転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
特に一部キャラの改変を含みます。
気軽に読んでいただければ幸いです。





第19話 夢

 

 

「兄上! プラントへ宣戦布告を!」

「それは出来ん! 中立はオーブの理念なのだ!」

「理念? 理念とは“人の命を守るため”にあるのですよ。

プラントは一方的に中立であるヘリオポリスを攻撃し、

オーブ国民の生命と財産を奪ったのです。

敵対する相手から身を守るのに、中立など関係ありません!」

「だが宣戦布告すれば、国内のコーディネーターはどうなる?

彼らはプラントとは何の関係もないのだぞ!」

「兄上、我々オーブが敵対しているのは“コーディネーター全て”ではありません。

単に“大部分がコーディネーターで構成されているプラント”という集団です。

連中はコーディネーター全体の代表でも代弁者でもありません。

我が国の安全を脅かす連中に、たまたまコーディネーターが含まれているだけです!」

「しかし……」

「兄上、コーディネーターがテロを起こしたら、コーディネーター全てがテロリストになるのですか?

それなら、オーブ国外でテロリストが“自分はオーブ国民だ!”と名乗った瞬間、

世界中からオーブ国民全てがテロリスト扱いされる事になりますよ?

それが正しいと本気で思うのですか?」

「……」

「兄上、襲撃されたのがヘリオポリスではなく“本土”であっても同じことが言えますか?

本土なら宣戦布告して身を守るが、本土以外なら傍観するのですか?

ヘリオポリスやその他の地域に住む者たちも、間違いなく我々氏族が守るべき“オーブの民”なのですよ!」

「……」

「兄上!」

「……宣戦布告は認められん! これはオーブの理念なのだ!」

「……それなら仕方ありません」

タイガは右手を挙げた。

合図に従い、数人の兵士がウズミを取り囲む。

「な、何をする!」

「兄上は病気のようだ。正しい判断が出来なくなっている。

静かな場所で安静にしていただけ」

「ハッ!」

兵士が短く敬礼し、ウズミを連行していく。

「タイガ! やめろ!

お前は自分が何をしているのか分かっているのか!

オーブの理念を踏みにじるのか! タイガ!」

その声は徐々に遠ざかり、やがて聞こえなくなった。

静寂がウズミの執務室を満たす。

「理念ねえ……

それを踏みにじることでこの国の民の命を守れるなら、ためらう必要がどこにある?」

タイガの独り言が、静寂の中に虚しく響いた。

数瞬後、部屋全体がぐにゃりと歪み、

周囲の全てが渦巻きながら虚空へ消えていった。

 

「ハッ!」

 

タイガはガバッと身を起こした。

 

「夢か……」

 

再びベッドに横になりながら、タイガは今の夢を反芻する。

 

(荒唐無稽とは言い切れない。このままだと十分あり得る話だ。

事実、プラントは別に全コーディネーターの代表ではない。

世界中の全てのコーディネーターがプラントに従っているわけでもない。

宣戦布告したからといって、国内のコーディネーターの扱いが変わるわけでもない。

何より彼らも同じオーブ国民だ。

クーデターか……最終手段だが、どうしても他に手段がなければ……)

 

心に不安を抱えながら、タイガは再び眠りについた。

タイガがオーブに帰国した、その日の夜の事だった。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

独自設定が多数ありますが創作上の出来事としてご容赦ください。


次回お楽しみください。
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