転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

250 / 271



※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






第212話 奇妙な話

 

 

 

それは、あまりにも奇妙な話だった。

 

「大西洋連邦がパナマを占領した?」

 

パナマにある地球連合基地を、大西洋連邦が占領し、そのまま 領有を宣言した というのである。

もはや「地球連合=大西洋連邦」と言ってよい状態であり、大西洋連邦がパナマを使いたいのであれば、そのまま使えばよいだけだ。

わざわざ「占領」を宣言する必要などどこにもない。

しかし「コンパス」の設立理由は 武力による国境変更の禁止である。

どれほど奇妙であっても、大西洋連邦によるパナマ領有を認めるわけにはいかない。

そのため、バルトフェルドはまずは確認のためにパナマへ出撃した。

 

大西洋連邦の宣言は事実だった。

パナマ基地では地球連合旗が引きずり下ろされ、代わりに大西洋連邦の旗が翻っていた。

形だけ見れば、まぎれもなく 大西洋連邦による侵略 である。

しかし――

「地球連合=大西洋連邦」という現状で、こんな事をして大西洋連邦に何のメリットがあるのか?

バルトフェルドは頭を悩ませた。

軍事的理由が不明であれば、残るは政治的理由だろう。

バルトフェルドは、面倒事はすべてタイガに押し付けると決めた。

 

「ふ〜ん? そうきたかあ?」

 

バルトフェルドからの連絡を受けたタイガは、興味なさげに答えた。

 

「何か心当たりでも?」

 

「どうも大西洋連邦軍がレクイエムを取り戻したがっているらしい」

 

「? 現状はオーブが所有しているのは名前だけだったのでは?」

 

「名実ともに欲しくなったんだろうなあ。何が良いのかは知らないが」

 

「どうも碌でもない理由がありそうですねえ?」

 

「言っておくが、俺は無関係だぞ?」

 

「ほんとですかねえ?」

 

タイガの弁明に対し、今までの行いからバルトフェルドの視線は限りなく冷たかった。

 

「まあ、とりあえず、連中の本当の目的が分かるまでは様子見だな」

 

「それしかありませんね」

 

しかし、その“様子見”は長く続かなかった。

パナマとは全く無関係なところから、事態は急転直下で動き出した。

ユーラシア連邦が、いきなりオーブに宣戦布告したのである。

 

オーブとユーラシア連邦は険悪というわけでもなかった。

両国間に問題となる懸案事項も存在しない。

なにより現状では、

• 「地球連合=大西洋連邦」

• 「オーブ=コンパス」

と言える状況だ。

 

しかも以前、ユーラシア連邦は自分が敗北した西ユーラシアの鎮圧をコンパスに依頼している。

それで何故、オーブに宣戦布告して「勝てる!」と思ったのだろうか?

そもそもユーラシア連邦には、オーブを攻撃する手段が存在しない。

• 海上から艦隊が接近しているわけでもない

• 宇宙から攻め込む様子もない

• NJCが小型化されていない以上、弾道弾は無意味

• 小型化されていても迎撃手段はいくらでもある

完全に“勝ち筋が存在しない”宣戦布告だった。

 

「何やら奇妙な話が続くな?これが連中の手なのは間違いないだろうが……」

 

タイガはしばらく考え込んだが、やがて顔を上げ、静かに決断した。

 

「もっと先の予定だったが、連中が宣戦布告してきたのなら遠慮はいらないな。

カルア、例の件を実行しろと伝えろ。これでユーラシア連邦も終わりだ」

 

「了解しました」

 

カルアが部屋を出ていく後ろ姿を見送りながら、タイガは低く呟いた。

 

「さて、連中には自分が誰に手を出したのか、存分に思い知ってもらおうか?」

 

その笑顔は、まさに 「オーブの虎」 と呼ばれるにふさわしいものだった。

 

この時、世界の歴史が大きく動き始めた。

 

 

 

 







※あとがきです。

裏設定

トール・ケーニヒ
(ごめんキラ、役に立たなくて。ごめん皆)
(ごめんミリィ)

ヘリオポリスでのキラの学友。
理不尽に地球連合への志願を強制されても、その原因のキラを責める事は無かった。
彼らの存在がキラをストライクに乗せる原動力となった。
原作ではアスランのイージスに「首を刎ねられて死亡」という結末だったが、本作ではプラントでのクローン医療公開の口実として生存する事になった。
当初はニコルと共に原作通り死亡してフェードアウトの予定だったが、『仮初の黄金時代編』でプラントの闇とキラの実績作りとしてクローン医療確立の話を作成中「あれ?クローン医療だったら手足の再生ができるんじゃね?」「トールやニコルも生きていてクローン医療で再生したという話の方が面白いよなあ?」という作者の意向により生存が確定。
それにより「第117話 戻った平穏」にて生還。
キラによりクローン医療がもたらされた事により目と手足を再生。
過酷なリハビリの末日常生活に復帰する。
その間ミリアリアは献身的に介護(実質いちゃつく為の口実)(笑)


ミリアリア・ハウ
「トールが、トールがいないのに!なんで……こんな奴! なんでこんな奴がここにいるのよおおお!!」

トールの恋人。
トールがMIAとなった時は錯乱し、医務室で遭遇したディアッカに意図せずトールの死を揶揄された事で凶行に及ぶ。
ディアッカにコーディネーターの優秀性に疑問を持たせる事になるきっかけを作った。
トールの生存が判明してからは毎日欠かさず見舞いに訪れ、献身的に彼を支える。
自分の知らない所で彼が命を落としかけ、自分の知らない所で助かっていた事から常にトールの側から離れようとしなくなる。
キラに対する「手助けが必要だから、一緒にいられる理由が出来てかえって嬉しい」という答えは強がりでも何でもなく本心。
一時期本当に「トールが死んだ」と思っていた事から改めてトールへの気持ちを再確認。

「NTR」「NTL」「複数相手」という異常な性癖関係者が珍しくないC.E.において珍しく「まともな」男女関係である。(本当かなあ?)


お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。