転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第46話 出撃

 

 

 

 

「いいか? この『試作ガンダム・アストレイ』には、今後のオーブ軍の基礎となる

データを収集するために学習型コンピュータを搭載している」

 

「学習型コンピュータ?」

 

「そうだ。自分で動作を覚えて効率的な動作を選択し続ける。

例えば転んで起き上がる時も、最適な動作を選択していくから――

最初は10秒かかっていたのが8秒になり、次は5秒になる。

それを続けていく。それは動作全体に当てはまる」

 

「つまり使えば使うほど早くなるという事だね」

 

「そうだ。現状は学習するデータが存在しないから、

学習型コンピュータを使って全データを収集しているが

……どのデータが最適化に必要なのかわかれば、

こんな大掛かりなものはいらなくなる」

 

「もしかして、この学習用コンピュータって貴重なの?」

 

「“ちょっとしたスーパーコンピュータ並み”だとは言っておく」

 

「そんな貴重なものをMSにつかうなんて……」

 

「馬鹿者! それでお前の命が助かるなら安いものだ!」

 

「え? 父さんもしかして?」

 

「あ、あ〜、違うぞ? これはあくまでもデータが大事なのであってだな?」

 

「ハイハイ。そういう事にしておくよ」

 

「~~~ああ。そうしておけ」

 

 

テムは『試作ガンダム・アストレイ』の制作に自分の持てる技術の全てを注ぎ込んでいた。

『プロトアストレイ』がモジュール構造とOSの動作確認用のMSだったのに対して、

『試作ガンダム・アストレイ』はパイロットの生存と戦闘データの収集に特化したMSだった。

 

それにより「データ回収の為に」パイロットの生存は何よりも優先され、その為の設計思想は徹底していた。

大破時にはコクピットブロックが機体から自動的に射出され、簡易的とはいえ自力移動も可能であった。

その為、機体構造も『プロトアストレイ』と異なり「ムーバブル・フレーム」を採用し、

機体の堅牢性を極限まで高めていた。

その設計の先進性は、プラントとの大戦終了後、核動力のMSが開発された時のテストベッドとして

この『試作ガンダム・アストレイ』が採用され、余裕を持って対応出来た事からも伺う事が出来た。

これが全力で職務に邁進するテムの姿勢なのか、アムロに対する愛情なのかは外部からは分からなかった。

 

 

ここはオーブの宇宙ステーション―― アメノミハシラ である。

アムロ達はここで、宇宙空間でのガンダムの稼働試験を行う事になった。

 

「海賊行為が頻発している、ですか?」

 

「ああ、そうだ。救難信号が出て急行しても、既に相手は逃走済みで影も形もない。

しかも海賊行為が目的なら積み荷が奪われているはずだが、それもない。

まるで船を破壊する事が目的だったようにな」

 

「襲われた船籍は?」

 

「ほとんどが理事国の物だな」

 

テムがアメノミハシラ司令と状況を確認する。

アムロの初陣は、MS戦ではなくこの海賊退治になりそうだった。

 

(せっかく教導隊であれだけ腕を鍛えたのに・・)

 

アムロは気が重くなり、溜息をついた。

 

「どうしたアムロ?」

 

「いや……せっかく軍人になったのに、初めての実戦がただの海賊退治だと思うと、気が重くてね?」

 

「私としては、お前が危険に晒されず実戦経験できるなら、それでいいと思っているよ」

 

「父さん……」

 

「軍人としては失格だな。しかし親としては間違いなく本音だ」

 

「……」

 

アムロは、普段は照れ隠しで隠している父の愛情を感じ、胸が熱くなった。

 

「まあ、海賊に襲われている人に罪はない。人助けになる任務だと思えば気も楽になるだろう?」

 

「そうだね。助けを求めている人がいるのは間違いない事だからね」

 

 

その後数日間、アムロ達はアメノミハシラ周辺を哨戒した。

そして無為な日々が続いた後――事態は動いた。

 

「理事国船舶より救難信号! 信号途絶! 例の海賊と思われます!」

 

「方位は?」

 

「把握しています! しかし距離があります。MSなら先行できます!」

 

「……アムロ? 行けるか?」

 

「……もちろんだよ!」

 

「よし! 行け!」

 

「ハイッ!」

 

ハンガーでは既に発進準備が整えられ、そこには白く塗装された「ガンダム」が屹立していた。

 

「発進シークエンス終了、カタパルト設置OK!」

 

「こちらガンダム・アストレイ、発進準備完了!」

 

アムロは大きく息を吸い込んだ。

 

そして――

 

 

「アムロ、行きまーす!!!」

 

 

この世界での ガンダムの初陣 だった。

 

 

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。
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