転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
第209話 凋落の兆し
事実上の西ユーラシア分裂後も、ユーラシア連邦は存続した。
しかし、軍事的威厳はほとんど消失し、治安維持さえ「コンパス」に依頼した姿勢は国内に混乱をもたらした。
その後もタイガの働きにより各地の紛争は解決されていき、南アメリカ合衆国、汎ムスリム会議などが地球連合に加盟した。
タイガによる「喧嘩両成敗」の方針により、各国は平和を強制され、国境に兵力を置かず、監視機構を拡充。
世界各地の紛争地帯には平穏が訪れるようになった。
同時にタイガは「コンパス」の使用兵器統一を進め、基本的にMSはウィンダムを使用。
紛争監視にはザフトのザク系やグフ系を使用した。
現地では――
「ザクやグフがいれば平和」
と、数年前からは信じられない認識が広まる事になった。
そして「コンパス」設立から数年が経ち、タイガによる「平和の強制」により世界中から紛争の姿が消え始めた時――
新たな悲劇の幕が上がる事になる。
――――
「大西洋連邦がおかしな動きをしている?」
タイガはカルアから、治安維持と同時に世界各地に送った諜報員からの報告を受けていた。
「はい。どうやらレクイエムを自分達の手に取り戻そうとしているかと」
「わざわざ軍拡競争しなくても良いのに、何が楽しいのやら?」
「どうも政府ではなく軍が独自に動いているようです」
「おいおい、それって文民統制(シビリアン・コントロール)が働いていないって事じゃないか?
大丈夫なのか?」
「大丈夫……とは言えないようですね。
どうも政府の決定に不満を持った連中が暴走しているのかと」
「また揉め事かあ〜。勘弁してほしいよなあ〜」
「それが“コンパス”の存在意義では?」
「それでも少しは少ない方が良いだろう?」
「数年前に比べればマシかと」
「まあ、それもそうだな」
カルアの言う通り、数年前よりはマシになったのだから、それは納得すべき事なのかもしれなかった。
「それと西ユーラシアですが、やはりユーラシア連邦は手出しできないようです」
「一度負けているのに、もう一度“赤い彗星”に喧嘩を売れる奴がいるなら大したものだ」
「表立ってではありませんが、西ユーラシアは各地に配置されているユーラシア連邦軍に
寝返りを働きかけているようです」
「誰だって自分達が適当な理由で国から殺されるぐらいなら、反抗しようとするに決まっているな。
しかも絶対的な旗印があるなら、そっちの方が勝算があると判断しても不思議ではないな」
「“コンパス”に西ユーラシアの鎮圧を依頼した時点で、ユーラシア連邦は
『自分達では反乱を鎮圧できない』と公にしたようなものです。
各地の兵士も従わなくなっているようです」
「今度は逆にユーラシア連邦が鎮圧される側かな?」
タイガは心底「いい気味だ」と言わんばかりに笑った。
ユーラシア連邦の未来に立ち込めた暗雲は晴れる事なく、さらに暗さを増すばかりだった。
――――
大西洋連邦は現状に概ね満足していた。
地球連合への加盟は増え続け、近い将来には地球上の全国家が加盟するだろう。
そうなれば人類史上初の「地球統一国家」の誕生である。
その中でも自分達大西洋連邦が最大勢力であり、実質それを動かしているのは同盟国のオーブなのだ。
地球連合内では、大西洋連邦の勢力は同じ理事国の東アジア共和国を大きく突き放し、
ユーラシア連邦は衰退している。
このままであれば、自分達が「地球統一国家」の主導権を握る事は間違いない。
しかし――
それに満足しない者が大西洋連邦の内部にいた。
それが栄光を約束されていた大西洋連邦の凋落になると予想した者は誰もいなかった。
※あとがきです。
裏設定
シン・アスカ
「さすが“綺麗事”はアスハの御家芸だな!」
幼少時にオーブに移住してきた第2世代コーディネーター。
その能力は傑出しており、核動力のデスティニーを使用したとはいえ、アムロを相手にそれまでスーパーコーディネーターのキラが樹立した14分のレコードを超える15分の記録を打ち立てる。
アムロを相手に15分を超えるという“偉業”を成し遂げるが、本人は「俺の実力なんてこの程度だったのか!」と落ち込む事になる。
さらにオーブ軍との模擬戦で、核動力のデスティニーが“アムロの戦法をコピーした通常パイロットのアストレイに撃破される”という事態に、さらに落ち込む事になる。
ちなみに、オーブ軍の演習では特別メニューとして《仮想敵“白い流星”》というシロモノが存在し、それを経験したパイロットにとって“既に撃破のノウハウが存在する核動力MS”や“通常のパイロット相手の演習”など何の問題にもならなかったのは言うまでもない。
それはシンたち自身がブラックナイト相手に実証してみせた。
オーブ防衛戦時に、オーブの虎とオーブの白い流星の力をもってしても家族を失った事に、やり場のない怒りと不満を抱いてプラントに移住。
家族を護ってトダカの知人も戦死していた事を知り、カガリの言葉の真意を理解し、ようやくオーブへのわだかまりを解く。
カーペンタリアがオーブの保護下に入った事に伴い、レイやルナマリアと共にオーブに帰国した。
ルナマリア・ホーク
「そう言われて「はい、そうですか」と素直に従うほど、私たちは大人じゃないのよねえ?」
ミネルヴァ隊の赤服。
アムロ相手に瞬殺されるが、それは相手が悪かっただけで、その実力はバルトフェルドも認めている。
実際、ルナマリアがブラックナイトを撃破する選択を選んでいなければ、“ザフトのMSはその場にいただけで役に立たない”としてカーペンタリアとジブラルタルのMSの評価は地に落ちていた可能性が大きい。
ブラックナイトを撃破した事でザフトのMSに対する評価は急上昇した。
ちなみに妹にメイリン・ホークがいるが、彼女には「オーブに帰化後、某男性と一夜を共にしそのまま結婚。一子を設けるものの離婚した」という真偽不明の噂がある。
ルナマリアは妹について頑なに口を閉ざして、決して口を開く事は無かった。
タイガはキラの側のある男性に対して「肉食獣がいるのはオーブだけじゃないんだなあ・・・」という意味不明の言葉を残している。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。