転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「では、特に混乱はないと思って良いな」
「はい、ウズミ兄上」
「まあ、多少人数が多いだけです。今後増えても特に問題ないでしょう」
プラントの戦略、NJ影響下におけるMSの使用。
それに伴うNJの無差別散布による混乱でコーディネーターが被害を受けるのを抑えるため、
オーブは改めてコーディネーターの移民受け入れを表明した。
NJが散布されれば、二次被害を被るのは間違いなく地球のコーディネーターだ。
例え散布されるのが数機だったとしても、範囲は数千キロに及ぶ事が判明している。
地球上にいる限り逃げ場などなかった。
「これでできるだけ被害を抑える事が出来れば……」
ホムラは沈痛な面持ちでつぶやく。
「ホムラ兄上、もう俺達にはこれ以上の事は出来ません。
後は連中のやる事を抑えるだけです」
「このNJやMSの情報は公開しないのか? 公開すればこの先の悲劇を抑えられるのではないか?」
「この情報は全て推測です。MSに至っては実戦証明すらされていません。
現状で公開しても笑われるだけです。それに……」
「それに?」
「NJを防ぐ手段が存在しません。数千数万のNJを全て迎撃するなど不可能です。
一つでも落ちたら数千キロ範囲が範囲内になります。意味がありません」
「そうか……、そうだな……」
「アズラエルを通じて大西洋連邦にも伝えてはありますが、
具体的根拠のない推測だけでは取り合ってもらえないでしょう。
もはやここまでです」
「そうか……」
「それにこれは規模は地球規模ですが、対応は各国に任せるしかありません。
他国にああしろこうしろというのは内政干渉にしかなりません。
一応各国に情報だけは伝えておきますが、あとはあちら次第です」
「……」
ホムラはもはや呟く事も出来ず、沈痛な面持ちで俯くだけだった。
「それと開戦になりそうな時を見て、中立宣言を出しても良いかもしれません」
かつては「どうやって中立破棄をしようか?」と考えていた事に苦笑しながら、タイガは言葉を発した。
「中立だと?」
「ええ。中立宣言を出しておけばどちらからも狙われる事はありませんからね。
ただしこれは破られる事が前提のものです。
プラントの連中が中立だからと言ってナチュラルの国を見逃すとは思えませんからね」
「しかし」
「中立宣言した国を攻撃すれば非難されるのは連中です。
そうなればこちらも遠慮なく連中を叩けます」
原作を思い出しながら、タイガは未来を推測した。
「あとはいくつか手を打っておくぐらいですね」
「手?」
「何をするつもりだ?」
「いえ、大した事ではありませんよ」
そう言ってタイガは軽く笑った。
タイガはオーブ軍の戦略会議室にいた。
「で、どうだ?」
「はっ! この者達が適任かと」
「フム……」
タイガは数名の男女の資料に目を通す。
いずれもコーディネーターであったが、
コーディネイト時のトラブル、目の色の違い、
能力の不足、髪の色の違いなどで親に捨てられ、
プラントに激しい敵意を持つ者達だ。
「よし、良いだろう。彼らを採用しよう。連れてきてくれ」
「はっ!」
しばらくして数人の男女がタイガの前に整列する。
「よし、楽にしてくれ。おれはタイガ・ウラ・アスハだ。話は聞いているな?」
「「「「「「はっ!」」」」」」
「君たちにはプラントに潜入してもらう。主な目的は情報収集だ。
ただし何でもというわけじゃない。こちらが指示する物に対してのみ収集し、それ以外は放置だ。
それ以外は例え同僚が得ようとした情報であっても放置だ。
また君達はプラントに所属している事になるから、交戦した場合は我々から攻撃される事もありうる。
同時に君たちがこちらと交戦するようになった場合はためらわず攻撃しろ。
いいか? 君たちがもたらす情報が我々の勝利のカギとなる事を、
宇宙の平和のカギとなる事を十分に理解してくれ。わかったな」
「「「「「「はっ!」」」」」」
男達が退出した後、タイガはふと呟いた。
「宇宙ね。こんな内輪もめを繰り返してる俺達人類が宇宙へ、
宇宙の果てへ飛び出していけるのは、
いったいいつになるんだろうな?」
タイガの目は壁際に飾られた「恒星間宇宙船」の模型を見つめたままだった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。