転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる解釈や独自設定が含まれますのでご了承ください。
内容は全て本作における創作ですので原作との差異がありましても、
なにとぞご容赦ください。
気軽に読んでいただければ幸いです。
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「プラントの独立を支援する?」
「本気か……?」
「理屈が通らん」
「国家として越えてはならん線だ」
感情、理屈、立場。
反発の種類は違えど、否定の空気だけは一致していた。
兄達やウナトだけでなく周囲の者も騒ぎ始める。
「もちろん表立ってではありません」
タイガが言葉を発すると、その言葉を聞き逃すまいと周囲の者が沈黙する。
「どういう事だ?」
その沈黙の中にウズミの声が響く。
「結果的にプラントが独立すればいいのであって、我々がプラントの独立に協力する必要はないという事です」
「意味が分からんが?」
「おそらくプラントは独立戦争を仕掛けるでしょう。ただし勝てないでしょう」
それは常識的な考えだった。
国力で数十倍から数百倍の相手をするのだ。
勝てると思う方がどうかしている。
「どれだけ優れた兵器を開発しようが、どれだけコーディネーターが優れていようが、
よほど技術力の差がない限り数の前には無力です」
(ジェネシスやレクイエムなんてやつもあったなあ)
原作を思い出しながらタイガは続ける。
「敗戦後、我々はプラントの独立を認めてやればいい。連中は自分達の力で独立を勝ち取ったと喜ぶでしょう」
「ただし独立するという事は別の国になるという事です。
現在理事国が行なっているプラント製品の輸出、輸入、流通――
全てプラントは自前で行わなければならなくなる。
そして別の国であれば関税がかけられる」
うっと周囲から呻き声が漏れる。
「果たしてプラントは現在のような価格競争力を維持できるでしょうか?」
出来るわけがない。
現代でも100%や200%といった関税がかけられているものが存在するのだ。
経済的にもプラントの破綻は目に見えている。
「そしてプラントが独立すれば理事国は代替が必要になります。
その為には新しいプラントを建設する事になるでしょう。
そうなると損失を埋める為に理事国も建設に全力を出すでしょうし、
既に建設したものを再度建設するのですから、完成にはあまり時間はかからないでしょう」
「つまりプラントに競合相手が誕生する事になります。
今までの技術的、経済的優越は維持できなくなります」
周囲の呻き声が一層強くなる。
「これは既にアズラエルを通じて大西洋連合に提案済みです。
独立に対する保険としても採用される可能性は大きいかと」
「もうそこまで話が進んでいるのか?」
ウズミの疑問にタイガが答える。
「こちらは提案しただけです。採用するかどうかはあちら次第です。
しかし採用されるにしろ、されないにしろオーブにデメリットは無いかと」
「・・・確かにそうだな。むしろ状況からして、理事国がこの提案を採用しないとは考えにくいか」
「精々プラントの連中には甘い夢を見ていてもらえばいいでしょう。
苦い現実を目の当たりにした後は彼らの問題です。
独立したなら全て自分でやってもらいましょう。
独立するとはそういう事です」
――――
「そして独立に関しても、我がオーブ国内にもプラントの独立に協力するコーディネーターは存在するでしょう。
プラントに協力したいのであれば協力させればいい。
おそらく彼らはプラントと開戦すればプラントの為にテロ行為を起こしかねません。
彼らを隔離する場所が必要です」
「プラント独立へ協力させるという建前でプラントへ隔離するわけだな」
ウズミの言葉にタイガは頷いた。
「国内に置けば火種になる。ならば、火薬庫ごと戦場へ送るべきです」
「彼らには『裏ではオーブはプラント独立に協力する』という情報を流してもらいます。
それがプラント敗戦後であっても、独立に協力した事は間違いありませんからね」
タイガの言葉に周囲から失笑が起こる。
「プラントの独立には正当性が存在しない。
したがって基本的に我々は表面上はプラントの独立を認めない。
しかし裏ではプラントに危険分子を隔離する形で協力し、
プラント敗戦後は独立を認め独立させる」
「あとはプラントが滅ぶまで暴発しないように監視すればよいだけです」
タイガは言う事は言ったとばかりにウズミに頷いた。
――――
「誰か異論のある者はいるか?」
ウズミの言葉に声を上げる者はいなかった。
「よし!タイガの案をオーブの基本方針とする! 以上だ!」
独立戦争開始前に、プラントの運命が決定した瞬間だった。
※あとがきです。
読了ありがとうございます。
本作におけるオーブの対応はこのようなものになります。
原作で「理事国がプラントを乗っ取られてそのまま放置はあり得ないのでは?」
と疑問を持ったのが本話作成のきっかけでした。
内容は全て本作における創作ですので原作との差異がありましても、
なにとぞご容赦ください。
次回お楽しみください。