転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
第64話 救う者、救われる者
CE70年 3月15日
「いいですか? 宇宙人どもはビクトリア攻略に失敗しました!
そろそろ次の手を打ってくるでしょう!
どんな手か? 決まっています! 例のNJです!
連中がせっかく作った切り札を使わないはずがない!
それに対して、こちらは万全の準備をしておくのです! いいですね!」
「「「「「はい! 盟主!」」」」」
「それと言っておきますが――
保護を求めてきたら、ナチュラルもコーディネーターも区別なく保護しなさい!」
「盟主!」
「いくらなんでもそれは!」
アズラエルは冷たく笑った。
「私たちの悲願を忘れたのですか?
ここでコーディネーターの保護を拒否すれば、
“私たちの目的は被災者の救済ではなく、コーディネーターを滅ぼすことだ”
と思われてしまいます。
私たちが分け隔てなく“善意で”被災者を救済するからこそ、
救われた人たちは私たちを支持するようになるんです。
そのためなら、被災者の中に宇宙人の一匹や二匹紛れ込んでも誤差でしかありません!」
アズラエルは支部長たちに念を押した。
――被災者の救助は“善意”である。
つまり 本来の目的は決して表に出してはならない ということだ。
「しかし!」
「ではこう言い換えましょうか。
被災したコーディネーターは、誰を恨むでしょうねえ?」
「誰……とは?」
「自分たちは地球に住んでいただけで、空の上の連中とは何の関係もない。
それなのに空の上の連中は、自分たちのことなど考えずにNJを使った。
おかげで自分たちは周りのナチュラルに殺されそうだ。
――こんな状況になっても、同じコーディネーターというだけで空の上の連中を支持しますかねえ?」
支部長たちは息を呑んだ。
アズラエルは続ける。
「いいですか?
被災したコーディネーターは プラントに対する鉄砲玉 として使えます!
私たちが手を下さなくても、助けられた連中が勝手にやってくれるでしょう!
情報だって、同じコーディネーターであれば得るのは簡単です!
自分たちの手を汚さずに動かせる手駒が、勝手に手に入るんです!
絶対に見逃してはなりませんよ!
それに、いちいち被災者をナチュラルかコーディネーターか区別している暇はありません。
一人でも多く助ければ、ナチュラル・コーディネーターの区別なく、
私たちへの“絶対の支持者”を得ることになるんです!
大手を振って連中の住処を丸ごと核の炎で焼くチャンスは、もうすぐです!
いいですね!」
「“青き清浄な世界のために”!」
「「「「「“青き清浄な世界のために”!!!!!」」」」」
その同じ日。
プラント評議会では、ニュートロン・ジャマー散布を柱とする赤道封鎖作戦――
「オペレーション・ウロボロス」
が可決された。
運命の歯車は、静かに、しかし確実に回り始めていた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。