転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
それは、あまりにも奇妙な話だった。
「大西洋連邦がパナマを占領した?」
パナマにある地球連合基地を、大西洋連邦が占領し、そのまま 領有を宣言した というのである。
もはや「地球連合=大西洋連邦」と言ってよい状態であり、大西洋連邦がパナマを使いたいのであれば、そのまま使えばよいだけだ。
わざわざ「占領」を宣言する必要などどこにもない。
しかし「コンパス」の設立理由は 武力による国境変更の禁止である。
どれほど奇妙であっても、大西洋連邦によるパナマ領有を認めるわけにはいかない。
そのため、バルトフェルドはまずは確認のためにパナマへ出撃した。
大西洋連邦の宣言は事実だった。
パナマ基地では地球連合旗が引きずり下ろされ、代わりに大西洋連邦の旗が翻っていた。
形だけ見れば、まぎれもなく 大西洋連邦による侵略 である。
しかし――
「地球連合=大西洋連邦」という現状で、こんな事をして大西洋連邦に何のメリットがあるのか?
バルトフェルドは頭を悩ませた。
軍事的理由が不明であれば、残るは政治的理由だろう。
バルトフェルドは、面倒事はすべてタイガに押し付けると決めた。
「ふ〜ん? そうきたかあ?」
バルトフェルドからの連絡を受けたタイガは、興味なさげに答えた。
「何か心当たりでも?」
「どうも大西洋連邦軍がレクイエムを取り戻したがっているらしい」
「? 現状はオーブが所有しているのは名前だけだったのでは?」
「名実ともに欲しくなったんだろうなあ。何が良いのかは知らないが」
「どうも碌でもない理由がありそうですねえ?」
「言っておくが、俺は無関係だぞ?」
「ほんとですかねえ?」
タイガの弁明に対し、今までの行いからバルトフェルドの視線は限りなく冷たかった。
「まあ、とりあえず、連中の本当の目的が分かるまでは様子見だな」
「それしかありませんね」
しかし、その“様子見”は長く続かなかった。
パナマとは全く無関係なところから、事態は急転直下で動き出した。
ユーラシア連邦が、いきなりオーブに宣戦布告したのである。
オーブとユーラシア連邦は険悪というわけでもなかった。
両国間に問題となる懸案事項も存在しない。
なにより現状では、
• 「地球連合=大西洋連邦」
• 「オーブ=コンパス」
と言える状況だ。
しかも以前、ユーラシア連邦は自分が敗北した西ユーラシアの鎮圧をコンパスに依頼している。
それで何故、オーブに宣戦布告して「勝てる!」と思ったのだろうか?
そもそもユーラシア連邦には、オーブを攻撃する手段が存在しない。
• 海上から艦隊が接近しているわけでもない
• 宇宙から攻め込む様子もない
• NJCが小型化されていない以上、弾道弾は無意味
• 小型化されていても迎撃手段はいくらでもある
完全に“勝ち筋が存在しない”宣戦布告だった。
「何やら奇妙な話が続くな?これが連中の手なのは間違いないだろうが……」
タイガはしばらく考え込んだが、やがて顔を上げ、静かに決断した。
「もっと先の予定だったが、連中が宣戦布告してきたのなら遠慮はいらないな。
カルア、例の件を実行しろと伝えろ。これでユーラシア連邦も終わりだ」
「了解しました」
カルアが部屋を出ていく後ろ姿を見送りながら、タイガは低く呟いた。
「さて、連中には自分が誰に手を出したのか、存分に思い知ってもらおうか?」
その笑顔は、まさに 「オーブの虎」 と呼ばれるにふさわしいものだった。
この時、世界の歴史が大きく動き始めた。
※あとがきです。
裏設定
トール・ケーニヒ
(ごめんキラ、役に立たなくて。ごめん皆)
(ごめんミリィ)
ヘリオポリスでのキラの学友。
理不尽に地球連合への志願を強制されても、その原因のキラを責める事は無かった。
彼らの存在がキラをストライクに乗せる原動力となった。
原作ではアスランのイージスに「首を刎ねられて死亡」という結末だったが、本作ではプラントでのクローン医療公開の口実として生存する事になった。
当初はニコルと共に原作通り死亡してフェードアウトの予定だったが、『仮初の黄金時代編』でプラントの闇とキラの実績作りとしてクローン医療確立の話を作成中「あれ?クローン医療だったら手足の再生ができるんじゃね?」「トールやニコルも生きていてクローン医療で再生したという話の方が面白いよなあ?」という作者の意向により生存が確定。
それにより「第117話 戻った平穏」にて生還。
キラによりクローン医療がもたらされた事により目と手足を再生。
過酷なリハビリの末日常生活に復帰する。
その間ミリアリアは献身的に介護(実質いちゃつく為の口実)(笑)
ミリアリア・ハウ
「トールが、トールがいないのに!なんで……こんな奴! なんでこんな奴がここにいるのよおおお!!」
トールの恋人。
トールがMIAとなった時は錯乱し、医務室で遭遇したディアッカに意図せずトールの死を揶揄された事で凶行に及ぶ。
ディアッカにコーディネーターの優秀性に疑問を持たせる事になるきっかけを作った。
トールの生存が判明してからは毎日欠かさず見舞いに訪れ、献身的に彼を支える。
自分の知らない所で彼が命を落としかけ、自分の知らない所で助かっていた事から常にトールの側から離れようとしなくなる。
キラに対する「手助けが必要だから、一緒にいられる理由が出来てかえって嬉しい」という答えは強がりでも何でもなく本心。
一時期本当に「トールが死んだ」と思っていた事から改めてトールへの気持ちを再確認。
「NTR」「NTL」「複数相手」という異常な性癖関係者が珍しくないC.E.において珍しく「まともな」男女関係である。(本当かなあ?)
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。