転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
その後――
【カーペンタリア制圧戦】
【第一次ヤキン・ドゥーエ攻防戦】
【第一次カサブランカ沖海戦】
【グリマルディ戦線】
など、各地で戦闘が繰り返された。
そして CE70年10月22日。
地球連合事務総長オルバーニとクライン議長による秘密会談――
「10月会談」 が開催された。
タイガもその場にいた。
「だからこちらは、プラントの独立を認めてもらえばそれでいい!」
「一億人もの民間人を虐殺しておいて、何を言うか!」
両者の主張は最初から平行線。
歩み寄る気配は一切なかった。
(独立以外の条件をプラントが飲むわけがない。……所詮茶番だ)
タイガは、この会談を取り持ったマルキオ導師へ視線を向ける。
(どうも胡散臭い坊主だ。裏で何やってるかわかったもんじゃない)
――偏見である。
だが原作でもクライン派、ジャンク屋、地球連合と幅広いコネを持つ人物であり、
“胡散臭い”という印象はあながち間違いでもなかった。
(まあ、こいつは放置でいい。問題は……)
タイガは会談に同行していた
ザフトと地球連合の開発部門の人間 を探した。
(いた!)
タイガはオーブ軍事開発局の者に頷き、指示を出す。
「やれ」
「はっ!」
軍事開発局の者はザフトの技術者を別室に案内し、
オーブ開発のMS――アストレイ の売り込みを開始した。
「プラントもこれからは戦力が必要でしょう。
生産を我々にご依頼いただければ、ご希望の数を揃えられますが?」
ザフトの男は鼻で笑った。
(オーブが我々にMSを売り込む? 無駄なことを)
しかし一応、資料に目を通す。
「……なんだねこれは?」
提示されたアストレイは、スペック的にはジンと同等か、僅かに上程度。
量産性は高いが、わざわざオーブに頼むほどではない。
さらに――金額が法外だった。
「なんだこの金額は?」
「このMSを運用するなら最低でもこの程度は必要です。
あとはシステムのライセンス料ですね」
「ユニット化して交換できるとはいえ、この量を揃えるのにこの金額では意味がないな」
ザフトの男は切り捨てた。
オーブが見せたのは、
輸出用に性能を落としたモンキーモデルの資料 だった。
当然、ビーム兵器の記載もない。
「これでは意味がない。プラントで採用することはできん」
「そうですか。また気が変わりましたら。
ああ、その資料はお持ちいただいて結構ですよ」
「ふん。ナチュラルのMS資料など不要だが、もらっておいてやる」
ザフトの男は資料を持ち帰り、去っていった。
次に現れたのは地球連合の技術者だった。
「やあ、うまくいっているかな?」
「まあ、何とかというところですかね?」
「“G計画”は何とか開始したが、その後の進展が遅い。
少々協力してもらいたいのだが?」
「場所を提供し、モルゲンレーテも参加しているのですから十分では?」
「そこをなんとかできないかね?」
「タイガ様に確認してみます」
「お願いするよ」
戻ってきた開発局員が報告する。
「タイガ様、うまくいきました」
「そうか。ちゃんと持って行ったか?」
「はい。これで――
『オーブはプラントにMSを売り込んだが、プラントは採用しなかった』
という事実が成立します」
「採用先を探していたオーブが、地球連合へ話を持っていくのは当然だな?」
「はい」
「そこで地球連合がオーブに技術協力を求めるのも当然だな」
「はい。その通りです」
タイガは薄く笑った。
「オーブは中立だ。
だからプラントにも地球連合にもMS売り込みの話をした。
採用しなかったのはプラントだ。
採用しなかった以上――『他に売るな』とは言えないな?」
「全くその通りです」
「連合の“G計画”もヘリオポリスで開始された。
後は連中を暴発させるだけだな」
タイガは不毛な言い争いを続ける会場に背を向け、静かに歩き出した。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、
創作上の出来事としてご容赦ください。
次回、いよいよ本編開始です。
100話近くなってようやく本編(汗)
どうしてこうなった(涙)
次回お楽しみください。