転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
お気軽に読んでいただければ幸いです。
「こらこらデューク、知らない人にしがみついちゃいけないよ? それにパパはこっちだよ?」
「あ、ぱぱ~~~~~~~~~!」
「こらこら、パパはちょっとお話があるからママの所に行っていなさい?」
「うん!」
元気に返事をすると子供は部屋の中へ走って行った。
「息子が失礼いたしました」
カーンが頭を下げる。
「孫が失礼いたしました」
カルアの父も頭を下げる。
しばらく固まっていたタイガは、それからようやく再起動した。
「あ、あ〜、カルアの奴は?」
「ご安心をと言うべきか、懐妊はしておりませんでした」
カルアの父が答える。
もっとも自分としてはもう一人孫が欲しかったのですが、とタイガをにらみつけるカルアの父。
自分の娘が傷物にされて黙っている父親はいない。
もっともカルアの父はそう仕向けた張本人であり、心の中では歓喜していたが。
しかしそれを素直に顔に出すようでは、下級とはいえ氏族家の当主など務まらない。
「で、で、カルアの奴は?」
何とか再起動してやっと言葉を絞り出すタイガ。
「こちらへ」
――――
応接室と思われる部屋に案内されて饗応を受けながら、タイガは苛ついていた。
「おい、いったいいつまで待たせるつもりだ?」
既にタイガが到着して2時間が過ぎていた。
「も、もう少しお待ちください」
「女性の身支度には時間がかかるものですよ」
カルアの父も兄も何やら引き延ばそうと必死のようだが、それにも限界がある。
「お嬢様がお越しです」
メイドの声と共に部屋の扉が開かれた。
「おう、やっと来たな、カル……」
タイガは視界に入ったその人物を、最初はカルアだと認識できなかった。
小柄な背はそのままだが、体のサイズが横に大きく広がっていた。
小柄でほっそりとした印象は消え失せ、逆の意味でスタイルは大きく変化していた。
簡単に言えば、服のサイズが3Lオーバーになったという事だろうか?
「カ、カルア?」
「お久しぶりです。主」
声だけは再会する以前と変わらず可憐だった。
――
「で、どういう事だ?」
タイガが受けた説明では、タイガをかばった事故。
この時に受けた頭の傷が原因で、それまで持っていた完全記憶の能力が失われた。
完全記憶の能力には多大なカロリーの消費が伴う。
しかしそれが失われた結果――
「なんで止めなかったんだ!」
「いえ、私どもにとってはいつもの事だったので」
それはそうだ。
外見ではカルアが完全記憶の能力を失っている事など分からない。
そもそも、もう完全記憶はほとんどホクハ家のデータベースに移植しているので、カルアの出番はない。
外見でもわからず、能力を使用する機会も訪れず、それまでと同じ食事量を続けた結果が現状という事だ。
「あのなあ、だからと言ってうう……」
頭が現実を認識することを拒否して、タイガは呻いた。
「あのー、それでは出仕の件はいったん白紙という事で……」
カルアの父がそう言葉を続けようとするが、タイガはさえぎった。
「いや、カルアは出仕させろ」
「しかし……」
「別に能力に問題はないんだろう? だったら構わない。俺に必要なのはカルアの容姿じゃない」
「主……」
カルアは改めて、自分の主は間違っていなかったと確信していた。
(しかしなあ、下手したら通路から机の配置まで全てやり直す事になるかもなあ?)
タイガの予感は的中し、机の間に挟まって動けなくなったり、広いドアでなければ出入りできずに大回りして時間に遅れたり、歩くだけでも時間がかかり、以前のように時間に一分の狂いも許さなかったカルアの姿はそこになかった。
代わりにいたのは、時間そのものに追い越されていく一人の人間だった。
その後、カルアに強制的なダイエットが命じられたのは言うまでもない。
「カルア、お前明日から食事は一日一食な」
「!!!」
「効果が無いようだったさらに半分だ!」
「主〜〜〜!!!」
カルアの減量達成の道のりは遠そうである。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本作における最大の超弩級インパクトヒロイン(物理)誕生の理由と、
タイガの生涯最大の衝撃(笑)の正体でした(笑)
本作には独自設定が多数ありますが創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。