転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「さて、今後のことを話し合いたい」
司令官の言葉に促され、マリュー、ナタル、ムウは姿勢を正した。
アークエンジェルは上位士官が全滅し、生き残った士官はナタルただ一人。
戦闘員も不足し、艦を動かすだけで精一杯の状態だった。
「まず、君たちの現状は――
士官が全滅、戦闘員も不足、人員は艦を動かすのがやっと。
そういう理解で間違いないかな?」
「はい……」
他人から改めて指摘されると、胸が重くなる。
「君たちは地球連合軍だ。我々はオーブ軍であり、オーブは中立国。
軍事同盟も結んでいない以上、協力する理由は本来ない」
「しかし、それは――!」
ナタルが立ち上がろうとするが、司令官は手で制した。
「では逆に、君たちが我々の指揮下に入るかね?
最新鋭の兵器を持ったまま?」
「……」
言い返せなかった。
G兵器とそれを運用するアークエンジェル――
これからの戦況を左右する切り札だ。
それを軍事同盟も結んでいない他国に預けるなどあり得ない。
逆に、アークエンジェルがオーブ軍を指揮下に置くことも不可能だった。
「しかし、ここで我々が別々に行動すれば、ザフトに個別撃破される。
そんな愚行は避けたい。
そこで――君たちとは“指揮下”ではなく“協力体制”を取りたい」
「協力体制……ですか?」
「現在、ヘリオポリスの空調設備にトラブルが発生している。
そのため軍関係者二百人を、一旦アメノミハシラへ避難させたい。
君たちには、その移送を頼みたい」
「移送……ですか」
「現在ヘリオポリスには二百人を運べる輸送艦がない。
そこで君たちにお願いしたい。もちろんこちらから護衛を付ける。
戦闘はこちらが担当するが、完全ではないので、そちらにも参加してもらう」
どうかね?
司令官の問いに、マリューは考え込んだ。
(オーブの護衛が付けば、地球まで無事に辿り着ける可能性は高い。
こちらの戦力消耗も抑えられる。キラ君を出撃させずに済むかもしれない。
なにより、他に戦力の当てがない)
「分かりました。お受けいたします」
「ありがとう。助かったよ」
「よろしかったのですか?」
ナタルがマリューに尋ねる。
「何が?」
分かっていて、マリューは訊き返した。
「オーブの提案です。ザフトの目的は我々です。
オーブは我々を厄介払いしようとしているのでは?」
「キラ君たちの件であれほど怒っていた人よ?
自国民二百人を囮にするような人じゃないわ」
「それは……そうかもしれませんが……」
「それより、孤立無援で地球に戻るより、
オーブ軍の護衛付きで戻れる方が安心できるでしょう?」
ムウが肩をすくめる。
「確かにそうだな。
下手したら坊主のストライクだけで追撃を振り切る羽目になってたかもしれないと思うと、ぞっとしないね」
「そういうことよ」
ムウの軽口に返しながら、マリューは心の中で呟いた。
(……まあ、絶対に他の思惑もあるでしょうね)
司令官の裏にある“別の意図”を、マリューは確信していた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。