転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第42話 人の死なない戦い

 

 

 

「やあ、タイガ。今日はなんだい?」

 

タイガはプラントに対抗する手段についてアズラエルに相談する事にした。

 

「お前もこの間の事は知っているだろう? それについてだ」

 

「ああ、あれねえ。まさかMSがあそこまで有効だとは思わなかったよ。

まあ、初見という事もあるし直ぐに対応は出来るんじゃないかな?」

 

「このままならな」

 

「……」

 

そう、二人とも “このままではない” 事を知っている。

MSはNJの影響下での運用を前提にした兵器だ。

そしてプラントはNJを続々と生産している。

NJの影響下にない状況で対応策をいくら立てても、

NJが散布されてしまえば全て無駄 だ。

通信やレーダーが使用出来なくなる。

取れる選択肢は限られる。

 

「それならどうするんだい?」

 

「こういうのはどうだ?」

 

話を聞き終えたアズラエルは笑い出した。

 

「なるほどねえ。そう来たかあ。でも良い方法だね?」

 

「そうだろう? このやり方はプラントには出来ない。何より人が死なない」

 

「とりあえずそっちでも生産出来る様にライセンス契約でもしておくかい?」

 

「ああ、場合によってはそちらから輸入しても良い」

 

「良いのかい? そっちはそういうのに結構うるさいんじゃなかったのかい?」

 

「今はそんな事に構っている余裕はない。連中に対抗するのが先だ」

 

「そうだよねえ。でもこれからもっと大騒ぎが続くだろうけど、

奴らの未来がああなると知っていれば虚しさしかないねえ?」

 

「そうだな。しかし連中が滅びる前にこちらが殺されてやる謂れは無い。

精々足掻いてみせるさ」

 

「そうだねえ。じゃあ、ありがとう。またね」

 

「ああ、またな」

 

暗くなった画面を見つめながらタイガは呟いた。

 

「そう、いずれ滅びる連中の為に俺達の未来をくれてやるつもりはない。

絶対にだ」

 

その後、大西洋連邦はメビウスの新しい武装を開発した。

後のプラントとの戦争でMSが配備されるまで活用されたそれは、

多数の小型ドローンと、それを収納する親機のセット になった武装だった。

メビウスから親機を発射し、親機から切り離された小型ドローンは簡易的なミサイルとしても使用でき、

これによりジンの移動先を限定し、火線のクロスポイントに誘導する戦術が取られた。

さらにこの小型ドローンを撃墜・回避しようとする事でジンの活動時間が減少し、

エネルギー不足で母艦に帰還出来ない機体が続出した。

動けなくなった機体を撃破するのは簡単だった。

エネルギー源がバッテリーである事の欠点である。

 

これによりMSはまず メビウスの発射する小型ドローンを突破する事

を優先させられるようになり、

それを突破してもメビウスと交戦しなければならず、

そのメビウスも普通のものではなかった。

 

男は優秀なパイロットだった。

どんな時でも冷静で淡々と任務を遂行して来た。

そんな彼でも現状は心が浮き立つのを抑えられなかった。

 

「よし! 3機目!」

 

本日の交戦でまたメビウスを撃墜したのだ。

このまま行けばエースも夢ではないな、と思う男だったが、

ふと疑問が頭に浮かび上がった。

(しかし、今日の連中はやけに反応が遅いな? まあナチュラルなんて所詮その程度だろうが)

そう思った男だったが、その後そんな余裕はなくなった。

(5機目!)

敵機を撃墜した瞬間、コーディネーターの視力によって撃破した敵機のコクピットが目に入った。

(人が乗っていない?)

そう、男が撃墜したメビウスは 無人機 だった。

コクピットにはパイロットの代わりに機械が設置され、

同じような敵がまた襲ってきた。

(クソッ、きりがない!)

その場から離れようとした男に、

同じメビウスが――しかしそれまでとは動きが明らかに異なる機体が襲いかかって来た。

(クソッ、エネルギーがもう)

弾薬とエネルギーを消耗したジンは、メビウスに抵抗する事は出来なかった。

(バカな! 俺がナチュラル如きに!)

それが男の最後の思考だった。

 

まずドローンで敵の弾薬とエネルギーを消耗させる。

回避すれば火線に誘導。

迎撃すれば弾薬の消費。

それを突破しても無人機のメビウスが対応。

弾薬とエネルギーを消耗した状態で、有人のメビウスが複数で対応。

弾薬とエネルギーを消耗したジンに対抗手段は残っていなかった。

さらに突破せず帰還を図っても、

エネルギー不足で帰還すら不可能になる事も珍しくなかった。

ドローンと無人機の大量生産を前提にした「人の死なない戦術」の確立だった。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください

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