転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
特に原作にない一部キャラの改変を含みます。
気軽に読んでいただければ幸いです。





閑話13 扉

 

 

 

 

ニュータイプ論の否定者が、タイガの正体をジオンに告げた。

 

「君は利用されていただけだ」

 

その言葉に、ジオンは鼻で笑った。

 

「利用されていた?

 当時の私に、利用するだけの価値があったのかね?」

 

否定者は答えに詰まった。

 

かつてのジオンは学者とは名ばかりの、ただの三流の不平屋でしかなかった。

 

当時のジオンが何を言っても耳を貸す者はなく、どんな主義主張を行っても黙殺される事しかなかったであろう。

 

何よりも当時は「ニュータイプの実在」は証明されていなかった。

 

現在のように宇宙で、戦場で、「あり得ないはずの動き」を実際に成し遂げた存在がいることは

証明されていなかった。

 

コーディネーターでさえ不可能な事をやり遂げる存在がいる事など想像もされていなかった。

 

世間の評価は「何か面白い説がある」という以上の認識はなかったであろう。

 

それすらもタイガの支援が無ければ、わずかとはいえ世間に知られる事すらなかったのは想像に難くない。

 

「私の論文の価値も、私の思想の意味も、

 すべてあの方が与えてくれたものだ。

 あの方がいなければ、今の私は存在しない。

 あの方が見出したものをどのように利用しようが、

 それはあの方の自由だ。

 私は“ニュータイプ”という雛形を提示しただけだ。

 今後の研究でいくらでも否定され、同時に発展していくだろう。

 学問とは、そういうものではないのかね?」

 

否定者は何も反論できなかった。

 

---

 

世界中での講演。

各界の学者との論争。

思想に触れ続けた日々。

そして、タイガとの面会。

 

それらはジオンに、自分自身を見つめ直させるきっかけとなった。

 

ジオンは世界中に赴き、そこで議論し、時には勝ち、時には負け、世界中の様々な思想と触れ合い、

少しずつ「ニュータイプ概論」を完成に近づけていった。

 

ジオンはかつては全面的な肯定のみを求めていた自分が、「論戦での敗北」を素直に受け入れるなど想像もしていなかった。

 

それすらも「ニュータイプ概論」を完成に近づけるための糧とし、少しづつ、しかし確実に歩んでいく姿はまぎれもない「探究者」のものであった。

 

かつては、ただの三流学者の不平屋でしかなかったジオン。

しかし今や、彼はひとかどの“学問の探究者”へと昇華していた。

 

これ以降、ニュータイプ論は急速に“学問”として完成されていくことになる。

 

---

 

ありふれた、どこにでもいる、

取るに足りなかったひとりの男が、学問の扉を開いた。

 

それはやがて、人類の可能性の扉をも開くことになる。

 

そこには――

遺伝子の優劣など、どこにも存在しなかった。

 

 

 

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。
本話には今後の展開に関わる伏線や設定が含まれています。

CE世界でNT論は万人に受け入れ可能な「学問」となります。

これがNT論の世界への普及を加速していく事になります。

次回お楽しみください。
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