転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。

お気軽に読んでいただければ幸いです。





第23話 プラント

 

 

 

「これがプラントの現状です」

 

「エネルギー部門がテロを受けエネルギー不足ねえ? 本当かね?」

 

「少なくともプラントの発表ではそうなっています」

 

そう言ってデータを眺めていたカルアは奇妙な事に気付く。

 

「あら?」

 

「どうした?」

 

「いえ、エネルギー不足に陥ったはずなのに、各家庭の消費量は減っていないんです」

 

「どういう事だ?」

 

「家庭の消費エネルギーと言っても何千何万単位で集約すればある程度は代用できるはずです。

 それをしないで『産業用のエネルギーが足りない』というのはちょっと腑に落ちなくて」

 

「つまり『産業用のエネルギーは別の事に使っている』という事か?」

 

「そうなります」

 

タイガには思い当たる事があった。

 

原作で開戦直後に大量のMSや戦艦が出てきたが、それらはいつ建造されたのか?

 

ずっと以前から準備していた事は間違いない。

 

「これは思ったよりも急がないといけないかもな」

 

「何かおっしゃいましたか?」

 

「いや、何でもない」

 

タイガは取りあえずこの疑問を一旦心の中にとどめておく事にした。

 

――――

 

「いや〜、タイガ! 久しぶりだねえ!」

 

通信画面の中のアズラエルは相変わらず騒がしかった。

 

「それでどうしたんだい今日は?」

 

「以前話していたプランがあっただろう? それが一旦完成したんでな。そちらで確認してもらおうかと思ってな」

 

「おお、とうとう完成したのかい! 助かるよ! これで老人達を説得しやすくなる!」

 

タイガは端末にディスクをセットするとアズラエルに送信した。

 

「そっちは相変わらずか?」

 

「そうだね。頭の固い老人ばかりさ。でもこれがあればそんな事も言ってられなくなるからね!」

 

「まあ、莫大な資本が必要になる事は間違いないからな。慎重になるのも当然だろう」

 

「その見本があの空の上の砂時計なんだって事を老人達は理解しているのかねえ?

 僕としてはアレをさっさと取り壊してこっちに全力投球した方が確実だと思うんだけどねえ?」

 

「老人だからこそ今まで投資した分を回収しようと必死なんだろう。

 回収の見込めないゼロか一かの一発勝負より、多少でも回収できる方を優先するのは間違っちゃいない」

 

「でも正しくもない」

 

「その通りだな」

 

「次はどうなると思う?」

 

「連中の頭の中では、プラントはコーディネーターの為に用意された約束の地で、

 そこで生産された物は全てプラントの物で、ナチュラルはコーディネーターに使いつぶされるための奴隷でしかない。

 いずれ自分の中の妄想を実現させようとするだろうな」

 

「迷惑な話だね」

 

「全くだな」

 

「連中にとってプラントって真空の宇宙に何もしないで勝手にポンッと出てきたものだとでも思っているんじゃないのかね」

 

「あり得る話だ。宇宙で工場を一つ動かすには、場所の選定から資材輸送、人材確保、生産計画、流通まで全てが必要だ。

 何もない場所に、何もしないで工場が生えてくる事などない。そのリスクを負ったのは理事国だ」

 

「理事国にとってそこまでリスクを負って投資したのに、ちょっと売れるようになったら働く行員が

 『この工場は俺たちのものだからよこせ』なんて言ってきたら腹が立つだろうねえ」

 

「全くだな。それに」

 

「それに?」

 

「プラントはジョージ・グレンがコーディネーターの為に作り上げた楽園でも、

 ナチュラルが優生種のコーディネーター様に献上する為に作り上げたものでもない。

 理事国が工業製品を製造する為に作った工場で、コーディネーターはそこで働く唯の従業員だ。

 つまり今のプラントは『従業員が工場を占拠してストライキをしている』のと変わらん」

 

アズラエルは一瞬キョトンとした表情を浮かべた後、爆笑した。

 

「ハハハハハハハハハハハハ!

 ス、ス、ストライキ~~~~!

 宇宙で最大規模の反乱になるかもしれないのに、それが工場のストライキ~~~~~~~!

 ハハハハハハハハハハハハ!」

 

「賃金をもっとアップしろ、労働条件を改善しろ、極論すれば連中の言ってる事はそれと同じ事だ。

 宇宙も地球も変わらん」

 

「ヒィヒィヒィ……たっ確かにそうだね~~~。

 連中のやってる事は宇宙ストライキか~~~。

 ありがとうタイガ、君のおかげで助かったよ。またね」

 

「ああ、またな」

 

――――

 

「さて、連中はどうするかな」

 

そう言いながらタイガは既にこの先どのような事が起こるか知っていた。

 

だからこそ保険を用意した。

 

プラントがなくなっても代替できるように次の準備を。

 

タイガがアズラエルに送信したディスクの表面には、無機質な文字が刻まれていた。

 

「第2プラント建設計画」

 

それは、プラントが“失われる可能性”を前提にした計画だった。

 

 

 

 





※あとがきです。

読了ありがとうございます。

内容は全て本作における創作ですので原作との差異がありましても、
なにとぞご容赦ください。

CE世界におけるプラントの存在理由の否定の始まりになります。

次回お楽しみくださいませ。
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