転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






第211話 仮初の繁栄

 

 

 

地球は順調に復興の道を歩いていた。

NJによる影響は消え去り、また以前のような生活が戻ってきた。

市民の多くはそう思っていた。

しかし、それが砂上の楼閣でしかない事を証明する出来事があった。

NJCのトラブルによる停止である。

1000基も設置されている以上、トラブルのひとつや二つは起こるものである。

いや、起こらない方がおかしい。

トラブル自体は簡単に対応できたものの、NJCの再起動までにはほぼ12時間かかった。

その結果、その周囲ではおよそ12時間の間、発電所・通信・エネルギー関係が全て麻痺した。

これは大西洋連邦上層部に、

• 「現在の繁栄が仮初のものでしかない事」

• 「サザーランドの主張が正しい事」

• つまり「プラントを滅ぼす事の正当性」

を再確認させる事になった。

 

「プラントがNJCを停止させる前に滅ぼす。これしかあるまい」

 

「現状では最低限の復旧は出来ている。後はNJCの量産を待てばよい」

 

「現状でNJCが大量生産できていない以上、有効なのはレクイエムだ」

 

「しかし、名目上はオーブの管理下にある」

 

「オーブがプラントにレクイエムを使用する理由がない以上、疑われるのは我々だな」

 

「サザーランドにやらせればよかろう? 喜んでやってくれるだろう?」

 

「馬鹿な!」

 

「正気か? それでは我々がやらせたと告白するようなものではないか!」

 

「まあ、待て。何も我々自身でやる必要は無い。我々の命令に従わない者が勝手にやったという事だ」

 

「どういう事だ?」

 

「意味が分からんが?」

 

「つまり、我々はプラントに対するレクイエムの使用は反対だ。

それに制御権限は全てオーブに渡してある。

我々が手出しする事は出来ない。

しかし、我々に反抗する軍の一部がレクイエムの隠れたバックドアを見つけ出してしまう。

彼らは我々の命令を無視して、邪魔するオーブを滅ぼし、プラントも滅ぼしてしまう。

オーブが滅んだ後は、残った国家に地球連合への加盟を引き続き求め、拒否するようであれば、滅んだオーブから返還されたレクイエムを使用すると“警告する”。

こんなところでどうかな?」

 

「確かにそれなら……」

 

「軍の勝手な行動に悩まされるのはいつもの事だな?」

 

「オーブは強くなり過ぎた。

世界を主導するのは我々大西洋連邦であるべきだ。

オーブのような中小国家は不要だ」

 

「確かにな」

 

「地球統一までの道のりは作ってくれたのだ。それは感謝しようではないか?」

 

「その通りだな。後は我々に任せて退場してもらおうではないか?」

 

大西洋連邦の上層部は、既に自分達の想像が実現したかのように、各々が勝手な事を口にした。

しかし、オーブが――

「オーブの虎」と呼ばれた男が、彼らの思う通りに動くはずもなかった。

 

彼らがそれに気付いたのは、全てが手遅れになった後だった。

 

 

 







※あとがきです。

裏設定
シーゲル・クライン
(こんな凶行を行う我々が新人類の名に値するのか?)

開戦当時のプラント最高評議会議長
終戦後は穏健派と言われるが、NJはこの男の命令で投下され、直接的に1億数千万人(原作では10億人)の生命を奪った張本人。
『バレンタインの悲劇』で見境を無くしたパトリックの常軌を逸した言動と対峙するまで、パトリックと同類のナチュラルを見下す筋金入りの『コーディネーター優生主義者』だった。
パトリックの行いを見て「自分たちは間違っているのでは?」と思い始めたが、その時はもう既に手遅れだった。
パトリックより、“多少”苦労した為、他のコーディネーターに較べればマトモに見えるが、実は本質は変わらず、常識を身に付けているように擬態しているだけ。
ラクスを通じてバルトフェルドにフリーダムを渡したり、メイド経由でジェネシスの情報をオーブに流したりしたのは、NJで1億数千万人の犠牲者を出した罪悪感から逃れる為の単なる自己満足。
NJ投下後に「もっと犠牲者は少なく出来たはずだ」とパトリックに詰め寄ったが、NJの投下自体は否定していない。
そしてNJがひとつでも地球に落ちれば結果は変わらないのだから、結局パトリックと同じ穴のムジナ。
パトリックと同様の超富裕層出身で、“最初期の超高額なコーディネイト”を受けて成人後にプラントに来た、典型的な“身体の大きな幼児”。


パトリック・ザラ
「それに“罪のないナチュラル”など存在しない!
あのように無駄に資源と時間を浪費する劣等種の存在が罪でなくて何だ!
奴らは存在そのものが罪だ!」

幼少期に挫折を知らないまま大人になってプラントに来た典型的な“身体の大きな幼児”。
“最初期の超高額なコーディネイト”を受けた当時の超富裕層出身。
プラント独立に全精力を費やすが、正当な根拠を持たないコーディネーターの要求は、所詮は『工場の不法占拠』と『暴力による収奪』でしかない事に最後まで気付かなかった。
パトリックが『暴力による独立』を選択した結果、第2プラントが産み出される事になり、プラントの存在意義そのものが消失する事になる。
パトリックはプラントに帰還後《プラント独立の真実》を突き付けられる事になる。



お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。



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