転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。

アストレイが通常のMSと異なる「王道ではない」理由の一端が明かされます。

どうぞお楽しみください。





第73話 アストレイ・システム

 

 

 

「何? ヘリオポリスをアメノミハシラまで移動させろ?」

 

「はい。アストレイの生産設備を守るには護衛が不可欠ですし、

そのために戦力を張り付けて遊兵化するくらいなら、

少しでも本国の近くに置こうという意図らしいです」

 

「しかしなあ〜……あの大質量を……うむ〜……」

 

「生産が進めば戦力は充実しますし、パイロットさえ補充されればヘリオポリス自体の戦力も増えます。

そうなれば護衛戦力を他に回すことも可能になる、という判断では?」

 

「確かにそうだが。……ザフトはこのまま何もせず引っ込んでいると思うか?」

 

「難しいでしょう。奪取された以上、G兵器の情報は全て相手に渡ったと思うべきです。

つまりプラントは G兵器そのものの生産すら可能 になったという事です」

 

「そうなると奪った兵器の有効性を確かめようとするだろうな」

 

「最悪G兵器そのものが損失してもデータが存在し、G兵器の実戦証明さえ出来れば問題ありません。

むしろG兵器の有効性を確認する為にも、G兵器での襲撃は避けられないのでは?」

 

「アストレイの公式の初陣はG兵器が相手か。厄介だな」

 

「スペックを確認した限りでは、アストレイはG兵器の足下にも及びませんね」

 

「だが、やり方はいくらでもある。

それに本国から送られてきた例のビームシールドの試作品は護衛艦に積んでいるだろうな?」

 

「はい。三つしかありませんでしたが、全て護衛艦に積んであります」

 

「最初は『ジン相手にビームシールドが何の役に立つのか?』と思っていたのだがな。

こうなっては不幸中の幸いだな」

 

「しかもPS装甲兼用ですからね。持続時間に関しては不安が残りますが、

それを除けば防御に関しては不安はほぼ無いと言って良いでしょう」

 

「試作品なのだからやむをえまい。

後はアストレイのビーム兵装の確認だな。

ジンを想定していたアストレイの武装がG兵器に対してどの程度有効なのか、

どの程度であれば出力の切り替えが必要なのか、実戦で確認出来るのは大きい」

 

「こちらもアストレイの実戦証明の確認ですか」

 

「なに、相手がG兵器の実戦証明を行うなら、こちらも同じ事をするだけだ。

地球連合の連中には精々ザフトの相手をしてもらおう。

自分達の不始末は自分達で蹴りを付けてもらいたいものだな。

それだけでも護衛を付けた意味がある」

 

「全くですね」

 

「しかし、ヘリオポリスの移動か……」

 

「アストレイの生産には大規模な工場は必要ありませんからね。

ここの設備も、本来であれば大きすぎるくらいです」

 

副官の言葉は事実だった。

アストレイは “モジュール構造” を採用しているため、巨大な工場は不要だ。

頭部なら頭部だけ。

右手なら右手だけ。

左足なら左足だけ。

中小工場でパーツ単体を製造し、最後に組み立てればいい。

本来、20m級の鋼鉄の巨人を製造・輸送するには膨大な時間と労力が必要だ。

だがアストレイは、それらをすべて不要にした。

20mの巨人を作る工場は必要か?

20mの巨人を運ぶ船は必要か?

答えは 「NO」 だ。

手足や胴体などのモジュールを中小工場で作り、梱包してコンテナで送ればいい。

これにより製造と輸送の効率は劇的に向上した。

アストレイという“システム”は、戦場だけでなく、

製造・物流という経済分野にまで革命をもたらしていた。

 

「ここの施設は最終組み立てと、諜報対策のダミーですからね」

 

「MSの手足が転がっているだけでは、誰もMS製造工場とは思わんだろうからな」

 

「ですが今の状況では、ここがアストレイの製造工場だと明白ですし、

ザフトが襲撃してきたことを非難する根拠にもなります。

それに移動してしまえば再びザフトに襲撃される事もなくなりますし、設備の保全も図れます」

 

「そういえば、確保した襲撃者の尋問結果は?」

 

「やはり“地球連合のMS製造工場”だと思っていたそうです。

自分たちの勘違いで中立国を攻撃したと知って、青くなっていましたよ」

 

「哀れなものだな。いや……あの方が恐ろしいのかもしれんが」

 

「これで正当な宣戦布告の理由が出来た事になります。予定通りでは?」

 

「確かにそうだが……」

 

「命令なので従うしかないのでは?」

 

「それもそうだが……よし。

地球連合の連中がザフトの目を引きつけてくれている間に、

ヘリオポリスをアメノミハシラへ移動する準備を整えろ」

 

「はっ!」

 

軍関係者の移送。

途中の交戦によるデータ収集。

地球連合への貸し。

そしてヘリオポリス移動のための囮。

何重もの目的を内包しながら、アーク・エンジェルは地球へ向けて出港した。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

地球に到着するまでの間に、スペックで遥かに勝るG兵器を相手にスペックだけでない
「アストレイの強さ」が証明される事になります。

次回お楽しみください。
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