転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
本編は完結しましたが、まだ公開していない閑話や幕間を補完する後日談等がいくつかあります。
順次公開していきますので、よろしければお楽しみください。
皆様に愛される『超弩級インパクトヒロイン(物理)』の再登場です(笑)
どうかお楽しみください(笑)
閑話34 セキュリティ
カツ、カツ、カツ、カツ・・・
ピッ!
ビーーーーー!
「あら?」
「あ、カルア様?」
「あら?ごめんなさい。またセキュリティが通らなくて。お願いできる?」
「はい。こちらへお願いします」
「何度も申し訳ないわね」
「いえいえ。これが仕事ですから」
――――
「ハア~~~」
「おいおい、何やってるんだ?」
端末の前で溜息をつく女性職員に同僚の男性職員が声をかける。
「何って、カルア様ですよ」
「ああ、あの方か?またセキュリティチェックに引っ掛かったのか?」
「三ヶ月前に更新したばかりなのよ?なんでまたセキュリティに引っ掛かるのよ?」
「そりゃあ、あれだけ外見が変わればなあ?」
「それはそうだけど・・・」
しかし、それはオーブ行政府のセキュリティに多大な負担をかけていた。
およそ三ヶ月ごとに体重が30㎏近く増減していれば、それはセキュリティも役に立たなくなるだろう。
「普通あれだけ外見が変われば、相手に見放されるもんだがなあ?」
「どれだけ見かけが変わってもカルア様を側から離そうとされないなんて、やっぱりタイガ様の愛は素敵ね・・・」
「まあ、あの方々は特別だからなあ・・・」
外からはそう見えるかもしれないが、単にカルアやアリサやトモなどの郎党から『タイガが逃げられないだけ』なのはオーブの国家機密である。
・・・オーブ王家の存続問題が絡んでいるのだから間違いではない。
「・・・でも、またカルア様のIDを作り直さないといけないなんて。しかも多分また三ヶ月後には作り直しよ?
何とかならないのかしら?」
「でもあの方の“努力”を見てると何も言えないだろう?」
「それはそうなんだけど・・・」
アリサ主導の、カルアの
“あんな思いをしてまで
“あんな思いをするぐらいなら体重は徹底的にコントロールしないと!”
それがオーブ行政府の女子職員の共通認識だった。
もっとも、タイガの“寵愛”によって完全記憶能力が復活すればダイエットは“比較的”容易かったが。
もちろん、それでアリサの監督が手緩くなる筈もなかったが。
「いっその事三ヶ月ごとにデータをコピーしてそれを使ったらどうだ?別に変わらないだろう?」
「それにセキュリティの意味があります?」
男性職員の提案に女子職員は白い目を向ける。
「だったら頑張って作り直すしかないだろう?」
「そうなんですけど、そうなんですけど、ううう~~~・・・」
端末の前で呻き声を上げる女子職員の様子に男性職員は溜息をつきたくなった。
(ああ、かなり追い込まれているなあ?まあ、何度繰り返せばよいのか分からなけりゃ徒労感も半端じゃないか?
ここはひとつ、気分転換でも付き合ってやるか?)
「まあ、あんまり考え込んでも意味はないだろう?どうだ?美味いランチの店を見つけたんだが行ってみるか?」
「・・・カルア様を見て、最近
彼女は、他人から見ても羨むほどのスタイルを手に入れたカルアの
「・・・健康に良い低カロリーの大豆ミートを使った店なんだが、行きたくないなら仕方ないな。それじゃあ・・・」
ガシッ!
踵を返して部屋を出ようとした男の行動は、服が女子職員の信じられない握力に掴まれた事によって阻まれた。
「・・・それってどこです?もちろん連れて行ってくれますよね?」
それは「お願い」ではなく「命令」だった。
「お、おう、この先の角に新しく出来た店だ。メニューも色々揃っているぞ」
「行きましょう!さあ行きましょう!早く行きましょう!ランチの時間は限られているんです!さっさと行きましょう!」
打って変わって素早く外出の準備を整える女性の様子を見て男性職員は「そんなだから
「さ、行きましょう!どんなメニューがあるのか楽しみですね!」
(まあ、気分転換になったならそれで良いか?)
行先も分からないのに先を歩く女子職員の姿を見ながら、男は胸の中で苦笑した。
――――
ドス!ドス!ドス!ドス!・・・・
ピッ!
ビーーーーー!
「あら?」
「・・・あ、カルア様?」
「あら?ごめんなさい。またセキュリティが通らなくて。お願いできる?」
「・・・はい。こちらへお願いします」
「何度も申し訳ないわね」
「・・・いえいえ。これが仕事ですから」
(ああ、また三ヶ月後に同じ事になるんだろうなあ・・・)
オーブ行政府のセキュリティルームで女子職員は遠くない未来に思いを馳せた。
そして残念ながら彼女の予想は的中する事になる。
これが平和な時も、混乱の時も繰り返されるオーブの日常だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
皆様に愛される『超弩級インパクトヒロイン(物理)』の再登場でした(笑)
いや~、やっぱりカルアは書いていて楽しいですねえ~(笑)
(悪魔かな?)
やはり彼女はもっと『活躍』させてあげねば!
(つまりもっと『苦労する』と?やめてあげなよ)
コホン!
次はプラント独立の裏話、後日談が続きます。
更新は完全不定期になりますが、次回お楽しみください。