転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第77話 解放

 

評議会に呼び出されたラウ・ル・クルーゼは、

査問会で激しく責め立てられていた。

オーブを敵対に導いたこと。

宣戦布告の口実を与えたこと。

しかもそれらを評議会の許可なく独断で行ったこと。

しかしクルーゼは、ここで“切り札”を出した。

――ストライクの戦闘データ。

その驚異的な性能。

他の4機のGシリーズをもってしても撃破できなかった事実。

しかもパイロットはナチュラル。

クルーゼは、パイロットがアスランの親友キラであることを意図的に隠していた。

データを見た評議会は騒然となった。

もしこのMSが量産されたら――

オーブが関わっていることは間違いない。

だがパトリック・ザラの一言が、空気を一変させた。

 

「オーブが何だというのだ! 所詮ナチュラルの国にすぎん!

我々の独立を阻む敵である事に変わりはない!」

 

その瞬間、評議会は“オーブとの開戦やむなし”の空気に染まった。

実際問題、ヘリオポリスを襲撃した時点でプラントに残された選択肢は少ない。

謝罪?

賠償?

保証?

――論外だ。

 

「なぜナチュラルのために我々がそこまで譲歩しなければならない!」

 

それがプラントの根底にある意識だった。

結局、クルーゼの行動は

「将来的な脅威を先んじて発見した功績」

として逆に称賛されることになった。

 

(愚か者どもめ……そのまま自分の愚行の末に滅ぶがいい)

 

評議員たちの称賛に笑顔で応えながら、

クルーゼの内心を知る者は誰もいなかった。

 

 

フレイ・アルスターはヘリオポリスのカレッジのアイドル的存在だった。

軍関係者の家族が避難する際、希望者はアーク・エンジェルで地球へ避難できることになり、

フレイは迷わずそれを選んだ。

一度襲撃されたヘリオポリスに残る気にはなれなかったのだ。

途中、志願兵となったトールやミリアリアと再会し喜んだものの、

彼らは忙しく、あまり一緒にいられなかった。

そんな時、キラが救助したのが――

プラントの歌姫、ラクス・クライン。

同年代の女性ということで、ミリアリアとフレイがラクスの世話をすることになった。

最初は「コーディネーター」というだけで身構えていたが、

ラクスのおっとりした性格と歌声に触れ、

「まあ、歌に罪はないし……」

と言いながら積極的ではないもののフレイも少しずつ心を開いてラクスの世話をするようになった。

そんな中、ラクスの“処遇”が決定される時が来た。

 

 

マリューたちは頭を抱えていた。

 

「このまま彼女を地球に連れていけばどうなるかしら?」

 

「徹底抗戦を主張する評議会議長の娘だぞ?

碌な目に遭わないのは間違いないなあ」

 

ムウが苦い声で答える。

 

「しかし、引き渡さないわけにはいきません」

 

規律を重んじるナタルらしい意見だ。

 

「でも、そうは言っても……」

 

マリューもムウも苦い表情を浮かべる。

その時、トダカ一尉が口を開いた。

 

「私は部外者だが……意見を述べてもいいかね?」

 

「どうぞ?」

 

マリューは藁にもすがる思いで耳を傾けた。

 

「私は――彼女を解放すべきだと思う」

 

「「「!?」」」

 

三人は驚愕した。

 

「どういう意味です?」

 

「本気かよ?」

 

「そんなこと認められません!」

 

「まあ、落ち着いてくれ。根拠がある」

 

トダカは静かに説明を始めた。

 

「まず我々は、2隻のザフト艦に追われている。

そしてデブリベルトで撃破した偵察ジンは、彼女を捜索していた可能性が高い。

我々の逃走経路から考えれば、彼らが我々とラクス嬢を結びつけるのは時間の問題だ」

 

ラクスは評議会議長の娘であり、プラントの歌姫。

奪還のために大規模な艦隊が動く可能性が大きい。

もっともな話だ。

現評議員議長の娘で絶大な人気を誇るプラントの歌姫。

それが敵軍に捕まったとすれば何としても奪還しようとするだろう。

 

「そこで、追跡してくる彼らに“ラクス嬢解放のための休戦”を提案する」

 

「休戦……?」

 

「もちろん、連中が守るとは思わない。

そこで“ダミーの救命ポッド”を用意し、彼らの目前で爆破する」

 

「「「!?」」」

 

「一定時間が経てば爆発しなくなる、と説明しておけば、連中はそこから動けない」

 

ナタルが疑問を口にする。

 

「無視して追ってくる可能性は?」

 

「ラクス嬢の奪還が目的の連中が、それを無視して我々を追うとは考えにくい。

彼女を保護したら、一刻も早くプラントへ帰りたいはずだ。

その場に留まり続ける理由はない」

 

「もっともですね」

 

マリューは深く頷いた。

 

「つまり私達はラクス嬢を解放する事で敵の追尾停止、敵戦力の分断と半減、

敵の追跡再開までの時間稼ぎを得る事が出来る。どうかね?」

 

三人は顔を見合わせた。

結論は、すでに決まっていた。

 

「ええ……ラクスさんを解放しましょう!」

 

「よし来た!」

 

「了解!」

 

こうしてラクスの解放が決定された。

――しかし、その後彼らに“悲劇”が降りかかることを、

この時は誰も知らなかった。

 

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。

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