転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。

「ゆでたまご理論」どう思います?

私は好きです!





第63話 ニュータイプの力

 

 

アムロと出会ったジオンは、狂喜した。

自分が提唱した理論――その“実践者”が、現実に現れたのだ。

最近、オーブでは徐々にジオンの理論が広まり、支持者も増えていた。

しかしジオン本人は、今まで誰にも顧みられなかった自分の理論を、

余すことなく証明し、現実に体現する者が存在する など、本気では信じていなかった。

子供達は言ってくれた。

 

「そんなことはない! お父様の言っていることは本当だ!」

 

だがその温かい家族の慰めは、逆にジオンを傷つけていた。

そんな時に現れたのが――アムロだった。

しかも娘の恋人として。

最初、ジオンはアムロを疑った。

恋人の父親に気に入られようと、適当なことを言っているだけだろうと。

だがアムロの振る舞い、セイラとのやり取り、ふとした仕草。

それらを見ているうちに、疑いは消えていった。

さらに質問を重ねると、自分の理論を証明する答えが次々と返ってくる。

気づけばジオンは質問に夢中になり、娘を放り出してアムロに迫り、

「お父様、いい加減にしてください!」

と娘に怒られる始末だった。

ジオンの理論の唯一の問題――

「現実のニュータイプの存在」

それがついに実証された。

この瞬間、ジオンの理論は万人に受け入れられる“基礎”を得た。

それは、世に蔓延する 「コーディネーター優生主義」 の衰退の始まりだった。

 

 

タイガ・ウラ・アスハは転生者である。

転生者であるがゆえに、常人では知り得ない事も知っている。

しかし――

その彼をもってしても、これは予想外だった。

 

セイラ・マス?

兄?

つまりシャア・アズナブル?

アムロの小隊にバーナード・ワイズマン?

クリスチーナ・マッケンジー?

この世界はいつから宇宙世紀になったんだよ!!

 

誰にも言えない事実を抱え、タイガは心の中で絶叫するしかなかった。

 

(……まあいい。どちらにしろ出来る事は限られている。

俺は出来る事をやるだけだ。後の事なんて知るか!)

 

もはやタイガにできるのは、現実から逃避することだけだった。

そこでタイガは「自分に出来る事」として、一つの命令を出した。

 

「『ニュータイプ研究室』ですか?」

 

「そうだ。と言っても、今までの“オーブ軍戦術開発室”の中に

お前の事を調べる部署を作るだけだがな」

 

「僕の事を?」

 

「お前の戦果は素晴らしい。上はそれを解き明かしたいのさ。

そのための予算を得るための“ニュータイプ研究室”という名目だ。

ただのお題目だ。気にするな」

 

「まあ、いいけど?」

 

腑に落ちないながらも、アムロは命令に従い研究室へ向かった。

 

 

調査の結果、アムロの肉体スペックは――

• 反応速度:平均以上

• 筋力:平均並

• 持久力:平均並

• 耐久力:平均よりやや上

何の変哲もない“普通のナチュラル”だった。

研究者たちは首を傾げる。

 

「肉体的には一般的なナチュラルだな」

 

「じゃあ何であんな動きができるんだ?」

 

「もう少し調べてみるか」

 

こうしてアムロの戦績や模擬戦が徹底的に分析された。

注目されたのは、バーニーとクリスとの模擬戦。

バーニーが囮となり、背後からクリスが狙撃する――

ありふれた戦法である。

 

「ワイズマン准尉の方は問題ないな」

 

「アムロ三尉の注意をよく引き付けている」

 

「しかしマッケンジー准尉が狙撃位置に着こうと移動したところでワイズマン准尉に牽制射撃、

直後にマッケンジー准尉を撃墜、そのままワイズマン准尉を撃墜と」

 

「マッケンジー准尉の位置は?」

 

「センサーの範囲外ですね」

 

「何故マッケンジー准尉の位置が分かったんだ?」

 

「本人は何となく嫌な予感がしたとしか」

 

「う~ん」

 

「全体を俯瞰してみましょう」

 

「全体を見れば一目瞭然だな」

 

「ええ、ワイズマン准尉に注意は向けられていますが、マッケンジー准尉が動き出した途端

アムロ三尉は対応しています」

 

「空間認識力が優れている事だけでは説明できないぞ?」

 

「サッカー選手の中でも一流選手の中にはフィールド全体を上空から見た視点を持つ者もいる

という事ですからそれの同類では?」

 

「うん?」

 

「どうした?」

 

「アムロ三尉の入力ですが他の者より僅かですが早いようです」

 

「どういう事だ?」

 

「ここですが1秒を30フレームで表示しています。ワイズマン准尉の入力は30フレーム目からですが、

アムロ三尉の入力は29フレーム目からです」

 

「それが?」

 

「MSは人間の10倍のサイズです。時速40キロのスピードを出しても人間では時速4キロ程度にしかなりません。

仮に時速100キロで動いた場合、相手も同じ速度で動けば相対速度は時速200キロになります。

人間では時速10キロ程度、ちょっと速足ですれ違った程度です。

しかし実際には秒速で50メートル以上です。

30分の一秒でしたら2メートル近くになります」

 

「!?」

 

「2mも照準がずれれば避けるのも簡単だな。

相対速度が数百キロになれば誤差はもっと大きくなる。

相手は撃っても当たらないし、相手が避けようとした時にはアムロ三尉は既に入力済みで、

避けようとする前に命中するという事か」

 

「別に反応速度は関係ないな。相手が入力する前に入力しているのだからな」

 

「それを可能にしているのは周囲の認識、害意の存在ですか」

 

「基本は周囲の認識だろう?周囲を見渡して「あのあたりが怪しい」とか「あのあたりが危険だ」

という程度なら普通の人間でも出来る。

アムロ三尉はそれが少々強く、その結果として害意に反応しているだけだな」

 

「“他者と深く共感できる能力”ですか」

 

「他人の行動を察する事が出来る、他人が何をして欲しいのか分かる、それだけの話ですね」

 

そうそれだけの話である。

それが戦闘で異常な結果を生んでいるだけであった。

 

「平和な時であれば平凡だが素晴らしい力だな。三尉とジオンのお嬢さんを見ているとそう思うよ」

 

「全くですね」

 

セイラは時々アムロの様子を見に来ていた。

 

本来であれば部外者立ち入り禁止なのだが「ニュータイプ概論」の提唱者のジオンの娘という事と、

アムロの恋人である事、自身もニュータイプである事から特別に許可が下りていた。

 

その際に言葉一つ交わさず行われる二人の振る舞いは、正に以心伝心の見本と言うべきものであった。

 

「何も言わなくても相手が自分の事を察してくれる、何も言わなくても相手の事を察する事が出来る、

実にいい話だ」

 

「ニュータイプですか」

 

「人類全てがそうなるなら争いは今よりももっと少なくなるだろう。

そうなればナチュラルだ、コーディネーターだという不毛な争いは無意味になる」

 

「そうですね」

 

「将来の争いを無意味なものにする為にももうひと頑張りだな」

 

「はい!」

 

 

「つまりアムロ三尉は肉体的には平均的なナチュラルと変わりないと?」

 

タイガは研究室から報告を受けていた。

 

「はい。極論すればアムロ三尉は「単に多少勘が鋭い人間」でしかありません」

 

「しかし“極めて高度な空間認識力”と“他者と深く共感できる能力”を持つ事で、

害意に対して素早く反応する事が可能なのだと思われます」

 

「害意に対して素早く反応する事で相手より先手を打てるわけか」

 

「はい。これは日常生活においても発揮されており、

いわば戦闘において発揮されるこれらは日常生活の副産物に過ぎないかと」

 

「「単に多少勘の鋭い、他人と共感できる人間」それがニュータイプか」

 

「はい。ニュータイプ概論に目を通しましたがアムロ三尉はそれの体現者かと」

 

「よし。ご苦労だった。正式な報告は後日上げてくれ。下がってよし」

 

「はっ!」

 

 

一人になったタイガは思わず呟いていた。

 

「は~、ニュータイプかよ~。いつからここは宇宙世紀になったんだよ~。

俺はオーブさえ無事ならそれでよかったのに。なんでこんな事になったんだよ~」

 

この後急速に軍内部のみならず民間にも「ニュータイプ概論」は広まっていく事になる。

 

しかしオーブどころかCEに蔓延した「コーディネーター優生主義」を叩き潰し、

新しい時代を作り上げる第一歩を生み出すきっかけを作りだした男の嘆きは誰にも届く事はなかった。

 

宇宙でプラントとの間に本格的な戦端が開かれる直前の出来事であった。

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

アムロの強さの秘密の一端でした。


キン肉マ◯の「ゆでたまご理論」どう思います?

ウォーズマ◯とバッファローマ◯の
「100万パワーX2で200万パワー、倍のジャンプで200万パワーX2の400万パワー、3倍の回転で400万パワーX3の1200万パワーだ!」

子供心に「いや、そうはならんだろう!」と突っ込んだのを憶えています(笑)

そして「そんなのはどうでもいい!面白けりゃいいんだよ!」と思った事もよく憶えています(笑)

年齢がわかる?

ほっといてください!

面白いものはいつになっても面白いのですよ!(ひたすら強弁)

次回、いよいよ運命の日の前夜になります。

次回お楽しみください。


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