転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は政治・思想寄りの内容となります。

原作とは異なる解釈や独自設定が含まれますのでご注意ください。

独自設定・原作改変が多めですのでご注意ください。






オーブ改革編
第26話 象徴


 

 

オーブ、セイラン家

 

「ふう、どうやらこれでいけそうだな?」

 

「ハイ、概ね首長の半分以上の同意は得られましたので、これで問題ないかと」

 

「可決されたら後は国民に公開だな。反発はあるかな?」

 

「あるとしても『今のままでよいのでは?』程度の物でしょう」

 

「だと良いが」

 

「少なくともウズミ様が正式にこのオーブの国家元首になられるのです。反対する者はいないでしょう」

 

そう、タイガがやろうとしているのは

ウズミを――アスハ家を――オーブの国家元首とする憲法を制定する事だった。

 

「法務官達とも何度も話し合ったが、現在の国法では兄上は単なる『オーブの首長の代表者』でしかない」

 

「当然、何か問題があって代表の座を退けば、ウズミ様はオーブの首長の一人でしかなくなります」

 

「そこで憲法で『アスハ家はオーブの国家元首』と制定すれば、何があっても兄上はオーブの国家元首だ」

 

「いわばウズミ様はオーブの王になられるわけで、アスハ家はオーブの王家という事ですな」

 

「そういう事だ」

 

「しかしよろしいのですか?」

 

「ん?」

 

「この案ではウズミ様の後をカガリ様がお継ぎになられない場合は、ホムラ様が次のオーブ代表になられますが?」

 

「代表の継承権は最初に決めておくのが大事だ。後から文句を付けられないようにな」

 

「ですが……」

 

「それにこの案では代表には権力はない。議会から上げられた書類にサインをするのが代表の仕事だ。

 しかもサインを拒否してはならないと法に明記して」

 

「そして重要事項が公文書として発行される場合は兄上のサインを必要とする。議会が無差別に法令を発しても兄上のサインが無ければ無効だ」

 

「……」

 

「これならば議会がどんな提案をしても、どれだけ愚かな行為を実行しても、その責任は議会にある。

 兄上に責任は及ばない」

 

「何度か代表の権限で拒否はできるようにしておく。

 しかし最終的には絶対にサインをしなければならないというわけだ」

 

「例えばオーブが世界中の国に宣戦布告するように議会が決定したとすれば、兄上はサインを拒否するだろうな?」

 

「そうでしょうな」

 

「しかし国法で『代表には拒否権を与える。だがそれは無限ではない。最終決定は常に議会が下し、その結果の責任も議会が負う』とすればサインするしかない。

 その結果オーブが滅んでも、それはそんな決定を行った議会の責任であって兄上の責任ではないという事になる」

 

(これなら兄上がいくら中立を維持しようとしても議会で否決できる。降伏を拒否しても議会が降伏を決定すれば兄上は決定に従わなければならなくなる)

 

「兄上には悪いが、兄上にはオーブの象徴として君臨してもらう。

 『誰にも従わず、誰も従えず、誰にも傷つけられず、誰も傷つけない至高の存在』としてな。

 そんな事が出来るのは兄上しかいない」

 

「そして実務を取り仕切るのが我らという事ですな」

 

「そうだ。言うなれば宰相が実質的なこの国の最高権力者だ。

 最大任期は設定しておくが、お前でも、お前の息子でも、誰でもこの国の最高権力者になれる。

 逆に言えば宰相の座を首長で話し合って順番に決めていく事もできる。

 任期は決まっているから宰相の座に固執しても意味はない。

 優れた人物が延々とその座に就く事はできないが、劣った人物がその座に留まり続ける事もない。

 兄上にお前たちに命令する権限はないから、政権を担うお前たちの責任は重大だな?」

 

「タイガ様……」

 

「国を富ますも、滅ぼすもお前達しだいだ。

 少なくとも俺にはこの程度しか考え付く事が出来なかった。

 完璧な案だとは思っていない。だが、最悪を避ける道ではあると思っている」

 

「……」

 

「では、やるぞ!」

 

「はっ」

 

――――

 

数日後、オーブでウズミ・ナラ・アスハを国家元首とする為の国民投票が行われる事が発表された。

 

同時に宰相の権限についても明記された法が制定されたが、

国民投票に紛れてほとんど関心を呼ばなかった。

 

オーブの新しい時代が始まる。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には今後の展開に関わる重要な伏線や設定が含まれています。

原作とは異なる設定、表現がありますが、本作における独自設定ですのでご理解ください。


次回お楽しみください。



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