転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
特に原作にない一部キャラの改変を含みます。
気軽に読んでいただければ幸いです。
「コーディネーターでもニュータイプになれるのか?」
それは、ジオン・ズム・ダイクンが最も頻繁に投げかけられる問いだった。
そして彼は、その問いに対して、いつも同じ答えを返した。
「そんなことは、あり得ない」
失礼にも、挑発的にも聞こえる断言だったが、ジオンは動じない。
続けて、必ずこう説明した。
「進化とは、必要だから起こるものだ。
高所の餌を得る必要に迫られたから、キリンは首を伸ばした。
巨大な牙を誇ったサーベルタイガーは、その重さに耐えきれず自滅した。
寒冷化という環境変化に適応できなかった大型爬虫類は滅び、
体温調節という“進化”を得た哺乳類が生き残った」
そこで一拍置き、ジオンは核心を突く。
「コーディネーターは、優れている。
だからこそ、過酷な環境にも“進化する必要がない”。
彼らは最初から適応している存在だ」
そして、静かに言葉を重ねる。
「だが、ナチュラルは違う。
宇宙という、人類にとって本来過酷な環境に適応するには、
変わらなければならない。
進化しなければ、生き残れない」
「その変化を成し遂げた存在――
それこそが、ニュータイプだ」
この主張は、ナチュラルの社会に爆発的に受け入れられた。
それは単なる希望論ではなかった。
長年、
「コーディネーターは優生種、ナチュラルは劣等種」
と、他者に刷り込まれ、そして自分たち自身も無意識に受け入れてしまっていた価値観を、
理論的に、しかも冷酷なほど合理的に否定する説明だったからだ。
さらに決定的だったのは――
ニュータイプの存在が、すでに現実として証明されていたことである。
名は伏せられている。
だが、誰もが知っている。
宇宙で、戦場で、
「あり得ないはずの動き」を実際に成し遂げた存在がいることを。
コーディネーターでさえ不可能な事をやり遂げた存在がいる事を。
それはナチュラルだった。
しかし本当にナチュラルだったらそれはあり得ないはずだった。
反応速度はコーディネーターに劣り、
瞬発力でも劣り、
持久力でも劣り、
視力も、体力もコーディネーターを超えるものは何ひとつなかった。
しかしその何の変哲もないナチュラルがコーディネーターを超えて見せたのだ。
戦場という現実の中で。
CE世界に蔓延していた、ナチュラルの自身でさえ認めていた、だれ一人疑う者のいなかった「コーディネーターは優れた存在だ」という「コーディネーター優生主義」は、疑問符が付き、否定され、それでもなお固執する者は侮蔑の対象となり、誰にも顧みられる事無く、時代とともに消えていった。
理論は証明された。
思想は現実に追いついた。
熱狂は、もはや誰にも止められなかった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には今後の展開に関わる伏線や設定が含まれています。
CE世界にNTはどのような変化をもたらすのか?
次回お楽しみください。