転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
オーブに宣戦布告した後、ユーラシア連邦の最高評議会には、重苦しい沈黙が漂っていた。
「やはりオーブに宣戦布告とは無茶だったのでは?」
「それでは大西洋連邦の要求を拒否して、レクイエムでモスクワを焼かれるかね?」
「それは……」
議長の言葉に、閣僚たちは答える事ができなかった。
「大西洋連邦が自国で開発した戦略兵器を他国に握らせる事などあり得ない。
まだレクイエムは大西洋連邦が握っていると判断すべきだ」
「それはそうですが……」
「それに大西洋連邦がオーブに言う事を聞かせるのは簡単だ。
結局、我々がレクイエムに狙われるのは同じだ」
「しかし大西洋連邦の言う事を信用するなど……」
「信用など出来るはずがないだろう?
だが連中の要求通り、我々はオーブに宣戦布告した。これで文句はあるまい」
「オーブに宣戦布告したままですが?」
「我々にオーブを攻撃する手段はない。オーブも同様だ。
海を挟んでしばらく睨み合って終わりだ。後は終戦処理だけだ」
「かなり厳しくなりますね……」
“オーブの虎”との交渉を想像し、閣僚たちはげんなりした。
「仕方なかろう。レクイエムで国が焼かれるよりはマシだ」
彼らの想像は、ある意味では正しかった。
ただし――
彼らの誤算は、相手が“オーブの虎”であった事だった。
彼らの想像とは異なり、この宣戦布告がキッカケとなって、
ユーラシア連邦は崩壊の道を辿る事になる。
それが明らかになるまで、そう長い時間はかからなかった。
「大変です!」
軍の高官が飛び込んできたのは、まさにその時だった。
「どうした?」
「あ、“赤い彗星”がモスクワに向けて進軍を始めました!
周辺の軍を巻き込み、勢力は拡大しつつあります!」
「!!!」
“赤い彗星”はユーラシア連邦にとって恐怖の代名詞だ。
• 西ユーラシア鎮圧軍を たった一機で 跳ね返した守護神
• “オーブの白い流星”と互角に渡り合った唯一の存在
• その“白い流星”の義理の兄弟
ユーラシア連邦全軍をもってしても、撃破どころか退ける事さえ極めて困難な相手である。
その“赤い彗星”が、周辺の軍を迎合しながら進軍してくる――
悪夢以外の何物でもなかった。
「すぐに全軍をモスクワに集めろ! 何としても迎撃するのだ!」
だが議長の叫びは、すでに遅かった。
続いた凶報が、彼らの思考を完全に奪った。
「オーブが、“コンパス”が我が軍に対して 全軍待機 を命じました!
国軍は動かせません!」
「何だと!」
「自分の国の軍だぞ! そんな事があるか!」
「地球連合加盟国は、紛争解決のために“コンパス”の命令権優越を認める条約に署名しています!
宣戦布告という戦争状態を産み出した以上、法的に拒否できません!」
閣僚たちは絶句した。
「お、おのれ……」
こうしてユーラシア連邦は、オーブに宣戦布告した事によって自ら滅びの道を歩む事になった。
タイガの打った手は、一歩も動かずに、海を隔てたユーラシア連邦を滅びへと追い込むものだった。
世界は、“オーブの虎”という異名を再び恐怖と共にその身に刻みつける事になった。
※あとがきです。
裏設定
サイ・アーガイル
「そうだキラ! お前皆に散々心配かけたんだから、一発ぐらい殴らせろ!」
ヘリオポリスでのキラの学友。
フレイは親が決めたサイの婚約者だった。
砂漠でフレイからキラとの関係を告げられた時にキラに殴りかかったものの軽くあしらわれる。
その時垣間見せたキラの姿に自分たちがどれほどキラに無茶な事を押し付けていたのか自覚する事になる。
親が決めた婚約者とはいえフレイの事は憎からず思っていた。
そのフレイがキラと関係を結んだ事に対して憤ったものの、「キラに守ってもらうだけの自分に何か言う資格があるのか?」と深い葛藤を抱え込む。
キラがMIAとなった時は一瞬喜んだものの、それは到底キラとの友情を覆い隠す程のものではなかった。
キラとの再会を最も喜んだ。
カズイ・バスカーク
「そーだそーだ!キラ!お前はそれぐらいの罰を受ける義務がある!」
ヘリオポリスでのキラの学友。
地味で目立たないが、必要な時に必要な物を意識せず用意する手腕に長ける。
実はカルアのホクハ家とは遠縁。
つまり皆「必要な時に必要な物がそこあるのは当たり前」という感覚なので、「それを事前に用意したカズイの事は誰の意識にも残らない」という報われない人。
本人は「皆が不満を覚えないならそれでいい」と気にもしなかった。
ヘリオポリス組が退艦後の
オーブで傭兵部隊として活動する事になった
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。