転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください





第53話 破滅の兆し

 

 

「さて、ジブリール。あなたにこの人員をお渡しします。暴発しないようにしっかり管理してください」

 

「はい盟主」

 

不満げにジブリールが答える。

 

「まだ納得できないのですか? 今コーディネーターを多少駆除しても意味はない事は説明しましたよね?」

 

「しかし! 盟主!」

 

「犬でも餌を前にして“待て”は出来ます。ジブリール、あなたは犬にも劣るのですか?」

 

「~~~!!!」

 

面と向かって侮蔑され、何か言い返そうとするが――

 

「代替案はありますか?」

 

アズラエルのその一言に、ジブリールは何も言い返せなくなる。

 

「いいですか? 今我慢すれば、極めて近い未来、奴らは自滅の引き金を引きます。

それも自分達の手で、私達にこの上ない“大義名分”を与える形で」

「うまくいけば連中を根こそぎする事すら可能なのに、何が不満なのですか?」

 

「それは……!」

 

「もし不満があるなら自分達で実行してみなさい。

精々数百か数千程度の連中を殺して悦に入っていれば良いでしょう。

しかし私にはそんな“小さな事”に関わっている余裕はありません」

 

「小さな事ですと!」

 

「それは“世界中の意思”で連中の巣を丸ごと核で焼き払う大義名分を得る事よりも大きいのですか?」

 

「……」

 

ジブリールは何も言い返せなかった。

考え方のスケールが違った。

結論に至る判断力が違った。

情報を解析し、自分の利益に結びつける発想力が違った。

アズラエルに比べれば、自分が何とちっぽけで矮小なのか――惨めさがこみ上げてくる。

アズラエルに対する反発も、結局はそれを認めたくないだけの幼稚な感情に過ぎなかった。

 

「今、連中に対して何か行動を起こせば、連中は被害者面して嬉々としてNJを打ち込んでくるでしょう。

“自分達は被害者だ”と主張してね」

 

「……」

 

「しかしこちらがNJを打ち込む大義名分を与えなければ、

奴らは“自分達で”大量虐殺の引き金を引く事になります」

 

「……」

 

「“殴られたから殴り返した?” まあ、それは言い訳にはなるでしょう。

しかし“殴られると思ったから先に殴った”というのであれば言い訳もできません。

奴らはそれをしようとしているのですよ。理解できたら、指示があるまでおとなしくしていなさい」

 

「はい。盟主」

 

ジブリールは敗北感を抱えたままアズラエルの前から下がった。

 

(くそっ。何が盟主だ! このままで終われるものか!)

 

理性的でない事は理解している。

盟主が正しい事も理解している。

しかし――感情が理解を拒む。

“青き清浄な世界のために”

その言葉が、いつまでもジブリールの耳から離れなかった。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。
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