転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
これはある場所での話。
「おい。聞いたか?例の工業団地、造成が決まったそうだ」
「本当か?あれだけ広いんじゃ整地も大変だろう?」
「でも、周りには何も無いし、環境問題や騒音問題なんか気にする必要は無い。参入する企業には補助金が出るって話だ」
「へ〜、多額の税金を投入してさらに補助金か〜。
でも、それで大丈夫なのか?」
「もう申し込みはいっぱいらしい。
それに、採用する従業員は“特別な技能”を持っている者を優先するらしい。福利厚生もバッチリで、医療機関も充実、“特別な技能”を持っている者であれば報酬は普通の倍、税金は半分だそうだ」
「へ〜、俺も行きたいもんだなあ?」
「“特別な技能”を持ってなきゃダメだろう?」
「それでも給料が倍になって、税金が半分になるなら行ってみたいだろう!」
「それはそうだが・・・」
数年後
「おい。聞いたか?例の工業団地、何やら雲行きが怪しいそうだぞ」
「雲行きって一体どうしたんだよ?」
「『給料が倍で税金が半分』って話に釣られて、金持ち連中が移住しているって話だ」
「・・・いまさら金持ち連中が行って何をするんだ?」
「大方、『税金が半分』って話に釣られたんだろう。金持ち連中の収める税金ってのは大したものだからな。
それが少なくなるならそっちへ行くだろう」
「国がそんなの簡単に認めるか?」
「無理だろうな。追徴金が加算されて取り立てられるだけだろう」
「金持ち連中が応じるかな?」
「資産を凍結されれば応じるだろ?」
「だったらいいけどな・・・」
さらに数年後
「おい、例の工業団地、治安がえらく悪くなってるそうだ」
「治安?工場しか無いのに何で治安が悪くなるんだ?」
「知らんよ。それに従業員の連中は「親会社が従業員を襲わせている!」と言ってるそうだ」
「はあ?何で親会社が従業員を襲わせるんだ?
そんな事したら納期が遅れるだけじゃないか?
それに警備員もいるだろう?」
「従業員の連中は「警備員は何の役にも立たないから、自分たちで自警団を作る!」と言ってるそうだ」
「はあ?そんな余計な事に力を使うより、納期を守る方が大事だろう?」
「どうもきな臭いな。それに工業団地に移住した連中が本国の選挙権を要求しているらしい」
「はあ?外国にいたら選挙権がないのは当たり前だろう?」
(日本でも在外邦人の選挙が可能になったのは2000年から)
「金持ち連中にとっては自分たちが特別扱いされないのは“差別”で“弾圧”なんだろうな」
「そんな無茶な・・・」
さらに数年後
「従業員の連中が工場を占拠?
「工場は自分たちものだ」と主張?
勝手に工場を改築して武器を製造?
警備員を殺害?
いったいどうなっている?」
「金持ち連中の租税回避が失敗したらしい。
国に追徴金を課せられて、資産を凍結されたのを、
「工業団地に住む者への弾圧だ!親会社は自分たちを飢え死にさせるつもりだ!武器を取って立ちあがろう!」
と言ってるそうだ」
「・・・素直に追徴金を払えば良いのに。しかし、随分用意がいいな?」
「どうも最初からそのつもりだったようだ。
税金逃れで工業団地に移住して、追徴金を課せらると、「生きていけない!」と言い張り、治安の悪化を理由に親会社の資材を使って武器を作り、生産計画が遅れると、「弾圧だ!」と騒ぎ、警備員を殺害して工場を自分の物にする、という筋書きのようだ」
「そこまでして何がやりたいんだ?」
「どうもどうしても税金を払いたくないらしい。
追徴金も払いたくないが、その上で「国の金で作った最先端の工業団地は自分たちのもの」と言いたいらしいな」
「・・・そんな事認められるわけがないだろう」
「・・・そうだな」
しかし彼らの予想と異なり、金持ち連中の主張が認められ、国の金で作られた工業団地は金持ち連中が所有する事になる。
税金を納めた国民の不満が金持ち連中に向かうのは必然だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
普通なら国が作った工業団地と工場が、『何の対価も支払われずに譲渡される』など認められる筈がありません。
それが認められプラントが独立したのが原作のC.E.でした。
C.E.の歴史を俯瞰すればこのようなものではないでしょうか?
工業団地=プラント
特別な技能=コーディネーター
親会社=理事国
武器=MS
警備員=駐留艦隊
プラントの主張する「コーディネーターへの弾圧」も富裕層の租税回避が認められず、追徴金が課せられたのであれば、それは当然の事であって、弾圧でもなんでもないのではないでしょうか?
追徴金が支払われなければ流通が止まるのも当然ではないでしょうか?
そして理事国の目的はプラントに製品を作らせる事です。
意図的に治安悪化させて、わざわざ生産性を落とす必要はありません。
宣戦布告後の1万機のNJ散布から考えても、プラントの自作自演の可能性が高いのではないでしょうか?
やはりプラントの主張は「幼児の王国」のものとしか思えません。
閑話24でも触れましたが、プラントに富裕層が移住した理由ですが、やはり経済的利益(租税回避)が理由として大きいと思われます。
CE55以降第一世代の増加が見込めず、第二世代は多く見積もっても1千数百万人程度にしかならない以上、CE70にプラントの人口が6000万人になるには、CE55時点で4000万人程度の人口がなければなりません。
つまり「CE45からCE55までの10年間に年間2〜3百万人単位の移住者が必要」という事になります。
プラントが出来た当時、宇宙に移住出来るコーディネーターは最初期の超高額な調整が可能だった超富裕層だけです。
富裕層が移住する理由として租税回避(タックスヘイブン)はありふれたものです。
本話はそれを念頭に置いて作成いたしました。
少々趣向を変えて閑話が続きます。
次回は第2プラントによって主要な産業を失ったプラントの現状、『底』が明らかになります。
その後、いよいよ『SEED最終章』開始になります。
次回お楽しみください。