転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
いよいよ最終話です。
タイガがC.E.で成し遂げてきた事の集大成が、新たな人類の歴史の象徴として結実します。
どうかお楽しみください。
◆ CE101年
恒星間宇宙船が完成し、アルファ・ケンタウリへ向けて出発する日が来た。
宇宙船が出航する木星の大型ドックには人類の歴史的偉業を讃えるために、世界中からの来賓が続々と詰め掛けていた。
大西洋連邦、新ユーラシア連邦、東アジア共和国、大洋州連合、南アメリカ合衆国、南アフリカ統一機構、アフリカ共同体、
赤道連合、汎ムスリム会議、スカンジナビア王国、そしてオーブ。
出発に先立ち、人類初の偉業を讃えるため、
地球連合初代大統領キャスバル・レム・ダイクンが演説台に立った。
人類初の恒星間宇宙船出航式において、地球連合初代大統領・キャスバル・レム・ダイクンによる演説
「諸君。今日、我々は人類史における 最大の挑戦 の前に立っている。
地球という揺り籠で争い続けた我々は、ようやく一つの文明として歩み始めた。
しかし、私はこの瞬間を“到達点”とは呼ばない。
むしろ――
我々は今ようやく、宇宙という“真の未知”の前に立つ資格を得たに過ぎない。
なぜなら、我々はまだあまりにも多くを知らないからだ。
宇宙の果てに何があるのか?
生命は存在するのか?
知性は存在するのか?
もし存在するなら、我々と対話できるのか?
それは友好の手を差し伸べるのか?
それとも――我々を滅ぼす存在なのか?
あるいは既にどこかで、文明同士の戦争が起きているのか?
そのどれも――
我々は何一つ知らない。
我々は、宇宙の広さに比べれば、まだ“暗闇の中で震えながら手を伸ばす幼子”にすぎない。
だが、だからこそ言おう。
今日ここから旅立つ船は、単なる科学技術の結晶ではない。
これは――
・未知への挑戦
・恐怖への克服
・そして“何も知らない”という現実を受け入れ、それでも未来を選ぶという意志
その象徴だ。
我々は今日、初めて“地球人”ではなく、“宇宙へ向かう人類”として旅立つ。
この船に乗る者たちは、勇気ある先駆者だ。
彼らは、我々がまだ理解すらしていない宇宙へと踏み出す。
そこには友好の文明があるかもしれない。
脅威が潜んでいるかもしれない。
あるいは――何も存在しないかもしれない。
だが、それを確かめるためにこそ、人類は宇宙へ行かねばならない。
我々は地球という小さな世界の中で争い続けてきた。
しかし宇宙は、そんな我々の都合など意に介さない。
宇宙は広大で、冷たく、無関心だ。
だからこそ、我々は成熟しなければならない。
過去の憎しみを越え、国家の枠を越え、人種や出自を越え、
“人類”という一つの種として未来を選ばねばならない。
今日、宇宙へと旅立つ者たちよ。
君たちは未知へ挑む。
その一歩は、やがて数えきれない多くの人類が続く道となるだろう。
そして地球に残る全ての人々よ。
我々は今日、歴史の新たな扉を開いた。
この瞬間を胸に刻み、人類が“宇宙文明”として恥じぬ生き方を選び続けよう。
最後に――私は願う。
今日という日が、人類が初めて“未知を恐れず未来を選んだ日”として記録されることを。
船よ。
人類の夢と、希望と、覚悟を乗せて――
出航せよ!」
――
宇宙船が青白い軌跡を描きながらゆっくりと出航していく。
その光は幾多の苦難を乗り越え、人類の技術が、叡知が、歴史がひとつに結集された象徴だった。
それは紛れもなく「人類の歴史」の新たな始まり。
幾多の人々がその後に続く第一歩の始まりだった。
――
漆黒の宇宙を切り裂くように、目の前から出航していく宇宙船の青白い光を、
タイガは貴賓室の全面に張り巡らせられた大きな窓から眺めていた。
周りにはカルアが、アリサが、トモが、アズラエルが、キラが、アスランが、バルトフェルドが、郎党の皆が集まっていた。
目の前の光景を実現するまでの思い出が脳裏に浮かぶ。
蔓延した「コーディネーター優生主義」を世界から駆逐する為に力を振り絞った。
新たに「ニュータイプ」という概念を広め世界を変えた。
兄を王に据え、オーブの政体を変革した。
紛争を解決する為に力ずくで抑え込んだ。
世界を変え、力尽くで平和を敷き、夢でしかなかった光景を現実にする為に、全力で駆け抜けて行った想いが浮かんでは消える。
その集大成が今、目の前で形になり、人類の歴史を、未来を乗せて『未知』へ羽ばたこうとしている。
皆、感慨深げに声もなく、目の前の光景を静かに見つめていた。
その光景を眺めながらタイガは静かに呟いた。
「……人類の新たな夜明けだ」
その声は静かな部屋の中にいつまでも残り続けていた。
転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜
~~~END~~~
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
この物語に長い間お付き合い頂きありがとうございます。
ひとまず『転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜』本編はこれにて終了になります。
次回、エピローグで完結になります。
200話以上に渡りお付き合い頂きましてありがとうございます。
次回お楽しみください。