転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
レクイエムから放たれた光の柱は、地球へと突き立った。
――誰もいない無人の「アラスカのジョシュア」に。
「な、何故?」
フォスターは言葉を失った。
「レクイエムのバックドアを塞ぐ事は出来なかったが、目標設定を変更する事は出来てな。
目標をオーブに設定した場合、以降の目標は大西洋連邦になるように設定してある。
目標はランダムに変更されるから、アラスカだったのは運が良かったな?
次はどこかな?
ヘブンズゲートかな?
ワシントンかな?」
タイガの言葉に、フォスターは絶句した。
――これではレクイエムは使えない。
使用した瞬間、大西洋連邦自身がレクイエムで焼かれる事になる。
「お、お前……こうなる事を最初から……」
「お前たちが何もしなければ、何も起こらなかっただけの話だな。
最初の目標がユーラシア連邦のままだったら、目標が変更される事はなかったが……
オーブを目標にしたお前たちの自業自得だ」
もちろん、タイガはユーラシア連邦が最初の目標だった場合も想定していた。
だが、それをわざわざフォスターに教えてやる理由はなかった。
「お前……お前……お前……」
フォスターの口からは、もはや意味のある言葉は出てこなかった。
「まだです! 大統領!」
画面の端から、サザーランドの声が響いた。
「ハッキングではなく、レクイエムの制御盤から直接設定すれば目標は変更されません!
まだレクイエムは使用できます!」
フォスターの顔に喜色が浮かんだ。
「聞いての通りよ、“オーブの虎”。まだレクイエムは使用できるわ。今度こそ終わりね」
余裕を取り戻したフォスターに、タイガは静かに言った。
「直接ね?レクイエムは、そう短時間に連射できるものなのか?」
「うっ……」
フォスターは言葉に詰まった。
「そ、それでも数時間後にはレクイエムは使用できるようになるわ!同じ事よ!」
そんなフォスターに見えるように、タイガは“赤いボタン”を取り出した。
「俺が仕掛けたのがサイクロプスだけだと思ったのか?
そこには“もしもの時”のための用意もしてあるんだが?」
フォスターは冷笑した。
タイガが紙切れ一枚を“核”に見せかけてファウンデーション王国を滅ぼしたのは有名な話だ。
同じ手が何度も通用するとでも思っているのだろうか?
それに只の爆弾の一発や二発程度で広大なダイダロス基地を破壊するのは不可能だ。
それこそサイクロプスや“核”でもない限り。
「そんな脅しが何度も通用するものですか。
サザーランド大佐! 目標をオーブに設定しなさい!」
「はっ!」
「やめておけ。それ以上は、このスイッチを押す事になるぞ?」
フォスターは冷笑を浮かべたまま何も言わず、サザーランドは画面の中から吠えた。
「何がスイッチだ! 押せるものなら押してみるがいい!」
「……忠告はした。お前の望み通りにしてやろう」
タイガが赤いスイッチを押した瞬間――
サザーランドの映った画面が閃光と爆発音で満たされ、一瞬のうちに何も映さなくなった。
それはNJCによる核の使用を意味していた。
フォスターの顔は、冷笑を浮かべたまま固まっていた。
「さて、これでレクイエムは無くなったわけだが?
他に何か言う事があるか?」
タイガの冷たい声がフォスターの耳に届いていたが、
彼女はそれを理解する事を拒んでいた。
※あとがきです。
裏設定
水中用MS
タイガが海洋国家であるオーブ防衛用の主力として開発させたMS。
重装甲・拠点破壊用のゴッグ、高機動・迎撃用のハイゴッグ、汎用・量産性重視のズゴックEが存在する。
用途別に生産されているものの、水中用装備と装甲を除けばアストレイと水中用MSの部品共有率は70%近い。
つまり膨大な数のアストレイの生産に比例して、水中用MSも生産可能。
武装としては重装甲・拠点破壊タイプのゴッグには胴体に大型で高出力のフォノンメーザー砲を搭載、アイアンネイルには高周波振動機構を採用。
高機動・迎撃タイプのハイゴッグには海上移動用にホバー機構を搭載、腕部にフォノンメーザー砲と、爪にビームを纏わせるビームクローを採用。
宇宙世紀と同じようにオプションでミサイルも装備可能。
汎用・量産性重視タイプのズゴックEにはハイゴッグと同様に腕部にフォノンメーザー砲と、爪にビームを纏わせるビームクローを採用。
これはデスティニーの掌部ビーム砲パルマフィオキーナと同じ発想で、例え相手がPS装甲であってもビームクローで破壊し、そのまま内部からフォノンメーザー砲を撃ち込むという戦法を採用。
そしてオーブの水中用MS全機にはPS装甲が採用され、他にも様々な機能が与えられている。
スーパーキャビテーション機構
微細な泡で機体を包み、水の抵抗を劇的に低減。これにより、重量級のゴッグでさえ75ノット、汎用機のズゴックEにいたっては103ノットという、連合の最新鋭機に並ぶ、あるいは凌駕する航行速度を実現。
超伝導電磁推進
プロペラ不要で可動部が存在しないーつまり静音
電磁流をどの方向にも作れる事ー全方向推進、姿勢制御が自由
さらに宇宙ではバーニアスラスター、水中では電磁推進として使用できるー水中でも宇宙でも同じ構造が可能
MPD(磁気プラズマダイナミック)スラスター
大電流の磁場でプラズマを加速させ、水を作動流体にしてプラズマ噴射し、蒸気爆発によって推力を得る。
水の蒸気膨張比は約1700倍にもなり、これは瞬時に「+50ノット」の加速を付加する。
パワーエクステンダー
オーブが開発した大容量バッテリーパック。
後期の改良型は全てこれを搭載。
これにより長時間のPS装甲の維持が可能になり、水中での活動時間が大幅に増加した。
後にはオーブ全軍に配備され、オーブのMSは高出力化したビームライフルを撃ち続けても数時間の戦闘行動が可能となった。
このパワーエクステンダーを搭載したアストレイのバックパックも、交換用のモジュールと合わせてオーブ各地の補給基地に点在。
これによりアストレイは改修されていない前期型でも長時間の戦闘行動が可能。
オーブに侵攻した敵は、水中用MSに迎撃され戦力をすり減らされ、その後オーブに上陸しても、単機で核動力のMSを撃破できるMSの集団と対峙する事になる。
それはもはや不可能と同義だった。
お読みいただきありがとうございます。
感想欄で読者様に「本文より前書きと後書きのほうが長くなりそう」と指摘された件(笑)
「いや〜、いくら何でもそこまでは・・・」
確認すると本文1319文字、後書き1406文字(汗)
「・・・」
すっとPCから目を逸らす。
私は何も見なかった!
さて、残り少なくなりましたが最後までよろしくお願いします!
(見なかった振り?)
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。