転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
本話はCEで融合炉が一般に普及していない理由になります。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
本話はAIを活用して作成しました。
どうぞお楽しみください。
「それではやはりNJを防ぐのは無理か?」
タイガの問いに、オーブの技術将校は沈痛な面持ちで首を振った。
場所はオーブ国防本部の一室。
開戦を前に、想定される最悪のシナリオ――地球全土へのNJ散布に対する防衛策の検討会が行われていた。
「ええ。宇宙から投下される万単位のNJをすべて迎撃するのは物理的に不可能です。
NJの有効半径を考えれば、たった一つが主要都市付近に落下するだけで、その地域の社会機能は沈黙します」
「電源だけでも用意出来ないか?
戦艦に融合炉を採用していただろう?
あれならNJに影響されないだろう?」
「戦艦の融合炉と民間の発電所では用途が異なります。
軍用の融合炉に必要なのは瞬間的な出力ですが、
民間用の融合炉に必要なのは長期間安定した出力です。
目的が違いすぎます。
それに戦艦の融合炉では民間用に代用するには小さ過ぎます」
「そう上手くは行かないか」
「融合炉は軍事機密です。
現状では軍用が優先されます。
何より融合炉の燃料はヘリウム3です。
軍用で少量に採掘するならともかく、
民需用に大量採掘は不可能です」
「月面か・・・」
「仮に月での大規模採掘が可能になったとしても、
エネルギー供給を全面的に月に依存することになります。
それは有事の際、供給ラインを断たれれば即座に国家が破綻することを意味します」
「プラントの目の前に自分たちの心臓を差し出すようなものだな」
タイガは深く椅子にもたれかかった。
NJが投下されれば、電力インフラは即座に崩壊する。
そこから軍用融合炉を民生用に転用しようにも、改装には多大な時間と手間がかかる。
今から民間用の巨大な融合炉を建設する時間的猶予もなかった。
「やはり無理か・・・」
「むしろ太陽発電や超伝導送電設備を拡充して送電網を拡充した方が即応性が大きいのではないでしょうか?
昼の地域で発電した電気を超伝導で夜の地域に送電し、それを相互に行えば効率的です。
太陽発電なら最悪パネルを広げさえすれば送電出来ます」
「確かにな」
「必要なのは「将来完成する発電所」ではありません。
「今すぐ対応できる電源」です。
とても新しい融合炉を建設する余裕はありません。
建設出来ても運用がプラントに脅かされるようであれば意味がありません」
「結局、アズラエルの奴のやり方が最も効率的という事か」
ブルーコスモスは、世界中に超伝導送電網の拡充と輸送網の整備を急ピッチで行なっていた。
今までコーディネーターに対する無差別テロを行なっていたブルーコスモスの変わりように、
多くの人々は疑いの目を向けていた。
だがそれによって、疑いの目を向けた多くの人々が救われる事になる日は目前に迫っていた。
「数年後であれば融合炉自体の建設は可能か?」
「建設そのものは可能ですが、ヘリウム3を月から採取する必要がある以上、
月の安定化は必須になります。
1トンのレゴリスから数mg程度しか採取出来ません。
仮に世界年間発電量を30,000TWhと仮定して、これを全て融合炉で賄った場合、
年間約600トンのヘリウム3が必要になります。
1トンのヘリウム3の採取に必要なレゴリスでさえ約5000万トン規模になりますので、
とても実用的ではありません」
「月が完全に地球の勢力圏にならなければ絵に描いた餅だな」
「現状のまま融合炉が普及した場合、月がプラントに攻撃されただけでインフラが停止して
NJの落下と同じ結果になります。
とてもではありませんが、国家の安全上避けるべきかと」
「そうだな・・・。例の「ミノフスキー理論」の新型融合炉ならどうだ?」
「現状より高効率ですし、上手くいけばヘリウム3の消費量も極限まで縮小できそうです。
しかも融合反応から直接電気を取り出す事が出来るので理想的と言っても言い過ぎではありません。
しかしまだ理論の域を出ておらず、完成していません」
「現状の融合炉ではヘリウム3を何とかしなければ民間用の実用化は不可能で、
新型融合炉はそもそもNJの散布には間に合わないか」
「新型融合炉であれば現状で採掘出来るヘリウム3でも十分実用的と言えます。
数十年後でも問題ないのでは?」
「融合炉が必要なのは数十年後ではない。
“現在”だ。
“現在”実現出来ないのであれば意味はない。
今の俺たちに必要なのは“未来への希望”よりも、“現在を生き抜く力”だ。
それにプラントに対抗するにはMSだけではなく他の手段も必要だ。
準備を止めるわけにはいかない。
新型融合炉に注力する余裕は無いな」
オーブ防衛の為にアストレイやその他の装備を必死に開発しているテムやエリカの姿を思い出して、
タイガは苦い表情を浮かべた。
「後は採掘場所の変更でしょうか?」
「採掘場所?」
「はい。木星であれば採取するだけでヘリウム3を確保出来ます。
精製設備も必要ありませんし、大量にレゴリスを処理する必要もありません。
単に往復する時間が十数年かかるだけです」
「設備は自動化すれば人手も必要ないか・・・やってみる価値はあるか・・・」
こうしてオーブでは「戦後」に向けての動きが既に始まっていた。
それは開戦前からプラントの未来が決まっていた事の何よりの証明だった。
それを知らぬ者たちの間で、まさに戦火が交わされようとしていた日の出来事だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
月面のヘリウム3云々についてはAIを活用しました。
いや〜、AIって便利ですねー。
適当に質問したら、予想以上に詳細な答えが返ってきてびっくりでした。
ミノフスキー炉云々については本作独自の設定ですので、本編との矛盾や差異があってもどうかご容赦ください。
直接本筋と関係ない話や、補足的な戦闘や技術的な話は閑話として上げさせていただきます。
次回お楽しみください。