転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
特に原作にない一部キャラの改変を含みます。
気軽に読んでいただければ幸いです。





閑話6-2 熱狂

 

 

「コーディネーターでもニュータイプになれるのか?」

 

それは、ジオン・ズム・ダイクンが最も頻繁に投げかけられる問いだった。

そして彼は、その問いに対して、いつも同じ答えを返した。

 

「そんなことは、あり得ない」

 

失礼にも、挑発的にも聞こえる断言だったが、ジオンは動じない。

続けて、必ずこう説明した。

 

「進化とは、必要だから起こるものだ。

 高所の餌を得る必要に迫られたから、キリンは首を伸ばした。

 巨大な牙を誇ったサーベルタイガーは、その重さに耐えきれず自滅した。

 寒冷化という環境変化に適応できなかった大型爬虫類は滅び、

 体温調節という“進化”を得た哺乳類が生き残った」

 

そこで一拍置き、ジオンは核心を突く。

 

「コーディネーターは、優れている。

 だからこそ、過酷な環境にも“進化する必要がない”。

 彼らは最初から適応している存在だ」

 

そして、静かに言葉を重ねる。

 

「だが、ナチュラルは違う。

 宇宙という、人類にとって本来過酷な環境に適応するには、

 変わらなければならない。

 進化しなければ、生き残れない」

 

「その変化を成し遂げた存在――

 それこそが、ニュータイプだ」

 

この主張は、ナチュラルの社会に爆発的に受け入れられた。

 

それは単なる希望論ではなかった。

長年、

「コーディネーターは優生種、ナチュラルは劣等種」

と、他者に刷り込まれ、そして自分たち自身も無意識に受け入れてしまっていた価値観を、

理論的に、しかも冷酷なほど合理的に否定する説明だったからだ。

 

さらに決定的だったのは――

ニュータイプの存在が、すでに現実として証明されていたことである。

 

名は伏せられている。

だが、誰もが知っている。

宇宙で、戦場で、

「あり得ないはずの動き」を実際に成し遂げた存在がいることを。

コーディネーターでさえ不可能な事をやり遂げた存在がいる事を。

それはナチュラルだった。

しかし本当にナチュラルだったらそれはあり得ないはずだった。

反応速度はコーディネーターに劣り、

瞬発力でも劣り、

持久力でも劣り、

視力も、体力もコーディネーターを超えるものは何ひとつなかった。

しかしその何の変哲もないナチュラルがコーディネーターを超えて見せたのだ。

戦場という現実の中で。

 

CE世界に蔓延していた、ナチュラルの自身でさえ認めていた、だれ一人疑う者のいなかった「コーディネーターは優れた存在だ」という「コーディネーター優生主義」は、疑問符が付き、否定され、それでもなお固執する者は侮蔑の対象となり、誰にも顧みられる事無く、時代とともに消えていった。

 

 

理論は証明された。

思想は現実に追いついた。

 

熱狂は、もはや誰にも止められなかった。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。
本話には今後の展開に関わる伏線や設定が含まれています。

CE世界にNTはどのような変化をもたらすのか?


次回お楽しみください。
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