお考えで?」
「何、大した事じゃない。俺を便利屋扱いしようとした代価は高く付く事を思い知らせてやるだけだ」
そう言って笑うタイガの笑みに、軍幹部達は
「ああ、また地図が書き換わるのか?」
と諦めと共に、ユーラシア連邦に降りかかる苦難に同情した。
世界の勢力地図はタイガによって激変していた。
プラントが消え、
ファウンデーション王国が消え、
オーブが、
大洋州連合が、
地球連合に合流していた。
そこに描かれるユーラシア連邦がどのような形になるのか?
少なくとも当事者のユーラシア連邦にとっては、明るいものでない事は間違いなかった。
※あとがきです。
裏設定
トモ(トモエ)
「もう、あの牛丼屋でもいいですよ?」
本作で最初に登場した『最古のヒロイン』『最初のヒロイン』(笑)
プラント出身で「出来の良い妹」が産まれた為に両親に捨てられた、ある意味『女版クルーゼ』とも言える存在
実は彼女に施されたコーディネイト技術は、最初期のものでありながら『最高性能』レベルの能力を獲得するに至ったもので、その『性能』は当時のスーパーコーディネーターとも言える存在(トモを見ているととてもそうは思えませんが(笑))
最初期の超高額なコーディネイト技術で『最高性能』レベルを実現している事から分かるように、実は当時の世界の富の数パーセントを所有する『超富裕層』の出身
オーブに来てからも虚無感を抱えたままだったが、タイガの「友達だからトモ」という“小さな親切”によって、自分の存在理由を獲得し、全面的にタイガを肯定
タイガに尽くす事を自分の存在理由として誓う
タイガの留学によって縁が切れたと思っていたところに、妹を救われたアリサの主導する「タイガ親衛隊結成(後の郎党)」に参加、再会を果たす
スーパーコーディネーターに匹敵する能力を持っている為に、大抵の事は何でも出来てしまい、その為に自発的に自分から行動する意欲に欠ける
親から捨てられても、オーブで政略結婚の駒として扱われても、タイガと縁が切れても自分から行動しようとしなかったのはその為
それ故に現状を打破する行動を起こしたアリサや、“力ずくで”タイガを制圧するカルアには一目置いている
しかし一度目標が定まれば、そこにスーパーコーディネーターに匹敵する能力を全て注ぎ込む為、数年で細身の身体の肉体改造を達成したり、瞬く間にタイガから学んだ格闘技をタイガ以上に身に付ける等、信じられない成果を出す
後のプラント評議会議長のレオンとは幼馴染
この縁が後にレオンに僅かながらも“救い”をもたらす事になる
当初は『第8話 帰国2』でのタイガの性癖暴露に対する、少女側の視点説明というだけのキャラだった。
しかし、このキャラは初期のプロットの段階から登場が決定していて、本作における本当の意味での『最古のヒロイン』(笑)である
作中の時系列でも登場はS2型インフルエンザ前、カルアやアリサの登場前であり、その意味でも『最古のヒロイン』(笑)
作中でも最初にタイガに関わる女性キャラであり、プラントの内情を説明するにも大変便利なキャラとなったのは作者の想像以上でした
キャラクターイメージは境界線上のホライゾンの浅間智
タイガの郎党
「「「「「「「「「三代生まれ変わってもタイガ様にお仕えします」」」」」」」」」
S2型インフルエンザでタイガの配布したワクチンによって救われたオーブの氏族の娘たちの集団。
タイガに絶対的な忠誠を誓い、その身を全てタイガに捧げる事を存在目的としている。
護衛、秘書、屋敷の管理、法学、調理等、各々が各専門家に匹敵する力量を身につけている。
郎党全体でタイガに尽くす事を目的としている為、序列は存在しないが実質的にはアリサが筆頭で管理している。
オーブに立憲君主制を導入出来たのは彼女たちの献身が大きい。
彼女たちが本来必要ない法学知識まで身につけていた理由はタイガのクーデターを予想していた為。
留学時から側にいたアズラエルでさえ把握出来なかったタイガの行動原理を、ストーカーじみたプロファイリングによって予測し、クーデターを起こした時に法的な正当性を確保する為のものだった。
彼女たちは例えクーデターが失敗しても最後までタイガと命運を共にする覚悟を決めていた。
そんな彼女たちにとって、『罠』を仕掛けてタイガを捕食する事など造作もなかった事は言うまでもない。
タイガが帰国した時点で既に彼の運命は決まっていた(笑)
後に世界の“運命”を左右する立場になるタイガだが、そんな『彼自身の運命』は“自分で決める事”すら出来なくなっていた(笑)
彼の“自由”という望みが叶えられる日は来るのだろうか?(例え来世があっても来ないんじゃないかなあ(笑))
ちなみにタイガは彼女たちからこのような激重感情を向けられている事に気付いていない。
そんな事に関係なく、タイガは彼女たちの『全て』を抱え込んだので、彼女たちの想いは無駄に終わったと言えるが、しかし同時にそれを超えて満たされたと言える。
そして彼女たちの“想い”は誰ひとりとして予想だにしなかった“因果”を引き寄せる事になる。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。